原油先物価格反落、米期待インフレ率の大幅低下
昨日(2024/1/8)は東京市場が成人の日で休場でもあり、全般様子見姿勢が強いなか、欧米時間に入り、「サウジアラムコ、アジア向け2月原油、1バレル当たり2ドル引き上げ」と発表しています。
市場予想(1.25ドル程度)を大幅に上回る引き下げ幅で、原油先物価格は引けでは70.77(先週末比-4.11%)までの反落、NOK(ノルウェー・クローナ)安、金利の低下を招いています。
米国時間に入りNY連銀から発表された12月の期待インフレ率は、1年先が3.01%(前月3.36%)、3年先が2.62%(前月3.00%)に低下、1年先は実に2021年1月以来の低水準となっています。
同時に(景気の減速や労働市場の軟化を想定して)1年先の所得の伸びに対する期待も低下、こちらは2021年4月以来の低水準、こうした背景もあり、米金利は全般低下基調となっています。
為替市場ではNOKなどの資源国通貨以外に対し、ドル売りが進み、USDJPYが昨日安値143.67まで反落、EURUSDでは1.0978までの反発となっています
アラスカ航空の旅客機が1/5の飛行中に側壁の一部が吹き飛んだ問題から、連邦航空局がボーイング737MAXを運航停止と伝えています。
これを受け、ボーイングの株価は引けでは-8.03%の急落、しかし、市場全体では金利の低下を好感して米株3指数は大幅続伸で引けています。
トレードポイント
FRBの年内大幅利下げが視野に入ってきたことで、焦点になるのがここまで利上げと同時に進められてきた量的引き締め(QT、注)の停止や減額の扱いでしょう。
(注)リーマンショック後の経済を再建するために国債やMBS(住宅ローン担保証券)などを買入れ資金供給したことで、FRBの資産(バランスシート)が急増、これを段階的に減らす措置。
現在、満期をむかえた米国債やMBSを中心に月額約1000億ドルを目途に減額中ですが、これは市場に出回る国債が増えることで、需給悪化⇒金利上昇要因となります。
これが停止または減額されるとなると、金融引き締めの終了に近い要因、こうした議論の開始は前回12/12-13のFOMC議事要旨で判明済み、これも金利上昇の阻害要因です。
今週は1/11の米CPI(消費者物価指数)の結果を見極めないと何ともいえませんが、CPIはやはり低下一服とみるのが市場のコンセンサスのようです。
こうした事情を前提としたポジションの組み換え、市場参加者から伝わる裏事情等はSmartLogicFXのなかで展開していきます。
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