ストップロスとは?大事な基本をしっかり学ぶ
ストップロスの基本
ストップロスとは、持ったポジションが思惑と反対に動いて損失(含み損)が発生した時、損失を一定レベルに抑えるために予め出しておく反対売買注文のことです。
- 上昇すると思い「買いポジション」を持ったが下落し損失発生(含み損)
- 下落すると思い「売りポジション」を持ったが上昇し損失発生(含み損)
これらの損失が一定レベル以上になると自動的に持っているポジションが手仕舞い(清算)されます。
自分で考えずに、自動的にロスカットされることで損失リスクを回避します。取引会社によっては最初にストップロス注文を設定しないとポジションを持てない会社もあります。
取引会社(証券会社等)によって次のようにストップロス注文の呼び方が違ったり、注文の仕方が違いますので各取引会社に注文方法を確認すると良いでしょう。
- ストップロス注文
- ロスカット注文
- 逆指値注文
電話で注文方法を教えてもらうのが一番確実です。
ストップロスの幅の考え方
ストップロスの幅は資金の2%以内に設定することが大切です。つまり、失う資金を2%以下にするということです。
100円の株の場合、ストップロスは2円以下です。レバレッジをかける取引の例では、ドル/円が100円くらいだとするとストップロスの幅は次のとおりです。
- レバレッジ1倍 2円
- レバレッジ5倍 0.4円
- レバレッジ20倍 0.1円(レバレッジ20倍は大きすぎです)
ストップロスを狭くすることでレバレッジを上げることは可能なので、ここぞという時にレバレッジを上げることは可能です。ただし、むやみにポジションを持つことは厳禁です。
ストップロスの考え方は全ての相場で同じ
全ての相場でストップロスを入れることが大事です。
- 為替(FX、ドル・ユーロ・円など)
- 株(日本株・米国株・指数)
- 商品(ゴールド・原油・穀物)
- REIT(リート・証券化された不動産・株式市場で取引)
- CFD(株式・商品などを為替のプラットフォームで取引)
- 暗号資産(ビットコイン等・仮想通貨)
ただし、各相場特有の特徴やその時々の特徴がありますので、実際の取引の時はイーグルフライを参考にしてください。
現物の不動産だけはストップロスという考えを持っている人が少ないです。
不動産投資は通常「不動産賃貸経営」なので考え方が違うからです。
ストップロスの位置
ポジションを持つ時はローリスクハイリターンを狙える抵抗ラインでポジションを持つことになります。
ストップロスも抵抗ラインを越えたところに起きます。
・買いポジションのストップロスは、サポートラインのすぐ下
・売りポジションのストップロスは、レジスタンスラインのすぐ上
図にて解説します。
①サポートライン
②レジスタンスライン
ポジションを持つには抵抗ラインで持つことになります。抵抗ラインについて詳しく書きましたので、合わせてお読みください。
https://real-int.jp/articles/867/
ストップロスを入れないとどうなるか?
ストップロス注文を入れずに思惑と反対に相場が進むと含み損がどんどん大きくなり全資産を無くすこともあります。
ストップロスオーダーを入れずに自分で手仕舞いの注文(成り行き注文)も可能ですが、人が考えると手仕舞いすることを躊躇し、手仕舞いできなくなることが多いです。
損失が大きくなればなるほど手仕舞いができなくなるのです。
怖くなって口座を見ることができなくなり、そのまま放置して強制ロスカットになってしまいます。
強制ロスカットとは
強制ロスカットとは資金(証拠金)が足りなくなって取引会社によってポジションを強制的に手仕舞い(清算)することです。
ケースによっては資金(証拠金)を追加しなければいけないこともあります。追証(おいしょう)・追加証拠金といいます。
「損失が大きくなっているがどうすればよいか」という質問に対しては
「何も考えずに手仕舞い」
が回答です。
間違ったと思ったら何も考えずに「すぐに手仕舞い」が基本です。
証拠金とは
証拠金とはレバレッジを効かせ元の資金以上を取引するための資金です。
株式はレバレッジ1倍(レバレッジをかけない状態)
為替はレバレッジ5倍以内
をお勧めしています。
為替は株式と比較して変動率(ボラティリティ)が1/5くらいだからです。
為替はレバレッジを5倍にすると株と同じくらいのリスクになるということです。レバレッジを5倍以上にするとバクチ的取引になるのでご注意ください。
売りポジションを持った時は特に注意
レバレッジが1倍でも売りポジションの場合、100円のものが200円になると損失が100円になるため買った資金がゼロになります。買いポジションにはストップロスを入れても、売りポジションには、ストップロスを入れない人が多いのでご注意ください。
一般の証券会社の場合、売りポジションを持つことは推奨していません。
これは株価を上げたい国からの指導や売りポジションを持つ人が損失となることが多いことが原因だと思います。
(売りポジションは比較的短期間に買い戻されるので実際には売りポジションがあっても下落要因になるわけではありません)
ストップロスが効きやすい相場
ストップロス注文は相場が連続している時には注文通りに約定します。しかし、注文が連続していないとストップロスが予定の価格で約定しないことがあります。
各相場の連続状況
- 為替 月曜日の朝から土曜日の朝まで相場が連続 土日は休み
- 株式 平日の9:00~15:00(夜間取引できる時間帯あり)
- 商品 平日の8:45~15:10(銘柄によって異なる・夜間取引できる時間帯あり)
- CFD 基本的には為替と同じだが、取引できない時間帯もあり
- 暗号資産(仮想通貨) 土日も含めて連続(サーバーメンテナンス時間は取引不可)
- 為替(FX)の場合、土日以外は連続しているので、その間はストップロスが有効です。
- 為替市場(しじょう)が休みの時は土日以外は1月1日だけしかありません。
- CFD(株や商品など)は取引会社で異なりますが、ほぼ為替と同じです。
CFDは、ほぼ月曜日の朝から土曜日の夕方まで相場が連続しているのでストップロスが有効です。普通の株式相場や商品相場は連続性が低いのでストップロスが効かないことがあります。
ストップロスが効かない相場
株式や商品の個別銘柄では短期間に大きく相場が動くことでストップロスが効かないことがあります。株式や商品(貴金属・原油・穀物)などの相場では市場が加熱し大きく相場が動くと
一定の値幅で動きを止めることがあり、それを「ストップ高」「ストップ安」といいます。
ストップ高とは前日の終値に対して値幅制限いっぱいまで株価が上がることをいいます。
ストップ安とは前日の終値に対して値幅制限いっぱいまで株価が下がることをいいます。
買ってからストップ高は嬉しいですが買ってからストップ安は悲しいことになります。
これらは、急激な相場変動で投資家に大きな損害や混乱を与えないために設けられているのですが、ストップ安・ストップ高となる相場では、ストップロス注文が通らないことがあります。
買いポジションを持っていて「売りたい」「手仕舞いしたい」と思っても、連続してストップ安となるとストップロス注文を入れておいても、ストップロス注文がなかなか入らないのです。(約定しないのです)10日以上もストップロス注文が入らず(約定しない)日々資産が減っていくこともあります。
個別株には、このような要素があるので、このようなことが基本的にはない日経225のようなインデックス投資が好ましいです。
光通信の20営業日連続ストップ安
1990年代後期の株式市場ではITバブルがありました。光通信という携帯電話販売会社が60億円の黒字から130億円の赤字への大幅下方修正となり、ビジネスモデル的に市場が不信感を持ったことから株価が24万円から3ヶ月で8000円台に急落したことがあります。この際に20営業日連続ストップ安という過去最大の連続ストップ安事件がありました。(東証一部市場)
20日間、ずっと値幅制限いっぱいまで下げたので買っていた人は売ろうと思っても売れない日々になったのです。投資家は逃げたいと思っても逃げられない状況に陥ってしまいました。
個別株や商品だとこのようなリスクがありますがストップロスがほぼ有効な為替取引(FX)は逃げやすく安全だということになります。
現物の株であればレバレッジ1倍で、まだ良いのですがレバレッジを上げるために信用取引にすると元の資金以上に損失が膨らむことがあり、元本が消えるだけではなく大きな追加証拠金が発生することがあります。
ストップロスにかかったら
ストップロスにかかった直後にポジションを持つ人も多いですが、それでは、ストップロスの意味がありません。
ストップロスにかかったら、頭を冷やす時なので、しばらくは何もしないことが大事です。
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