プロも知らない米国株が上昇する理由 AIバブルのロジック
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世界の大きな投資資金が向かう先
投資の世界では、聞けば当たり前に聞こえるようなことでも、プロも含めてほとんど全ての人が認識していない大切なことがいくつもあります。
その一つとして投資では「世界の大きな投資資金」の動きを見ておくことが大事です。
なぜならば、
「世界の大きな投資資金」が向かう先の相場が大きく上昇し
「世界の大きな投資資金」が抜けるところは衰退するからです。
多くの人が間違うこと
多くの人が間違うことがあります。
先進国各国は高度成長時代が終わって成熟期も過ぎて老齢化社会が進んでいるので、これからは発展途上国に投資することが良いと判断する人が多いです。
これは平時には正しいといえます。
但し、世界全体の経済が悪くなると先進国より発展途上国の方が景気悪化が激しくなると判断され、発展途上国から先進国に大きな投資資金が移動します。
つまり、世界の景気が悪くなる時、金融危機の時などには先進国より発展途上国の経済は悪化するのです。
アジア危機の時の例があります。
1997年~1998年アジア危機
1997年~1998年のアジア危機の時は先進国の不景気と、投資資金が発展途上国から引き揚げたことから危機をもたらした影響が大きいです。
なぜ、米国株が上昇するのか?
大きな投資資金が向かう先進国の筆頭は、現代では米国です。
しかし、米国の景気が良いと投資資金は分散されますので、さほど目立った動きはありません。
ところが、世界の景気が悪く、米国の景気も良いとはいえない場合、米国の景気の良い一部のセクターに投資資金が集中し、バブルが発生しやすくなります。
AIバブル
現在、米国株・ニューヨークダウ・S&P500は上昇しています。
世界の景気が悪いからです。
米国は景気が良さげですが、実際には景気指標をごまかしており、景気が良いわけではありません。
世界的に景気が良くない時は、大きな投資資金の行先がほとんどなくなります。
そのような状況の時に世界の大きな投資資金は米国のごく一部の株銘柄に集中するのです。
今は米国のAI関連銘柄に投資資金が集中することで米国株が上昇しています。
AI関連株銘柄の数社だけで、ニューヨークダウやS&P500などの米株式指数全体が牽引されているのです。
このような状況で銀行の破綻や新興国の破綻などがあれば、さらに大きな投資資金は一極集中していくことになります。
二極化構造となっているのです。
このような時はバブルになっていて早く買わないと置いて行かれるという心理が蔓延します。
現在、米国のAI関連株はそのように思って株を買っている人がいるので、バブルといって良いでしょう。
かつてのITバブル・ドットコムバブルの時も同じです。
ITバブル・ドットコムバブル
1997年~1998年のアジア危機で発展途上国が連鎖破綻後、
1998年~2000年に米国のIT銘柄に投資資金が集中したために、ITバブル・ドットコムバブルが発生しました。
米ナスダック100 月足
AI関連銘柄
現在、米国のAI関連株で有名な銘柄は次の通りです。
エヌビディア
マイクロソフト
メタ(旧フェイスブック)
アマゾン
アルファベット(グーグル)
アップル
そして、投資資金を後押ししているのは超低金利で資金を提供している日銀です。
日本株・日経225が上昇する理由
日本株・日経225も、最近上昇しています。
大きな投資資金の一部が日本のAI関連銘柄にも流れ込んでいるので日経225が上昇しています。
他にも日本株・日経225が上昇する理由としては新NISAを見込んで中国資本が日経225を買っているという事情もあります。
米国株が上昇しているのは新NISAで日本人が米国株指数を大量に買っているということもありますがAI関連株に一極集中投資の影響が一番大きいです。
世界の大きな投資資金が向かう先を知る
相場がどう動くかを考える時には、世界の大きな投資資金がどこに向かっているのかを意識することで、今後、世界の相場の大きな動きが分かってきます。
この視点を持っているか、持っていないかは大きな違いになる可能性があります。
特に、このバブルを発生させるロジックを理解しておくことが大事です。
米国金利が上昇するだけで新興国から米国に資金移動
米国が金利を上昇させると、それだけで新興国の資金は米国に還流します。
世界で一番信頼されていると思われている米国債の金利が高ければ、米国債への投資が一番確実だからです。
但し、現在、米国の覇権が危うくなっているので、今後の資金の動きに変化がでてくるのでしょう。
世界の分断
世界の大きな投資資金がどこに向かっているかが大事なわけですが、大きな異変が発生しています。
世界が分断され、大きな投資資金の行く先が二分されていくからです。
ウクライナロシア戦争の時、ロシアの富豪の米ドルの資金を凍結しました。
これで、米ドルで資産を持つことが危険だという風潮となっています。
世界が分断され、米国信任の低下や基軸通貨を狙う動きもあります。
今迄の常識が通用しなくなりつつあることも認識しておく必要があります。
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