金利差の縮小から先週までのドル高の調整局面入りへ
金利差の縮小から先週までのドル高の調整局面入りへ
昨日は、欧米時間に入り米金利が一段の低下、短期的なポジション調整の動きから、主要通貨に対してドルが売られ、USDJPYで昨日安値109.00、EURUSDでは同高値1.1927を示現しています。
こうした動きのなかで、米国の先週1週間の新規失業保険申請件数が74.4万人と市場予想を上回ったことも、米金利低下、ドル売りを後押ししました。
ただ、ドル売り一巡後は、フォロースルーもなく、108.80-109.00の日本の機関投資家からとみられる比較的まとまったドル買い注文を前に、緩やかな反発をみせています。
FRBパウエル議長がIMF(国際通貨基金)主催のバーチャル形式の討論会に参加、このなかで「一時的な物価上昇は、持続的なインフレにはならない」と持論を繰り返しました。
この発言からの金融市場の反応は限定的、米国時間の午後に入り、新規の材料も乏しく、主要通貨は横ばい推移の展開が続き、そのまま引けています。
トレードポイント
米10年債金利の低下から、日米10年債金利差は1.533%まで縮小、こちらから導かれるUSDJPYのフェアバリュー(整合的な水準)も109.041まで下落しています。
同様に米独の10年債金利差も1.956%まで縮小、EURUSDのフェアバリューも1.18780まで上昇しています。
USDJPYは高値圏で108-111円のレンジで推移か
今週前半にかけての、一連の米経済指標の好結果を受けても米金利は低下、好材料に反応薄となっていました。
2月以降の米金利の急上昇の局面が一旦調整に入ったと考えますと、USDJPYも高値圏で3円程度(108-111円)のレンジで推移すると考えます。
EURUSDも1.17-1.20のレンジ相場
EURUSDも基本的な見方は同じで、1.17-1.20と考え、安値を売らず、高値を買わずを繰り返せば良いかなと思います。
この先に発表されるQ2(4-6月期)の米経済指標は、コロナで落ち込んだ前年比ではどう考えても過熱をみせてくるはずです。このように考えますと、金利の上昇は、おそらく夏前にピークをつけるはずで、これに伴い、ドルも同時期に高値をつけるとみています。
引き続き、この調整局面を使い、ドルを安値圏で拾いたいと思います。戦略やポジションは現状維持となります。
2021/04/09 06:18にSmartLogicFX で配信した内容から抜粋しています。
詳しいポジションはSmartLogicFX で配信しています。
「為替と金利」「ドルと米国金利」については、リアルインテリジェンスYouTubeで解説させていただきましたので、ご覧ください。