欧米のPMIの結果に注目
大幅利下げから米景気再拡大、2週間後に迫る米大統領選を前に激戦州でのトランプ氏リードが広がり、財政拡張的な政策や関税強化を織り込み金利の上昇が続いています。
ワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催中ですが、訪米中の加藤財務相からは為替の水準の関し目立った発言はありません。
日銀植田総裁は「日銀はインフレ期待を新たな水準に引き上げたい」としながらも追加利上げに関しては(選挙前でもあり)慎重な姿勢を維持しています。
金利の上昇もあり、為替市場では主要通貨に対しドルが全面高、USDJPYはほとんど押し目を作らず7/31以来の153円台乗せ、高値を153.18まで拡大しています。
BOC(カナダ中銀)が市場予想通り50bpの利下げを決定、政策金利を3.75%としていますが、ピークの5.00%からすでに1.25%の下げ、この先の追加利下げが濃厚となっています。
声明では「新型コロナウイルス渦でのインフレは終わった」、「利下げペースの加速」も示唆と非常に強い緩和バイアスを市場に植え付けています。こうした政策発表もドル高を決定的にしています。
しかし、金利の上昇を嫌気して米株3指数はまとまった下げとなっており、やや調整色を強くしています。
トレードポイント
150円を超えて進む円安ですが、背景は複数でしょう。
(1) いつものように輸入企業筆頭に輸入予約(先物での外貨買い)が遅れていること
(2) 衆院選前、または前後でもあり、政府の政策が見通せず、今月末の日銀金融政策決定会合では据え置きが確実視されていること
(3) 衆院選前でもあり、公の場で発言機会がありながら、植田総裁は慎重な発言に徹しなければならないこと
(4) トランプ氏返り咲きからまたトラの可能性が一段と高まってきたこと
(5) 大統領選前でもあり、あからさまな為替介入に踏み切りにくいこと
(6) 日足一目均衡表の雲の上限(150.69水準)を引値ベースで明確に上回ってきたこと
為替市場ではドル高、または二極化が進むわけですが、本日は欧米で10月のPMI(購買担当者景気指数)が発表されますが、景況感を反映した二極化の結果(米高欧低)になるかと思います。
突発的なニュースでも飛び出さない限り、ここまでの反転のバイアスはかかりにくいと思いますが、USDJPYは先週末から4円弱円売りが進んでいることもあり、けん制が入るかもしれません。
以上を加味した戦略が継続です。
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