ドル円 メインシナリオは再度年初来高値の更新か
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、上昇通貨は上位よりCHF(+0.19%)、EUR(+0.14%)と続き、一方で、下落通貨でも同様にCAD(-0.52%)、JPY(-0.42%)、AUD(-0.22%)、GBP(-0.17%)、NZD(-0.10%)と続いています。
月末や四半期末の特殊要因もあり売買が交錯、さらに今週7/4は米国市場が独立記念日の祝祭日で休場であり、長期休暇を取る参加者も一定数おり、週末にかけて小動きとなりました。
JPYはCAD以外の通貨に対しパフォーマンスで劣り、結果、週間ではUSDJPYやクロス円が買われるという、このところの構図に余り変化はありません。
今年上半期を振り返ると、米株、特にナスダックは昨年末から32%の上伸、日経平均株価が週末にかけて反発、市場を取り巻くリスクセンチメントは全般大幅改善したままです。
為替市場の動きが小動きになればなるほど、金利選好の動き(キャリートレード)の動きは強まり、この先もクロス円は底堅さを増してくるはずです。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:372pts
実際の値幅:213pts
EURUSD
予想した値幅:204pts
実際の値幅:141pts
EURJPY
予想した値幅:406pts
実際の値幅:224pts
売買差益を日々狙う、為替取引を生業とする者にはあまり嬉しくない小動きの展開、金利収入(インカムゲイン)を狙うイールドハンターには追い風が吹いています。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:372pts
68%下限/上限:142.47/146.19
95%下限/上限:140.61/148.05
EURUSD
予想する値幅:190pts
68%下限/上限:1.0814/1.1004
95%下限/上限:1.0719/1.1099
EURJPY
予想する値幅:362pts
68%下限/上限:155.65/159.27
95%下限/上限:153.84/161.08
月初に控える複数のイベントを前に、オプション市場が織り込んだ値幅は先週と同水準、極端な市場の急変を前提にはしておらず、先週の平穏な流れが続くとみているわけです。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
今週は月初でもあり、米国で雇用関連を中心に経済指標の発表多数、市場予想から大幅にかけ離れる番狂わせでもない限り、先週の流れの緩やかな継続と読みます。
緩やかながらもクロス円の上昇、USDJPYでいえば再度年初来高値の更新があくまでメインシナリオとなります。
7/3 23:00
米国経済の代理変数といわれる6月ISM製造業景気指数が発表予定、市場予想は前月(46.9)からわずかに改善する47.2の予想。
7/4 13:30
RBA(豪州準備銀)が政策金利を発表予定、先週発表済みの豪州5月のCPI(消費者物価指数)は、予想(+6.1%)や4月の+6.8%を大幅に下回る+5.6%のネガティブ・サプライズ。
豪州は今年に入り利上げを一旦停止、しかしCPIの高止まりや労働市場の堅調さから2会合続けて利上げを再開、今月も利上げ予想でしたが、CPIの結果を受け、可能性が急低下しています。
豪州4大銀行などはRBAの政策金利は年末4.6%(現在4.1%)と予想、6月前半の豪ドル高の支援材料でしたが、ここにきて豪ドル買いは失速しています。
こうした背景もあり、この会合でのコンセンサスはあくまで据え置き、豪ドルは対ドルではやや頭の重い展開が継続かもしれません。
7/6 23:00
米5月JOLTS(雇用動向調査、=求人件数)が発表予定、前回(1010.3万件)と同水準の996.8万件予想。
同時刻に6月ISM非製造業景気指数が発表予定、市場予想は前月(50.3)からわずかに改善する51.3の予想。
7/7 21:30
米6月の雇用統計が発表予定、雇用関連指標は経済指標のなかでは遅行指標ですから、景気拡大が続くなかでは、半ば良くて当然です。
予想値
失業率:3.6%(前回、3.7%)
NFP(非農業部門雇用者数):+22.5万人、(前回、+33.9万人)
平均時給の前年比伸び率:+4.2%、(前回、+4.3%)
物価指標である平均時給の前年比伸び率は低下するなか、雇用が順調の拡大、今週予想通りの結果で終えますと、FRB年内2回以上の利上げに再び一歩近づきます。
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