誰も知らない税外収入成功の秘訣
現在、地方自治体はもちろん、全世界的に困っていることは財政問題です。
税外収入を作ることを考えてみたいと思います。
税外収入を増やそうとする試みはすでにありますが、かなり限定的です。
従来の税外収入としては次のようなものがあります。
従来の税外収入
・手数料・使用料・過料・受益者負担
・命名権(ネーミングライツ)
調布市東京スタジアム→味の素スタジアム
横浜市横浜国際総合競技場→日産スタジアム
渋谷区渋谷公会堂→渋谷C.C.Lemonホール
・クラウドファンディング(寄付)
インターネットを通じて不特定多数から寄付を募る手法ですが、仕組みは良いものの寄付の枠内でしかありません。
・ふるさと納税
実際には、ふるさと納税は税外収入といえませんし、ほとんど意味がありません。
ほぼ返礼品が目当てになっているので日本全体ではむしろ税収減となります。
一般的に税外収入としてはこの程度のものしか考えられていないのは、真剣に考える人がほとんどいないからなのでしょう。
国も地方自治体も財源を国民からの税金に依存するのではなく、自ら経営者の視点を持って運営していくことが求められています。
政治に対して使命がある人は、是非、この分野でも改革を起こしていただきたいと思います。
革新的な横浜市の税外収入
実際に私どもが提案した税外収入の例として、横浜市が行った環境広告があります。
2003年のことですが、今でも斬新です。
一般的には環境広告というのは、自社がどれだけ環境に貢献しているかを告知するイメージ広告ですが、そのような広告はあまり意味がありませんし、その広告自体が環境に良いのか疑問もあります。
横浜市で導入した環境広告とは、イメージ広告的なものではなく実利的です。
横浜市が発行する刊行物に広告を掲載しました。
その時は固定資産の手引きという冊子でした。
この広告費は横浜市の環境保護のために使用されます。
市の緑化でもよいですし、太陽光パネルを使った夜間灯の設置などいろいろ考えられます。
この環境広告費は目的税のようなもので、出稿元の企業には環境報告書に記載することができるようにレポートが提供されます。
企業は環境報告書に書くネタが欲しいのです。
この環境広告によって、今まで地元の広告で数万円しかなかった広告収入が、2桁も増えることになったのです。
さらには、この環境広告自体が新しい試みなので、大手新聞が記事として掲載したことで、その宣伝効果は数億円あったともいわれています。
企業としては広告費として支出し、環境保全に役立ち、環境報告書にも書くことができ、これが新聞でPRされ、それ自体が話題となり大きな広告効果がでたので、一石二烏にも三烏にもなったのです。
これは実際に行った事例なので他の地方自治体でも活用することができます。
目的税にすることが大事
税外収入を成功させるためには、寄付ではなく、企業も地方自治体もメリットがある仕組みを作るという視点が大切です。
そのためには、行政ができること、企業がやりたいことなどを総合的に理解し、組み合わせることが大切です。
工夫することで税外収入を作り出すことは可能です。
工夫するポイントは目的税のようにするという点です。
何々に使ったということが広告できることがメリットです。
使命に進む時には知恵が与えられることが多いです。
そして、その知恵は初めてのものばかりなので革新的、イノベーテイブなのです。
本記事は、この書籍からの抜粋編集です。
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