WMRフィクシング前倒しでドル買い
クロス円が安値圏より大幅反発
昨日(2/25)、東京時間からのリスク回避の動きは欧州時間に入ってからも続き、欧州株は各センター5%を超える下落、独仏は7日続落となるなど、下げ幅を一旦拡大しました。
米国時間に入りダウは前日比850ドル安付近で寄付き、さらにナスダックは3%近い下げ幅をきざみましたが、どちらも引けにかけて全て埋めプラス圏で引けています。
為替市場では、WMRフィクシングに向けてかなりまとまったドル買いが持ち込まれ、EURUSDで昨日安値1.1107、AUDUSDでも同0.7096を示現しています。
米株が急速に買い戻されたことで、為替市場ではクロス円が大きく買い戻され、昨日の安値圏より大幅反発となっています。
WMRフィクシング(ロンドンフィクシング)
WMRフィクシングは世界の機関投資家が月末に通貨間のリバランスを持ち込む場所、それは月間の世界の各金融センターの株価の時価総額の上下を均衡させるものです。
- WMRフィクシング(World Markets Reuters)
- ロンドン午後4時の仲値(日本語名)
- 東京仲値(09:55)と性質は全く異なる
- 機関投資家の地域間格差のリバランス
(欧州↔米国、日本↔米国など) - ほぼ月末最終2営業日だけ
⇒今月の場合、一部前倒しされた可能性
今月は他地域から米国へのリバランスか?
想定される資金フロー
今月の場合は、米株に時価総額の減少が目立ち、これを均衡するとなると方向性は他地域⇒米国の動き、為替市場ではドル買いとなるはずです。
通常こうしたリバランスは月末の2営業日に持ち込まれるはずですが、今月の場合は、少し余裕をみてリバランスが進んだ可能性があります。
ロシアがドル買いを持ち込んだ可能性も
西側諸国が緊急のG7会合を開催、制裁についていろいろ議論したようですが、今回も国際的な資金決済網であるSWIFTからのロシアの除外は決定していません。
ロシア除外は実質、資産凍結の効果もありますが、ロシアに一部の資産をもつ機関投資家、銀行、国自体にも劇薬のインパクトがあり排除されたのでしょう。
ロシアは経常黒字国であり、外貨準備は潤沢、ただこの数年ドルの比率を減らしユーロの比率を増やしてきました。
昨日の場合、ウクライナ侵攻で制裁を受けるなか、(この先の国際的な資金決済を確実にするため)一時的にドルの比率を高めるためにドル買いを持ち込んだ可能性もあります。
昨日のドル買いはいずれかが背景でしょう。
結局、終わってみれば、ダウ、ナスダック共に序盤の下げ幅を全て埋めプラス圏で引け、酒田五法では「下影陽線」で一旦の底入れを示唆しています。
ウクライナ情勢に大きな変化がないと、ややここまでの売り一巡の可能性も高いといえましょう。
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