ジャクソンホールを終えて
金曜日のパウエル議長は、インフレを40年ぶりの高水準から引き下げることが米金融当局の「圧倒的な優先事項」であるのは明確だとコメント。
これはマーケットのコンセンサスどおりといえますが、マーケットの評価は上々。サマーズ元米財務長官は、FRBのパウエル議長のコメントを「毅然(きぜん)とした態度の表明だ」と述べ、珍しく称賛。
視点を変えれば、このタカ派コメントは当然株にマイナス。
米金利は上昇し、Nasdaqは3.94%ダウンと大きく下落。ただ株の急落が、米10年債の買いを誘引し、10年債利回りは3.04%と大きな動きはなし。
先週金曜日は、個人的にこのところトレードが好調だったため、そろそろ外しそうな時期かな?と思っていたため、明確な動きがなければ手をださないようにしようと考えていたのもありますが、米金利が今ひとつ上がらないため、追加のポジションはなし。
一方、欧州天然ガス(Dutch TTF Natural GAs future)はもう一段上昇しており、300ユーロを超え、339ユーロでクローズしています。
加えて、ドイツが外相が、戦争は何年か続く恐れがあるとコメントしており、これもユーロにはマイナス。
ベーアボック独外相は同国紙ビルト日曜版とのインタビューで、ウクライナでの戦争が何年か続く恐れがあると警告し、同国への財政・軍事支援を「必要な限り」継続するだろうと述べた。
同相は「もちろん戦争ができるだけ早期に終わってほしい。だが、残念ながらウクライナが来年夏も友人たちからの新たな重火器を依然必要とする事態を想定する必要がある」と発言。
Bloomberg
次に、先週金曜日の主要通貨におけるドルの騰落率をチェックします。
金曜日は全ての主要通貨に対して、ドル高が進んでいますが、最もドル高が進んだのが、kiwi(-1.51%)、そして、豪ドル(-1.20%)と続きます。これは株下落を投影しているといえます。ジャクソンホールを終えて、8月の株の反発も終焉。
金利高はドル円をロングという流れになるのですが、kiwi円、ユーロ円などの下落がドル円の上値をおさえることをどう判断するかで今ちょっと迷っています。
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