FXのスイングトレードで稼ぐのは難しい?初心者でも稼げるコツは?
今回はスイングトレードが、ほかのトレードスタイルよりも取り組みやすい理由や、稼ぐためのコツを解説します。スイングトレードにチャレンジする前に役立つ知識を知っておきましょう。
今回のポイント
- スイングトレードは、ほかのトレードよりも利益が上げやすく手間もかからない
- スイングトレードで稼ぐコツはリスク管理とトレンドフォロー
- スイングトレードに適した通貨ペアは、一定の値動きがあり流動性が高いもの
FXのスイングトレードとは?
ここでは、スイングトレードの定義や特徴、デイトレードやスキャルピングとの違いなどについて解説します。
スイングトレードの特徴
FXにおけるスイングトレードとは、2~5日間ポジションを保有し、100~500pointsほどの、ある程度大きな利益を狙うトレードスタイルです。トレード回数は相場の状況によりますが、1週間に1回程度になるでしょう。
保有期間の平均は2~5日であるものの、状況に応じて柔軟に調整することが多いこともスイングトレードの特徴です。たとえば、大きく利益が乗っていれば、数週間ポジションを保有することで、さらに利益を伸ばすことができます。
いずれにしても、2日以上の保有期間のトレードであれば、状況の確認程度ならスマホのチラ見で十分です。そのため、スイングチャートはこまめに詳しくチャートをチェックする時間がとれない忙しい人にもおすすめのトレードスタイルです。
スキャルピングやデイトレードとの違い
スイングトレードはスキャルピングやデイトレードと違い、ゆったりとトレードできます。3つのトレードスタイルの違いを比較してみましょう。
表を見てわかるように、スキャルピングでは数秒~数分で決済し、小さな利益を積み重ねていくことになります。デイトレードはもう少し時間の余裕がありますが、それでも1日でトレードを完結しなければなりません。
そのため、やはりこまめにチャートをチェックする必要があります。いったんポジションを持てば、仕事と平行してトレードすることは難しいでしょう。これらのトレードスタイルに比べれば、スイングトレードは初心者でもゆったり取り組めます。
FXのスイングトレードは難しい?むしろ簡単な理由
FXのスイングトレードが難しいと勘違いしている初心者の方は多いようです。そこで、ここでは、なぜスイングトレードがスキャルピングやデイトレードよりも簡単なのか解説します。
トレードにかける時間が少ない人でも取り組みやすい
FXのスイングトレードならば、仕事やプライベートの隙間時間でも、十分トレードができます。なぜなら、どのようなテクニカル分析を使っても、メインで見るチャートのローソク足1本の時間よりも頻繁にチャートを監視する必要がないからです。したがって、スイングトレードでは、エントリーシグナル発生を待っているときですら、数時間に1回見れば十分です。
このようなことが可能なのは、株式投資と違い、FXが平日24時間トレードできることも関係しています。株式投資では市場が開いている時間帯が9:00~11:30と12:30~15:00までなので、どうしてもトレードチャンスが多くありません。しかし、FXなら東京時間のほかにも、欧州時間やニューヨーク時間で取引できるため、スイングトレードのチャンスを探しやすくなります。
1回のトレードに対する利益率が高い
スイングトレードは1回のトレードに対する利益率を、デイトレードやスキャルピングよりも高くできます。その理由は、スイングトレードでは1回のトレードで100~500pointsの大きな値幅を狙うからです。
1回で獲得できる利益が大きいということは、それだけスプレッドにかかるコストが少なくなることを意味します。たとえば、スキャルピング10回で100points獲得した場合と比べると、スイングトレード1回で100points獲得した場合は、スプレッドにかかるコストを10分の1にできます。
さらに、スイングトレードで乗れたトレンドは、なかなか転換しません。トレンドは短い時間軸から順に転換していくからです。そのため、トレイル(利益確定ポイントを段階的に移動させること)に引っかからず、大きな利益を得られる確率が高まります。
短期的な値動きを気にしなくて済む
スイングトレードなら、数分から数時間程度の短期的な価格変動の影響を受けません。スキャルパーやデイトレーダーの胃が痛くなるような値動きも、スイングトレーダーからすると、さざ波にしか見えないことが多いでしょう。そのため、一時的に損失が出たとしても慌てて決済することはなく、チャート分析で事前に計画したポイントで利益確定や損切りができます。
また、長期になるほどローソク足1本ごとに含まれる取引量が多いことから、テクニカル分析のセオリーに外れるような不規則な「ダマシ」が発生する確率が少なくなります。つまり、初心者でも利益を取りやすいような教科書的な動きになることが多いのです。
勝率が低くても利益を狙える
スイングトレードは、勝率が低くても利益を狙いやすいトレードスタイルです。損切幅に対する利益幅を大きくできるからです。たとえば、損切り幅50points、利幅200points狙いなら、勝率40%でもプラス250pointsの利益になります(スプレッドを除く)。
「スキャルピングでも損切り幅2points、利幅8pointsにすれば同じじゃないか?」と考える人もいるでしょう。しかし、スプレッドの問題とエントリータイミングを見極める必要があることから、時間が短くなるほど、損切幅に対する利益幅を大きくすることが難しくなります。その意味でスイングトレードは、たとえトレードのスキルが低くても、「損小利大」を実現しやすい手法といえるのです。
初心者がFXのスイングトレードで稼ぐコツ
初心者がFXのスイングトレードで稼ぐには、どのようなことから取り組んだらよいのでしょうか。ここではリスク管理や相場分析、FX会社の自動注文機能の活用などについて解説します。
極力リスクを抑えたトレードにする
初心者のうちは、なるべくリスクを抑えることを心がけましょう。リスクが低いトレードとは、レバレッジが高くならないようにポジションを少なめにすることです。また、心理的にも経済的にも負担が小さい少額資金からトレードを始めることによって、リスクを減らせます。
トレード手法以前に資金管理でリスクを減らしておく理由は、決済注文を忘れて週末をまたいでしまうことや、急な値動きに動転して損切りできなくなってしまうなど、初心者にありがちなミスが起こり得るからです。また、トレードスキルを磨く前に資金を失ってしまうことを防ぐためでもあります。安定した利益が出せるようになったら、徐々に投資額を増やしていきましょう。
トレンドの流れをつかむ
スイングトレードでは、大きなトレンドに乗ることが利益を上げるコツです。具体的には、1時間足や4時間足の20期間移動平均線が描くような波を狙いましょう。たとえば、買いを狙う場合、移動平均線が下向きから上向きに転じたあたりでエントリーし、上向きから下向きに転じたあたりでエグジットするのが理想的です。もちろん、事前に利益確定していたポイントで決済してもよいでしょう。
トレンドの流れをつかむためには、価格や値動きのサイクルをチャートで分析するテクニカル分析の勉強が欠かせません。また、スイングトレードでは、各国の経済動向や金利などを分析するファンダメンタルズ分析の知識もある程度必要です。
週末にポジションを持ち越さない
初心者のうちは、週末にポジションを持ち越さないルールにしておくとリスクを低く抑えられます。FXでは週末にレートに大きな影響を与える経済動向の変化が起きることや、自然災害・事件が発生することもあるからです。
このようなことが起きると、週明けにギャップ(窓、チャートの隙間)が生じる場合があります。それにより、予想外の大きな損失になることや、最悪の場合ロスカットで強制的に決済されることがあります。
逆指値注文を出しておく
頻繁にチャートをチェックできない人は、気づかない間に損失が拡大しないように、逆指値注文を入れておきましょう。短時間でレートが大きく動く場合もあるので、ゆったりしたスイングトレードだからといっても油断は禁物です。スイングトレードは大きな値幅が狙える反面、損失が大きくなるリスクもあることを認識しておきましょう。
逆指値注文以外にもOCO注文やIFD注文など、便利な自動注文機能はいろいろあります。自動注文を上手に使いこなせれば、損失を限定するだけでなく、トレードチャンスを増やしたり含み益が減る前に決済したりすることにも役立てられるでしょう。
FXのスイングトレードにおすすめのテクニカル分析
スイングトレードに適した手法はトレンドフォローです。ここでは、トレンド判定やトレンド転換のタイミングをつかみやすいテクニカル指標として、移動平均線とDMIを解説します。
トレンドの流れをつかむなら「移動平均線」
移動平均線はある期間のローソク足の終値を平均化して、大まかなレートの動きや方向がつかめるテクニカル指標です。また、移動平均線の傾きによってトレンドの強さも判定できます。
ただし、1本の移動平均線だけでトレードをしている人はあまりいません。たとえば、移動平均線に加えて、ローソク足の高値・安値を結んだトレンドラインも併用することで、トレンド判断の精度を高めている人は多くいます。
また、2本の移動平均線を使って、短期線が長期線を上抜く「ゴールデンクロス」で買いエントリー、短期線が長期線を下抜く「デットクロス」で売りエントリーを行う人もいます。
一定期間の相場の方向性をつかむなら「DMI」
DMI(方向性指数)は、一定期間における相場の方向性やトレンドの強さをつかむのに役立つテクニカル指標です。DMIは移動平均線を元に独自の計算式で求めた次の3本のラインで構成されます。
- +DI:上昇の強さを表すライン
- -DI:下降の強さを表すライン
- ADX:トレンドの強さを表すライン(※上昇・下降の方向に関係なく)
DMIによるシグナルは以下のとおりです。
- 買いサイン:+DIとADXがともに上昇しており、かつ、+DIが-DIを下から上に抜けたとき
- 売りサイン:-DIとADXがともに上昇しており、かつ、+DIが-DIを上から下に抜けたとき
DMIはRSIやストキャスティクスなどの考案者でもあるJ.W.ワイルダーが、トレンドフォロー用に開発した指標です。トレンドの流れに乗って利益を狙うスイングトレードに適した指標なので、検証したうえで活用してみてはいかがでしょうか。
FXのスイングトレードにおすすめの通貨ペア
FXのスイングトレードにおすすめの通貨ペアは、米ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドルなどのメジャーな通貨ペアです。これらは、一定の値動きがあり、かつ流動性の高い通貨ペアであるからです。
「流動性が高い」とは、市場参加者が多く、希望の価格で取引が成立しやすいことを意味します。つまり、チャートにギャップが生じにくく、相場急変時も損切りのための逆指値注文が希望レート近くで執行されやすいことが特徴です。
スイングトレードではマイナススワップにも注意する必要があります。比較的長い期間ポジションを持つことになりますから、高金利の通貨を長期間売り持ちにしないなど、エントリー前の事前検証も必要となります。
FXのスイングトレードは難しくない!
FXのスイングトレードはほかのトレードスタイルよりも初心者に向きます。その理由は、利益率を高くできるため、たとえ勝率が低くても利益が出やすいことや、短期の不規則な値動きの影響を受けにくいメリットがあるからです。
これからFXを始めたい人や、現在デイトレードやスキャルピングで思うような結果が出ていない人は、難易度の低いスイングトレードにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。