世界の株価は気迷い状態
気迷い相場
現在、各相場に変調をきたしています。経済実態とは離れて上昇してきた世界の株価は、現在、上昇継続するのか、下落していくのか気迷い状態です。
コロナ危機の経済ダメージによる株価暴落を回避するために、無制限の金融緩和(量的緩和)によって株は上昇してきました。
今後、ワクチン等でコロナが収束していくと、無制限の金融緩和を縮小させていくことが求められ、金融緩和を縮小すると株価が下落していくことになります。コロナのおかげで株が上昇してきたからです。
コロナが終わっても株価を下落させるわけにはいかないので、無制限の金融緩和は継続するだろうという見方もあります。
その可能性は大きいですが、無制限の金融緩和を継続していき金利が一定以上に上昇してくると、ハイパーインフレになることを避けるために金融緩和(量的緩和)を止めることになり、株価は暴落することになります。
インフレ自体は株価上昇要因であるものの、その前にバブルは、はじけることになります。無制限の金融緩和に依存する株価上昇だからです。
現在、株の中長期の方向性について、上昇するという人と下落するという人に分かれますが、今のような過去にない状況では「今後の動きは分からない」が正解であり、「相場についていく」ことになります。
現時点では、株はしばらく横ばいの後に再び上昇しそうですが、急変に注意です。
異次元を越えて別世界に
日銀の「異次元の金融緩和」からスタートした金融緩和ですが、現在は、さらに上の「無制限の金融緩和」により、私たちは過去の世界とは別の「別世界」にいるような感覚です人類が始まって以来、始めて経験する経済構造になっていることを理解しておくことが大切です。
ダボス会議でのテーマ「グレートリセット」は、現在の手が付けられない金融緩和に対処するためのものですが、それは金融の世界の激変を意味します。
グレートリセットがどのようなことになるかは、まだ分かりませんが、過去にない大きな激震をもたらすと思いますので、金融については目を離せない時代の到来です。
株と金利
現在、投資・トレードの世界では教科書的知識が役に立たない時代です。
金利が上昇すると、株式投資より債券投資の方がリスクが少なく利益になると考える人が増えてることから、株は売られて債券が買われるので、株価は下落することが基本ですが、現在、そうなっていないことが多いです。
ただし、金利が全ての相場の基本なので、金利は注目しておく必要があります。
長期米国債の金利は上昇していますが、ジャンク債の金利は、ほとんど上昇していないので金融収縮にはなっていません。ジャンク債が売られだしたら危険信号です。
10年米国債金利は上昇
ジャンク債価格は少し下落(=少しだけ金利上昇)
リアルタイムチャート
https://jp.tradingview.com/chart/j1Gp5h0x/
ちなみに米国金利が上昇すると、(米)ドルは上昇し(ドル金利が上昇するとドルが買われる)、トルコリラ等の新興国通貨は下落です。(高金利だが危険な新興国通貨を売って安全な高金利通貨を買うため)
金利が上昇中のドルは、上昇圧力が継続することになります。
米金利相場については、シティバンクの元ディーラー和田さんと西原さんの解説をご覧ください。
米長期金利とドル円の上昇は続くか?
和田仁志×西原宏一
https://youtu.be/QLtPWFHTDXg