実需のヘッジミスが招く大相場
ドル建て輸出を例に
参考図:大手輸出企業X社のドル建て輸出を例に
(以下の○内数字は図中の数字に合わせています)
① ドルが上昇トレンドを続ける中、大手輸出企業X社が想定していたB水準で500本(5億ドル)のドル売りオーダーを置いた。
② その後ドルの騰勢が収まらないことから、X社は欲が出てB水準に置いたオーダーを外しA水準に引き上げたところ、翌日に発表された米雇用統計が市場の予測よりも大きく悪化したため、多くのドルロングの手仕舞いを招きドルの地合いが悪化した。
③ つい数日前までドルが強い上昇トレンドに乗っていたことから、絶対的節目(この例ではドルのサポート)と見られていたCを拠り所に有象無象のドル買いが入った。
④ 確かに水準Cはなかなかブレイクされず、強いサポートとなったが、ドルの反発力が弱かったため、これに嫌気したドルロングの手仕舞いが次第に出始め、遂に水準Cを割り込んでしまった。
⑤ 当該期予想利益の未達を恐れたX社が、成り行きで500本のドル売りを行ったためドルは急落した。
この展開を見た多くのドルロング派がロスカットに動いたため、売りが売りを呼ぶ格好となり、ドルの暴落へとつながった。
次回は、同じ例でドルプットオプションを使って解説します。
【 関 連 記 事 】
https://real-int.jp/articles/1260/
https://real-int.jp/articles/1224/
https://real-int.jp/articles/1170/