年内最後の中銀ウィーク 注目は?
年内最後の中銀ウィーク
以下の日程で、年内最後の中銀ウィークをむかえます。
- 12/14-15 FOMC (連邦公開市場委員会 )
- 12/16 ECB(欧州中央銀)とBOE(イングランド銀行)の金融政策の発表
- 12/17 日銀
市場の注目度はほぼ発表順、不等号では、FOMC>BOE>ECB>日銀でしょう。
FOMCはタカ派の会合となるか?
FOMCはまず3、6、9、12の各月の会合で、この先の経済見通しである“Summary of Economic Projections”(SEP)と政策金利の見通しであるドットチャートを開示しています。
歴史的に、こうしたこの先の見通しを示す重要会合で政策変更が発表されてきたことを踏まえると、先月のような11月会合でテーパリングを決定したのは異例といえます。
それは、インフレ高進が看過できない状況になってきたから。
11/22に現在のパウエル議長の再任とブレイナード理事の副議長への昇格が発表されていますが、両者への事前の面会でインフレへの対処を確約しているはずです。
このFOMCでは、
- 声明文からの“transitory”(一時的)という文言の削除
- テーパリングの加速と早期(来年春)終了
- ドットチャートの大幅上方修正
以上が確実視されています。
3に関し、 前回9月時点で、
各年の年末時点の政策金利見通しの中央値は、
22年0.375%、
23年1.125%、
24年1.875%、
長期2.500%です。
注目は、24年や長期の中央値までもが上昇してくるか、パウエル議長の会見でこの先の金融政策の進め方に関し、詳細な説明がなされるはずです。
11月に続き12月と2会合連続で政策変更と、近年まれにみる変化に金融市場は身構えるわけですが、かなりタカ派の会合となるはずです。
では単純に金利上昇、ドルを買えばよいかというそれほど単純でなく、23年以降の一段の利上げの織り込みが必要という見方に変わりありません。
BOEの利上げ確率がゼロに
先週、英国がオミクロン株の感染に関しプランBという行動制限を導入したことで、今週のBOEの利上げ確率がゼロとなり、GBPUSDが年初来安値更新まではお伝えしています。
その後の金融市場の全般的なリスクセンチメントの改善から、12/16のBOEの利上げの織り込みが再び50%へと上昇、市場の見方が割れてきました。
https://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/bank-of-england-watch-tool.html
- 左端にある“Ease”が「緩和」で可能性0%
- “NoChange”が「据え置き」で100%
- “Hike”が「利上げ」で0%
BOEはすでに四半期に一度のインフレレポートを11月に公開しており、今回はそうした手掛かりがなく、この先の政策を見通すことはかなり難しくなります。
今回のBOE、市場の見方は「据え置き」に傾いています。
ECBはPEPP(パンデミック緊急資産買入れプログラム)の3月終了、場合によっては同時進行するAPP(資産買入れプログラム)の3月以降の拡充を発表するかもしれません。
日銀と並びECBへの注目度は総じて低くなっています。
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