ドル円 152円が防衛ラインは本当か!?
FRBパウエル議長のスタンフォード大学での講演は「年内どこかの時点での利下げが適切」、「政策変更はあくまでデータ次第」とこれまでの姿勢に変化はありませんでした。
ADP雇用報告後に上昇に転じた金利は、ISM非製造業景気指数の結果を受け低下に転じ、午後にかけて低下が続きました。
金利の低下から、為替市場では米国時間の午後にかけて全般ドルが売られ、USDJPYが151.95から反落、EURUSDが昨日高値1.0837まで反発しています。
1日を通じてみると、下落通貨は円のみ、それ以外は上昇しており、USDJPYとクロス円が上昇する日を終えています。
トレードポイント
これで11日連続でUSDJPYは151円台で引け、ドル買い注文が下に並ぶ一方、介入警戒感から152円もつかない奇妙な均衡が続いています。
かつての円高局面で防衛ラインとみられた100円は1994年6月、90円は1995年3月、80円も1995年4年月に決壊、為替市場で一定の水準を防衛するのは不可能です。
通貨当局が自国通貨を割高な水準に指示しようとすると、かえって市場の反乱に遭遇し、1992年のポンド危機、1997-98年のアジア通貨危機のような事態を招きます。
昨日も152円が仮に決壊しても、152円台では円買い介入が入ると信じたドル売り注文が151円台の後半に広く並び、OANDAラボなどではドル売り比率が60%を超えています。
通貨当局とすれば、最小の介入額で最大の効果を演出したいと考えるのは当然で、いろいろな秘策、奇策を思案中でしょう。
市場流動性の乏しいオセアニア時間に奇襲的に介入する、円売りが蓄積した時点で投機筋に灸をすえるなどですが、152円台で介入すれば皆の想定通りです。
介入の可能性はゼロではありませんが、足元ではその可能性はまだ低いと控えめにみておきます。
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