メインイベントを終えたドル円の行方
米国7月CPIの結果
7月米国 消費者物価指数(前月比)0.0%(予想 0.2%・前回 1.3%)
7月米国 消費者物価指数(前年比)8.5%(予想 8.7%・前回 9.1%)
7月米国 消費者物価指数[コア](前月比)0.3%(予想 0.5%・前回 0.7%)
7月米国 消費者物価指数[コア](前年比)5.9%(予想 6.1%・前回 5.9%)
市場予想をはるかに上回る鈍化、金利低下、ドル売り要因でした。
CPIの内容をみてみますと、確かにガソリン価格や航空運賃は下落に転じていますが、生活に欠かせない食品や住居費は上昇が続いており、まだピークアウトにはほど遠いと思います。
米7月のPPIの結果
7月米国 生産者物価指数(前月比)-0.5%(予想 0.2%・前回 1.1%)
7月米国 生産者物価指数(前年比)9.8%(予想 10.4%・前回 11.3%)
こちらも市場予想を下回り、ピークアウトしています。それも川上のPPIですから、すでにある程度川下のCPIに漂着していたことが結果からも分かります。
同じ時間に発表となった先週1週間の新規失業保険申請件数は、やや市場予想を下回っています。
米新規失業保険申請件数(8/6までの週)
26.2万件(予想 26.5万件・前回 26.0万件)
PPIの発表後
30年債の入札結果
昨日発表された米国7月のPPI(生産者物価指数)の内容を再度振り返ると、前月比では何と-0.50%とコロナ後の2020年4月以来のマイナスに転じ、明らかにピークアウトしています。
それも、川の流れでは川上で物価が沈静化し始めているわけですから、この流れが時間を経て川下のCPIに流れ着くとみえてくるわけです。
ただ、昨晩指摘しましたように、一昨日のCPIの結果からPPIの弱い結果を織り込んでいたこともあり、金利低下やドル売りは続きませんでした。
為替市場では発表後にドルが売られ、USDJPYで昨日安値131.74、EURUSDでは同高値1.0364を示現、ただ、この動きは続かす、あっさりドルは反転上昇となりました。
米国時間の午後に入り実施された210億ドルの30年債の入札は、応札倍率で2.310倍と前月の2.436倍や6か月平均の2.370倍を下回る低調な結果となりました。
このところの長期金利の低下(国債価格の上昇)から割高感がでていた可能性があり、入札後は既発債も売られ金利は一段高となっています。
為替市場ではドルの買い戻しが続き、USDJPYが133円台を回復、昨日のアジア時間の高値133.31に迫る戻り高値133.13まで上伸しています。
今週のメインイベントであったCPIとPPIの発表を終え、本日はこの結果を広く消化する一日となりそうです。USDJPYを日足でみれば、この2日間は長い下ひげを形成しており、132円台ではそれなりにドル買い需要が強かったと想像できます。
7/31の本欄で10年債金利が政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導上限である2.5%に近づき、低下余地は限定的、ドルは反発が近い、そんな見通しを示しました。
さらにFRBは量的緩和で買い入れた巨額の米国債の圧縮(バランスシート)削減を7月から月間で475億ドル規模で進めており、9月には950億ドルへと倍増されます。
これは、揺るぎない米国債の需給悪化⇒国債の下落⇒金利の上昇要因として影響してくるはずです。
さらにインフレが多少ピークアウトしたとことで、金融引き締めはまだ続くことになり、金利は下げ切らず、ドル売りが続かない、そんな波及経路だと思います。ただ、強弱感がきっ抗して、材料難の展開に…。
すでにUSDJPYは今年の安値113.48から139.39まで25円92銭、ほぼ一直線にかけあがったわけで、調整からやりにくい展開になってきたなと想定出来ます。
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