今週はPPIとCPIに注目
先週の動き
東京証券取引所で大発会が開かれ、金融市場・為替市場が平常に戻った実質1月第1週の為替市場ですが、引き続きドル高の流れが続いています。
上昇通貨はCAD(+0.16%)のみとなり、下落通貨は上位より、GBP(-1.71%)、AUD(-1.14%)、NZD(-1.02%)、CHF(-0.88%)EUR(-0.60%)、JPY(-0.28%)と続いています。
英国のスターマー政権の財政拡張懸念から、株・債券・為替のトリプル安はかろうじて免れているものの、英国債を手放す動きから金利が上昇、為替市場ではポンド売りが進んでいます。
週末に発表された米国の12月の雇用統計は労働市場の堅調さを再確認、追加利下げに懐疑的な見方が一段と強まり、金利は上昇、為替市場では初動はドル買いの反応でした。
しかし、金利の上昇から株価の割高感が台頭、リスク回避の動きから米株3指数が値を下げ、その余波から、為替市場ではクロス円が売られました。
USDJPYは昨年夏の政府・日銀の円買い介入後の戻り高値を更新する158.88まで上伸、しかし、伸び悩んだ後にクロス円の売りから反落となっています。
為替市場で進むのはドル高、ただ、160円という節目を目前に、上昇一服、胸突き八丁、USDJPY単体ではドル買い材料にやや反応薄なのが気になるところです。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:408pts
実際の値幅:263pts
EURUSD
予想した値幅:262pts
実際の値幅:222pts
EURJPY
予想した値幅:420pts
実際の値幅:333pts
上述のように気になるのが、USDJPYの伸び悩み、値幅も拡大せず、先週終盤はクロス円の下落に伴い、上げ幅を縮小しています。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:430pts
68%下限/上限:155.61/159.91
95%下限/上限:153.46/162.06
EURUSD
予想する値幅:252pts
68%下限/上限:1.0120/1.0372
95%下限/上限:0.9994/1.0498
EURJPY
予想する値幅:450pts
68%下限/上限:159.40/163.90
95%下限/上限:157.15/166.15
オプション市場のIV(予想変動率)は先週とほぼ同水準、しかし、盛り上がりには欠け、米12月のCPI(消費者物価指数)の反転上昇を一部織り込み始めています。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
為替市場の短期的な方向性を占うという点で、今週は以下の米経済指標が重要です。
1/14、米12月PPI(生産者物価指数)
1/15、米12月CPI
1/16、米12月小売売上高
PPIとCPIでは当然後者が重要ですが、今月の場合はPPIが先に発表されますので、PPIも重視したいところです。
コロナ後のインフレの加速ですが、CPIは22年6月に9.1%(前年比、以下同)でピークアウト、PPIは同年3月の11.5%が頂点。
その後は順調にディスインフレの流れが続いたわけですが…。
(川の流れではPPIが川上、CPIが川下、PPIが先にピークアウトしたのはこの背景から)
そうしたことから、PPIは2023年6月に0.1%まで急降下(前年の数値が大きすぎたため、翌年がかえって小さく見えてしまう、いわばベース効果)しました。
今起こっていることは、再低下した時と比較することで、(今が大きくなる)再びベース効果が働くわけです。
その前提で、12月のCPIの予想は以下の通り、
CPI、前月比(予想+0.3%、前回+0.3%)
CPI、前年比(予想+2.9%、前回+2.7%)
コアCPI、前月比(予想+0.2%、前回+0.3%)
コアCPI、前年比(予想+3.3%、前回+3.3%)
ゆるやかな反発予想、翌日1/16の小売売上高も年末商戦を反映して総じて堅調な結果予想。
ここまで堅調ですと、改めて追加利下げは必要なくなり、さらに来週はトランプ劇場が再開しますので、インフレの再加速というのは想像に難くありません。
こうしたなかで、株価が下落し始め、市場が少し反乱の兆候を示したのが先週の雇用統計後ですが、この動きが一過性なのか、続くのかを少し見極めたいところです。
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