本日は日銀買いオペ、米雇用統計に注目
本日は米国で5月の雇用統計をむかえますが、市場予想は以下の通り。
失業率:3.9%(前回、3.9%)
NFP(非農業部門雇用者数):+18.5万人、(前回、+17.5万人)
平均時給の前年比伸び率:+3.9%、(前回、+3.9%)
まず、雇用関連指標は経済活動の実際の結果ですので、分類はハードデータとなり景気変動の遅行指標です。
ですから、景気拡大のなか、半ば良くて当然、変調をきたしたり、減速を示すようですと中銀は政策を緩和寄りに移行しないといけません。
さて、先週末から発表されたコアPCEデフレーター、JOLTS、ADP雇用報告、そして昨日の新規失業保険申請件数は減速を示す結果となっています。
4月の求人数は800万件、2022年3月には1200万件を超えていましたので、今の水準は3分の2、ちなみに求人数は「4月の結果」、5月はさらに減速している可能性もあります。
コロナ後の労働者不足から、人手が足りなくなり、1人の労働者を雇用主が高い賃金を支払って奪い合う構図が徐々に過去のものとなると、平均時給は確実に減速します。
(自発的な退職も含め)、職を失うと次が見つからなくなるリスクが浮上すると、レイオフに遭遇するまで働き続けないといけません。
レイオフ後の賃金は良くて現状維持、足元をみられ、低い金額が提示される場合もあるでしょう。
労働市場の過熱は終わったなどと風呂敷は広げたくはありませんが、JOLTSの減少傾向をみるかぎり、多少の巻き戻しはあっても、下落は続くのでしょう。
隣国のカナダが今週利下げに転じていますが、同じ北米の資本主義圏ですから、米国も実際は利下げ前夜。
今朝現在、7月FOMCでの1回以上の利下げの可能性を20.6%と織り込んでいます。
仮に7月に利下げを発表するとなると、来週6月のFOMCで事前告知をする必要があり、今回の雇用統計次第ではこの可能性が急浮上するかもしれません。
長くなりますが、本日は日銀の10:10の国債買い入れ発表にも注意、来週の日銀金融政策決定会合で国債買い入れ減額を発表するのであれば、事前に一部減額してくるからです。
減額は円買い要因です。
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