ドル円高値更新 ポジションの転がし方
キャリートレード成立の要件
コロナ後の景気回復は物価上昇へ、グローバルで金融引き締めが加速することとなり金利が復活、様相は低金利の通貨を売り建て、高金利通貨を買い建てるキャリートレードです。
キャリートレードとは?
- 低金利の通貨で資金調達(借り入れ、ファンディング)、より高金利の通貨で運用
- 低金利の通貨=ファンディング通貨
- 高金利の通貨=ハイイールド通貨(参考、ハイベータ)
- 金利差を狙うトレード、インカムゲイン
- 生保のオープン外債に近い(原資産の上昇でキャピタルゲイン狙い)
キャリートレードは、金利差(インカムゲイン)の獲得を優先するわけですから、本来であれば為替の変動はゼロまたは低変動率であることが求められます。
ただ、皆がキャリートレードに乗ると、人気化から需給バランスが大きく傾き、高金利通貨には上昇圧力がかかることになります。
この場合、『現在高金利ではなくても、この先に高金利になりそうな通貨群を買うトレード』も立派なキャリートレードだと思います。
時間差で「高金利通貨に成長」するのであれば、インカムゲインに加え、売買差益(キャピタルゲイン)まで狙うことができます。
今の為替市場ですが、時代では1997-98年、そして2001-02年の頃の様相でしょうか。
キャリートレードにベストの市場環境
- なるべく金利差は拡大していた方がいい
- 為替の変動はゼロが望ましい
- 固定相場でもない限り、そんな環境はありえない
- であるなら、低ボラティリティなほどありがたい
⇒ただボラティリティにはなりにくい、逃げ足の速い資金なので市場の急変動ですぐに現金化
ワーストの市場環境
- 市場環境の悪化、変動率の急上昇
- キャピタルゲイン・ロスのブレが大きくなり我先にとアンワインドに動きに
- 売りが売りを呼ぶ(資産処分の)展開へ、広義の現金化、手じまい
歴史はベストとワーストの繰り返しですが、今はベストの環境といえるでしょう。
ヘッジファンドの動き
上述のキャリートレードですが、インカムゲインを狙うのであれば、保有期間は長ければ長いほど奏功するわけです。
3月上旬、USDJPYが116.35の昨年来高値を更新したことでキックオフとなったこの円売り相場ですが…。
マクロ系のヘッジファンドなどは昨日もUSDJPYの128円台もしっかり買っていますが、おそらく全ての持ち値としては120-122円付近でしょう。短期的に天井を形成して、反転下落のサインがみえるまで買い続けるのだと思います。
個人投資家はどのようにポジションを取るべきか
こうしたなかで、ある日のUSDJPYの高値が翌日の安値となるような動きが続く場合、円売りをポジションを一回決済してしまうと再参入はかなり難しいです。
我々が個人投資家ベースでどうポジションを上手く転がすか。
(1)一番簡単なのは放置戦略、上述のマクロ系ファンドと同様に、評価益にレバレッジをかけてポジションを積み増し、反転下落のサインで手放し。
(2)USDJPYの中長期ポジションを持ったまま、(デイトレのなかで)増減させる。
(3)USDJPYの中長期ポジションを持ったまま、(デイトレで両建ての売りを入れ)中長期のポジションのヘッジを入れる。
(4)USDJPYの中長期ポジションを持ったまま、(デイトレでクロス円の売りをいれ)中長期のポジションのヘッジを入れる。
(2)、(3)、(4)が効率よさそうにみえますが、おそらく出たら最後で、ヘッジ分を高値で買い戻して、結局USDJPYの持ち値を悪化させるだけだと思います。
ただ、短期的に相場が一旦弱含むとみるなら、(3)や(4)なども有力な選択肢となります。
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