明日の日銀金融政策決定会合へ向けて
155円という大台に乗せてきましたが、水準を押し下げるような円買い介入はこれまで入っていません。
ステルス介入の観測が昨晩はありましたが、(仮に介入があった場合)受け渡しの2営業日後を待たずに日銀当座残高に大きな変化が現れ、介入実績がほぼ判明してしまいます。
なぜ円買い介入が入らないか?それは誰の眼にも今の動きが小動きで危機的な状況にほど遠く、円売りがスパイラル的に加速しそうな状況にないこと。
USDJPYの過去20日間の変動率を示す20日HV(ヒストリカル・ボラティリティ)では4.12%水準と2022年1月11日以来の水準であり、それだけ動いていないことを示します。
SNS上などでは防衛ラインは152円であり、その次は155円だという論調が多くみられましたが、変動相場制のもとで通貨当局の明確な防衛ラインは存在しません。
しかし、JALの新社長から130円水準が望ましい、経団連からも行き過ぎとの指摘もあり、この国の通貨政策は大丈夫なのか?そんな疑念も浮上してくるでしょう。
制約があるとすれば上述の低変動、為替操作国の認定水準を回避する約10-12兆円という介入額の上限、米国債を売り手放さなければならないというハードルでしょうか。
円買い介入は明日の日銀金融政策決定会合を待つというのがメインシナリオですが、この局面、日銀が追加利上げをしなくても円売りを一時的に止めることは可能です。
それは政府・日銀がタカ派姿勢を強調すること、具体的に、
(1)日銀は1、4、7、10月はこの先の経済見通しを示す展望レポートを公開していますが、ここでCPIの見通しを引き上げる、今会合から2026年見通しが入りますが高めの予想とする。
(2)これまで買い入れた日本国債の保有額を維持するために、毎月6兆円をめどに市場から国債を買い入れていますが、この減額を発表することでQT(量的引き締め)になります。
(3)賃金と物価の好循環の実現が早まり、植田総裁の会見等で利上げ見通しの前倒し予想を示し、タカ派色を総動員する。
(4)2013年に、デフレからの脱却と持続的な経済成長の実現に向けて、政府と日銀が表明した政策協定、アコードの達成と撤廃を広く宣言する。
円買い介入を実施しなくても、日銀が追加利上げを発表しなくても、こうした発表をするだけでUSDJPYを大きく反落させることが可能でしょう。
明日の日銀金融政策決定会合を前に、前日、またが当日朝のリーク記事に再度注意の時間帯に入ってきました。
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