どうして不動産投資がしたいの?
どうして投資をするの?
NISAなど「投資」と言う言葉をよく耳にすると思います。なぜでしょうか?
一昔前は「投資」をする必要性はほとんどありませんでした。国全体が経済成長に伴う右肩上がりで給料も安定かつ上昇しており、預貯金でもある程度の金利が付いたので、老後は退職金と年金さえあれば、満足できるだけの生活水準を維持できました。
ですから、よほどの物好きかマニアでない限り、あえて投資をするという選択をしなくても、今後の生活に関して不満は生じませんでした。ですから、「投資」という言葉もそれほど耳にすることはなかったように思えます。
しかし、時代は一変しました。
特に21世紀に入り、社会全体が経済成長を前提したものから経済成長と停滞を繰り返し、規則性もない右往左往する時代に突入しました。
つまり、給料が上がることは保証されず、不安定。ある程度の金利が付いた預貯金も低金利でほとんど利息がつかず、退職金も以前ほどの金額は望めないとともに、少子高齢社会により公的年金の崩壊が叫ばれており、今後、公的年金だけでは生活が賄えない可能性が非常に高くなってきました。
さらに追い討ちをかけるように寿命自体が年々伸びており、その分生活費が嵩む状況です。
過去と現在の収支状況(画像)を表しました。
現在においては、不足部分が出てきていると思われます。この不足部分を埋めるためには、生活費を引き下げることも考えられますが、簡単に引き下げることはできません。
また、収入(給料、退職金、年金)も増やすことも難しい状況です。そうなると、不足部分を補うには、お金に働いてもらわなくてはなりません。そこで、お金に働いてもらう手段として「投資」をする必要性が出てきました。
このように、近頃「投資」という言葉をよく耳にする機会が増えてきているのはこういった要因があるからです。
投資と投機の違い
投資と投機の意味は区別しにくいものがありますが、この違いは何でしょうか?
どちらも「何らかの利益を期待して、お金を使う」という意味ですが、残念ながらはっきりとした分類の基準はありません。
ただし、一般的に言われていることは、将来を見据え、長期的なスパンで計画性や目標を持って行うものが投資であり、短期的な収益獲得を目的に行う一か八かのギャンブル的要素を含むものが投機であるといわれておりますが、この表現もやや抽象的であるといえます。
そこで一つ例を挙げてみますと、赤と黒に分かれているルーレットがあったと仮定します。この場合、「赤がくる」と思い、赤のみに全部を賭けるのが「投機」であり、「赤がくる」と思いながらも、赤と黒それぞれに分けて賭けることを「投資」ということができます。
また、「投資」をする気持ちで始めたものの、気がつけば「投機」になっていたということも気をつけなければならならない一つではないでしょうか。
ただし、上記のギャップを埋める手段として投資と投機のどちらがいいかは皆さんの判断におまかせしますが…。
投資に回してもよいお金とは
投資をするにあたっては、今、所持している資産全額を投資に振り向けてもよいのでしょうか?
場合によっては、今、所持している資産全額を投資に振り向けても問題ないかもしれませんが、一般的にはリスクが大きいように思えます。ただし、残念ですが、投資に回してもよいお金の明確な基準はありません。ここでは、一つの考え方をご紹介しましょう。
一言で言うと、「お金に色をつける」ということです。
色とは・・・「使う目的」です。お金をそれぞれ使う目的毎に区別するということです。
使う目的には様々なものがあります。緊急予備資金、家や乗用車を購入する資金、旅行の資金、お子様の高校や大学の入学等に関する資金、はたまた老後の資金…言い出せばきりがありませんし、十人十色です。
また、使用時期も半年後に迫っているものから、3年後、5年後いや数十年先のものもあるかもしれません。これも十人十色です。
また、使う目的をハッキリさせるためには、今後の生活設計が重要になります。
いわゆる「ライフプラン」です。みなさん生活設計(ライフプラン)をお持ちですか?
投資を始める場合、どの金融商品が良いかを真っ先に考えられるでしょうが、実は、今後の生活設計がまず重要になってきます。
ただ単に、「儲かる金融商品」にばかり目を奪われると、後で後悔することになります。
さらに、生活設計を策定する上で、その目的の色によりリスクをとることができるか、できないかも判断することが必要です。
例えば、その資金が3年後にお子様の高校入学に使う資金である場合、万が一、運用がうまくいかなかった場合、高校入学を1年遅らせるわけにもいきませんし、希望校(=進路)を変更するか、金融機関等で借りるかの選択になってしまうことから、教育費用等はリスクをとることができにくいと判断することができます。
さらに、一般的には長期であればリスク(=運用のぶれ)が軽減されるといわれておりますので、そのあたりも考慮の上、投資に回すことのできる資金を判断してください。
最後に、投資に回してもよいとされる目安を図にまとめてみましたので、参考にして下さい。
なぜ不動産投資なのか
投資には様々な種類が存在しますが、ここでは不動産投資について考えてみましょう。不動産投資は一昔前までは、多額の金額を必要とし中々手が出せるものではありませんでした。
ただ、現在は不動産投資信託(J-REIT)や多様な不動産投資関連の融資の登場により比較的少額で不動産投資ができるようになっており、身近なものになりました。
また、投資といえば金融商品に比重を置きがちですが、昔から「財産3分法」という考え方があります。
典型的な形として、株式、預貯金≒債券(国債)、不動産の3種類に分散して投資することにより、それぞれのリスクを吸収しあうことによって、安定的に資産を増やすことができるといわれております。
資産運用と言っても、経済の成長期やインフレ期では、株式投資など価格変動リスクを取る資産がもてはやされます。世の中の上昇波動に乗るためです。
それに対して、経済の安定期やデフレ期では、不動産投資など実物資産を増やすことが個人的にも良いと考えています。世の中の流れに乗らないため、安定的な収入を確保できるからです。
不動産投資、主に住宅への投資は、経済の先行きが不透明な中、今後については、人がいる限り、一定のニーズのある不動産に目を向けることで成立します。
不動産投資は、不動産という現物に投資をしますので、災害等が起きない限り、消滅することはありません。リスクヘッジの手段としては非常に有効だと言えます。
また、土地の価格の変動が挙げられます。一般的に土地の価格の下落は良い傾向であるとは言えませんが、土地の価格の下落に対し、家賃等の相場はそれほど下がっていません。
これは、仕入れ価格の大幅な下落に対し、賃料等の収入はそれほど下落していませんので、収益性の向上を意味します。
また、企業の事業再編や都市の再開発、空家問題により、これまでは手に入りにくかった優良な物件が多数放出されていることも予想されます。
一昔前と比較して、不動産投資は身近なものになりつつあります。日本経済に景気回復の兆しが見えかけた今、株式投資を中心に投資をされておられる方も多数いるとは思います。不動産投資の魅力を捨ててまで、株式投資を中心に投資をしていくのはもったいないように思えるのは私だけでしょうか。