ドル売りの流れの継続性を広く占う1週間
コロナ後の景気回復に一旦のピークアウト感
先週1週間の対ドルでの主要通貨の騰落は、上昇通貨は上位よりCHF(+1.56%)、GBP(1.11%)、EUR(+0.82%)、JPY(+0.78%)、CAD(+0.71%)と続き、
下落通貨でも同様に、AUD(-0.30%)、NZD(-0.01%)と続いています。
FOMCでは、テーパリング(量的緩和の縮小)の議論が一段と進み、来年初めのテーパリングの開始が徐々に金融市場に織り込まれつつあります。
米GDPやPCEデフレーターなどをみても、市場予想を下回るものが出始め、明確にコロナ後の景気回復に一旦のピークアウト感が見え始めています。
金融緩和の長期化観測がでてきたことで、金利は低下、これを好感して米株は史上最高値を更新、為替市場ではドルが年初来の高値水準より反落となっています。
こうしなかで、やや意外な動きはオセアニア通貨の動き、対欧州通貨で売りが進行とややリスク回避的な動きとなり、この動きには少し首をかしげたくなります。
ドル売りの流れは続くか?
先週、主要通貨に対しドルが売られ始め、今週はこの流れの継続性を広く占う1週間となりそうです。
今週は、月初ということもあり、金融政策の発表も含め、比較的イベント盛りだくさんの週となっています。
8/2 米国経済の代理変数と称される7月ISM製造業景気指数が発表予定
労働力不足から物流に滞りが見えてきていることもあり、こちらもピークアウト感が鮮明となっています。
8/3 RBA(豪州準備銀)が金融政策を発表予定
史上最低の0.1%の政策金利の維持が見込まれ、おそらくサプライズなく通過でしょう。
注目は、8/5のBOE(イングランド銀行)の金融政策の発表。
BOEは2月/5月/8月/11月の各月に四半期インフレレポートを公開しており、今回はこの月に当たり、ここに注目が集まります。
金融政策の現状維持が見込まれるなか、前回、テーパリングを唯一主張したホールデン委員が7月末で退任、後任が決まっておらず、事実上8人で採決を行います。
テーパリングを主張するメンバーが増え始め、票が割れる可能性があり、短期的にこちらがポンド相場に影響を与えそうです。
8/6 米国では7月の雇用統計が発表予定
失業給付は約25州で9月の期限を前に打ち切られており、新規雇用者の一段の増加(急増)が見込まれています。
雇用統計は経済指標では遅行指標、景気回復期では良くて当然、引き続き強めの経済指標の発表に対し、金融市場の反応が一時的で、金利低下、ドル売りで終わる可能性があります。