G20の意味・トレードポイント
G20財務相・中央銀行総裁会議が閉幕していますが、鈴木財務相「為替は議題ではなく発言していない」が今回のG20の縮図だと思います。
議論の中心は中東情勢、ウクライナ支援であり、このところ進むドル高は輸入物価の下落を通じ米国の物価の沈静化には援軍ですので、米国の危機感は乏しいと思います。
懸念しているのはドル建て債務が拡大しかねない新興国と日本くらいで、日米韓の共同宣言は最大限に同盟国に配慮した着地であるといえます。
注目材料に欠けるなか、米国時間に入り発表された4月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数は15.5(予想1.5、前月3.2)と約2年ぶりの水準まで急上昇しています。
企業の生産現場での過熱を示唆しており、見方とすればPPI(生産者物価指数)の先行指標であり、消費の強さと物価の再上昇を裏付けるものです。
金利は上昇、利下げの織り込みを一段と巻き戻し、為替市場ではドルが買われ、USDJPYで昨日高値154.68、EURUSDでは同安値1.0642を示現しています。
今週土曜からのブラックアウト期間入りを前に、FOMCメンバーからは再びタカ派の発言が相次いでいます。
NY連銀ウィリアムズ総裁が、「メインシナリオではないものの次回の政策変更が利上げとなる可能性」に言及、アトランタ連銀のボスティック総裁は利下げ年内1回を堅持しています。
両者ともに、今年のFOMC内では投票権があり、今週のFRBパウエル議長の発言に続き、年内の利下げ開始のハードルが一段と高まっているきらいがあります。
高金利の長期化を嫌気してダウの反発は限られ、ナスダック、S&P500は5日続落とやや調整の色を濃くしています。
トレードポイント
USDJPYは155円という大台を前に再び足踏みが続いていますが、上述のように各国の思惑は異なり、自国通貨への関心、危機感等は大きな温度差があるということです。
かつて、2016年9月、現在は国家経済会議の議長を務めるかつてのFRBブレイナード理事(最後はFRB副議長)は「20%のドル高は2%の引き締め効果」としていました。
つまり、足元で進むドル高は(目立った発言は飛び出しませんが)米国に投資を促し、インフレの鎮静化にも貢献する非常に好ましい動きということなのでしょう。
仮に日韓に自国通貨買い介入を容認したとしてもそれは「スムージング・オペレーション」程度、大幅にドルを減価させる大規模介入には距離を置くという算段なのでしょう。
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