米 3 年債の入札結果
独ZEW景況感指数は5月のピークから3か月連続で低下
昨日の欧州時間に入り発表となったドイツの6か月先の景況感を示すとされる8月のZEW景況感指数は、40.4と5月のピークから3か月連続で低下、市場予想の56.7も下回りました。
コロナ後の景気回復の一巡感、デルタ株の感染拡大からの経済の縮小、さらに一番の輸出先である中国景気のこの先の急減速を背景としたものです。
この発表後、為替市場では、ユーロが選択的に売られ、EURUSDでは3/31の年初来安値1.1704に迫る昨日安値1.1710を示現しています。
本日の発表予定の米7月のCPI(消費者物価指数)の発表を控え、取引を見送る市場参加者が多いなか、今週予定されるまとまった規模の米国債入札に注目が集まっています。
米3年債の入札結果
米国時間の午後に入り実施された580億ドルの3年債入札は、応札倍率で2.541倍となり7月の2.411倍、6か月平均の2.450倍を上回り、2021年3月以来の好結果となっています。
先週来の金利上昇から、割安となった米国債にグローバルの機関投資家や中央銀行からバーゲンハンティング的な買いが集まった結果でしょう。
午後に入り、米金利の上昇が一服、ドルの買い戻しは一巡して引けています。
本日も10年債入札が予定されていますが、同様の背景から好調な結果を予想します。
本日は、上述のように米国で7月のCPIの発表が予定され、前年比では+5.3%と引き続き高い伸びが予想されています。
ただ、この先、ベース効果(注)の影響は徐々に低下していきます。
(注)コロナで経済が大きく委縮した昨年と比較した場合、GDPやCPIの前年比での数値が大きくなって現れること。
そもそもこうした大き目の数値は一部市場に織り込まれており、これまで4、5、6と各月、市場予想を上回る結果となりましたが、金利は低下基調をたどってきました。
AUDNZDの考え方
ここでAUDNZDの方向性ですが、来週8/18のRBNZ(NZ準備銀)の会合ではコロナ後の金融の正常化、第1回目の利上げがフルに織り込まれています。
年内すでに3回程度の利上げが織り込まれていることもあり、NZドルの一段高には来年以降の更なる利上げの織り込みの加速が必要です。
NZでは不動産がバブル化、政府が融資規制にまで踏み込み、RBNZに対し、今後の金融政策の決定には不動産市場の動向も視野に入れるよう要請しています。
NZでは、CPIは上振れ、失業率も急改善するなかでは、豪ドルにアウトパフォーム(運用成果などが勝ること)することは明らかではないでしょうか。