相場は分からないもの?相場についていく
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良い質問をいただきました
次の質問をいただきました。
投資のプロで運用もやっていた人の新NISAのYOUTUBEを見たら
「相場は分からないもの」
「積み立てより最初からある程度の資金を入れた方が良い」
と言っていました。
どういうことでしょうか?
実に良い質問です。
なぜ、プロが「相場は分からないもの」と言うのか?
本当に相場は分からないものなのか?
大事な本質なのに多くのプロが間違えているので分かりやすく経緯からまとめました。
右肩上がり相場で多くの人が損する
興味深いことに、1990年迄の日本株の大きな上昇相場・右肩上がりの相場でも、株式投資で損をする人が多かったです。
これは、多くの人が、目先の天井で買い、目先の底で売るからです。
9割の人が、株がここから上昇する、置いて行かれたくないと思って買ったところが天井となり、反転下落開始します。
下げ続け、これ以上下げたら死ぬと思ったところが底になり、反転上昇するのです。
実例
定年退職したAさんが退職金で、ある株を買いました。
決算発表が良かったので「上昇に置いて行かれたくない」と思って買ったとたんに急落しました。
株が急落したのでAさんは相談に来られたので、次のようにアドバイスしました。
「間違ったと思ったら即、ロスカット。もしくは、
もう一度、買値近辺まで戻ると思うので、戻ったら手仕舞いすると良い。」
株は天井を二回付けて下落することが多いからです。
その後、その株は実際に二番天井を付けてから綺麗に下落していきました。
Aさんが二回目の相談に来られました。
Aさんは手仕舞いできたと思っていたら、何と手仕舞いしたのではなく、戻った天井で買い増ししたのです。
二回目の天井を打ってから大暴落が始まり、その後Aさんが、どうしたかは分かりません。
人は置いて行かれたくない欲で買い、
買った株が急落すると人は死の恐怖を感じるので、
死にたくないと思って手仕舞いすることになります。
相場は欲と恐怖で動くといえます。
「儲けたい」「儲け損ねたくない」という欲で買い
「恐れ」の感情で売るのです。
これは初心者の実例ですが、実はプロでも同じようなものなのです。
プロも相場が分からない
長期右肩上がりの相場においてプロでも同じように損失となることが多いです。
プロたちも、
これから株が上昇すると予測して買うと下落し、
これから株が下落すると予測して売ると上昇する
を経験してきたのです。
結果、相場では考えると損をするので
「何も考えずに買って持ち続けることが良い」
という考え方をする人が多いです。
米国株であればバブルのピークで買って、その後大暴落しても20年以内に元値以上に上昇してきました。
たとえ大暴落しても、ずっと持っていれば戻ってくるからと思う根拠です。
但し、日本株は1990年をピークに20年以上の下落相場が続き、30年以上経過しても元の価格に戻っていません。
プロが間違える理由
このような経験からプロも
「相場は分からないものなので、暴落しても売らずに長期保有しましょう。
長期に保有すれば、元値以上になりますから。」
と言い出したのです。
本人たちは本気でそう思っています。
しかし、この考え方には大きな欠陥があります。
今後、長期右肩上がりが続くことが前提となっているからです。
これは大きな矛盾です。
「相場は分からないもの」と言いながら長期右肩上がりだけは確信を持って信じていることです。
相場が分からないものであれば、長期右肩上がりになるかもわからないはずです。
プロ特有の認知バイアスです。
https://real-int.jp/articles/2260/
つまり、投資のプロの多くは次のような考え方をしているということです。
・相場は分からないもの
・株は長期右肩上がり
そもそもプロたちは、一般投資家とは決定的に大きなハンディがあります。
なぜ、プロが運用で失敗するのか?
相場は分からないことが多いのは確かですが、時々分かりやすい時があります。
その分かりやすいところだけ取引すると利益になるのですが、プロはそれができません。
常にポジションを持つことを要求されるからです。
常にポジションを持つことは、投資では一番やってはいけないことです。
相場は分からないものなのか
「相場は分からないもの」というのは半分正しいです。
相場は分かりにくい時が多いですが
一定の部分は分かりやすいことがあります。
天井や底が分かりやすい時があったり、
長期に上昇、長期に下落することが
確率的に有意差がある時があります。
例えば1990年のバブル崩壊時は、少なくても10年は株や不動産下落が続くと判断しました。
実際は20年以上の株下落が続きました。
確率が高い時にポジションを持つと良いのです。
確率が高いといっても、90%の高さになるようなことは、かなり少なく、60%でも高い有意差といえます。
なぜなら、相場が反対に動いてもストップロスで損失を限定し、利益になったら相場についていき利益を伸ばせばよいからです。
相場についていく
ここで一番大事な概念は「相場についていく」という概念です。
「相場のことは相場に聞け」という格言があります。
相場が分からない時は相場に聞くことが基本です。
つまり、相場からトレンドを知り、その方向についていくことが基本中の基本です。
しかし、プロも含めて、この基本が分からない状況に陥っているのです。
どうやって相場についていくかについては別途記事にします。
実際の投資
実際に投資をする時には、組み合わせることになります。
① 確率的に分かりやすい時ポジションを持つ
② ストップロスを入れる
③ 相場についていく
ストップロスは短期だけではありません。
たとえば、現在、新NISAでも上昇と思って買ったら金融危機が来て大暴落する可能性が高いと判断しています。
その時に、ずっと持っていれば大丈夫と思うのではなくストップロスを入れておくことで逃げることができます。
今は過去の延長線上に未来がない激動の時代であり、長期右肩上がりの株式相場が長期下落に転じる分かりやすい時だと判断しています。
基本的なリテラシーが必要になるので、こちらで身に付けてください。
https://real-int.jp/articles/2189/
https://real-int.jp/articles/1131/