G20を前に円買い介入は見送りか
米国時間に入り、USDJPYが節目である155円を目前に急反落、一時的に154円を割れる瞬間があり、いろいろ憶測を呼んでいるようですが。
市場参加者の話を総合すると、円買い介入ではなく、一時的にまとまったドル売りが持ち込まれ、ミニ・フラッシュクラッシュ的に反落したとこのことです。
筆者も99%円買い介入ではないと思いますが、真偽は2営業日後の受け渡し(USDJPYの決済は2日後)を待たず、日銀当座残高の増減からほぼ判明します。
市場の注目度高かった米国時間午後のFRBパウエル議長とカナダ中銀マクレム総裁とのパネルディスカッションですが、両者とも慎重な姿勢を堅持しています。
パウエル議長は「利下げの先延ばしが適切」、「現在の高金利の当面の維持」を示唆、雇用、物価、消費が堅調ななかでは緩和に踏み切るのはやはり無理があるということです。
一方で、これに先立ちECBのラガルド総裁がCNBCとのインタビューで「ディスインフレの継続を前提に利下げが適切」と発言しています。
再び焦点に浮上する「金融政策の格差の拡大」、米金利の上昇からドルが買われ、USDJPYで34年来高値154.78、EURUSDでは昨日安値1.0601を示現しています。
トレードポイント
本日(4/17)より4/18までG20財務相・中央銀行総裁会議が開催され、このところ進むドル高が議論される可能性は高いと思います。
特に債務残高の多い新興国などでは、ドル建て債務の事実上の膨張になるわけで緊張感は高いと思いますが、「動きを注視」する程度で終わると思います。
過去8回のデフォルト(債務不履行)を宣言したアルゼンチンのような新興国(昔は発展途上国)でもでてこない限り、国際政治の1つのショーで終わりだと思います。
そもそも、このところ進むドル高は、輸入物価の下落を通じインフレの再燃を危惧する米国には支援材料ですので、危機感はおそらく乏しいと思います。
こうした国際会議を前に、円買い介入ができるか?先週の岸田首相の国賓待遇での訪米に続き、G20の終了まで介入はないがメインシナリオです。
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