米国では逆イールドが発生 ドル売りの一要因に
ECBの政策発表や米GDPの結果よりWMRフィクシングからドル売りの流れに
昨日の欧州時間に発表された独10月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比で+4.6%と東西ドイツの統合に沸いた1990年代前半以来の高い伸びを更新しています。
ECB理事会は現行の金融政策を据え置き、その後のラガルド総裁の会見では「エネルギー価格の上昇が続き、一段の物価上昇への警戒感を示した」ものの「来年の利上げを否定」しています。
米国時間に入り発表された米Q3(7-9月期)のGDPは前期比年率で+2.0%の伸びにとどまり、Q2の+6.7%から大きく減速しています。
これらの結果というより、今月大きく上昇した米株の影響が大きく、WMRフィクシング(ロンドン仲値)に向け主要通貨に対しまとまったドル売りが持ち込まれたようです。
ECB理事会後のラガルド総裁の会見、弱めの米GDPの結果だけでは主要通貨ほぼ全てに対し進んだドル売りを説明することは出来ず、やはりWMRフィクシングの影響でしょう。
米国では20年債と30年債の間で逆イールドが発生、ドル売りの一要因
通常長短金利差をみる場合、10年と2年、または30年と5年が使われますが、昨日、米国で20年債金利を30年債の金利が下回る逆イールドが発生しています。
コロナ後の景気回復が一巡、この先2-3年の利上げを織り込む短期(5年程度まで)金利が上昇、この余波から(かなり先の)将来の景気減速を織り込んできたことになります。
昨日のドル全面安ですが、WMRフィクシングの影響がほとんどだと思いますが、水面下では超長期の金利で逆イールドが発生していることもあり、ドル売りが入ってもおかしくありません。
CADJPYの売り注文が約定されていますが、逆イールドの発生もあり、対ユーロなどでのドル売りを検討します。
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米国の逆イールドについては、動画でも解説していますのでご覧ください。