私たちは金融危機に向かって滑り落ちている可能性があるのだ

今回はちょっと中期の話で。。
僕は、円高になると考えていますが、日経平均がどこかでボトムアウトして反発すると考えており買い場を探しています。
ただなかなか日経平均を買い出動できない材料は、米株と米債券が同時に下落するという相場展開が起きていること。
今月の米株はトランプ政権の関税報道で値を崩しています.
今週の反発で少し値を戻していますが、今月のSPXも大きく値を崩しています。
一方こうしたrisk offの環境下、通常買われるべき米国債が売られる局面も。
米10年債利回りは、4月11日には一時4.5864%まで反発(債券価格は下落)しています。
こうした債券売りはCovid-19 パニック期に初めて見られた現象で
マーケットではこの米国債の売り手として中国(現在、米国債保有量第2位)の動向に警戒しています。
現時点ではベッセント米財務長官が「関税を巡る中国との対立は米中にとって持続不可能で、緊張緩和の道筋を見つけなければならないと述べ、緊張緩和は近く実現する」とコメントしたことで現実のものとなる可能性は低いとみられています。
ただ現在のトランプ政権の関税政策は、非常にトリッキーで
米中貿易戦争が米中金融戦争に転じ、中国のドル資産離れを引き起こす可能性を否定できない状況にあると指摘しているコラムニストがいます。
それがGillian Tett(ジリアン・テット)
みなさんは「フールズ・ゴールド」という著名な本を執筆したジリアン・テットというFTの記者をご存知でしょうか?
彼女は、2008年の金融危機が顕在化する前から、クレジット・デリバティブ市場の複雑さとリスクについて警告を発していました。彼女はFTのキャピタル・マーケット編集者として、2005年頃から金融工学の進化やデリバティブ市場の不透明性に注目し、危機の可能性を指摘していたことで有名です。
その彼女が「私たちは金融危機に向かって滑り落ちている可能性があるのだ〜we could be sliding towards a financial crisis.」とコメントしていることがマーケットで話題になっています。
僕は彼女の視点が好きで「ANTHRO VISTION(人類学的思考)や
「サイロエフェクト」なども読んでおり、彼女の視点をチェックしています。
その彼女が「we could be sliding towards a financial crisis.」と指摘している状況では、
どうしても気になって、トランプ政権の関税の動向と米株や米債券への影響を頻繁にチェックしているわけです。
ご参考までに
西原宏一のシンプルトレードの一部を抜粋してお届けしています。
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