今年の最大の懸念は「米国の分断」
2021/02/01 09:26にシンプルトレードで配信した内容を掲載しています。
市況と雑感
月末の米株は反落、S&Pは週間で10月来の大幅安。「WSB=Wallstreetbets」よる取引がマーケットに大混乱を引き起こしているとの懸念が続く中、あらゆる業種が広範に売られた展開。新型コロナウイルスのワクチン配布見通しが不透明なことも意識された模様。S&Pは前日比1.93%安の3,714ドルでクローズ。
現在マーケットの注目は、今回の事で、「ヘッジファンドなどが被った損失が市場全体への波及を引き起こすほど大きなものになるかどうか?」が焦点。
多くのストラテジストは「reddit」で駆り立てられた投資家らが強気相場を完全にのみ込んでしまう可能性は今のところ低いとの見方ですが、その答えは今月の動きにかかっています。
現在、NYダウ先物はマイナススタートで、日経平均先物も27,650円と170円安でスタート。1月31日に発表された中国の1月の製造業購買担当者指数(PMI)が予想を下回ったことも要因。
こうした中、レイ・ダリオ氏は、GME (ゲームストップ株) 問題に関して、興味深いコメントをしています。
「GMEを巡る問題については、米国で反対意見を持つ人々の間で広がる不寛容さを示す一つの兆候だ」と指摘。さらに「私がより懸念しているのは、今やこの国のほぼすべての面に広がっている憎しみに近い全体的な怒りや、人を倒そうという考えだ。お互いに傷つけ合いたいという欲求は懸念すべきだ」とインタビューに答えています。
米国では、どちらの政党を支持していても、人としての付き合いというのは変わらなかったのですが、お互いの支持者をわかりあうどころか憎しみが暴動を生じさせたりしているため、これを解消するのは容易ではなく、これが今後様々なトラブルを起こしそうです。今年の最大の懸念は、まさに「米国の分断」。
節分天井?
マーケットに視点を移すと、米株はやっと上値が重くなってきた展開。日経平均も同様。節分天井といわれますが、今週あたりから株は明確に調整モードにはいってもらいたいところ。
そして今週確認したいもうひとつの点は、risk offでクロス円はさがるのか?というところ。ストラテジストの中には「もう株安、円安に変わった」という意見も増えています。
確かに、昨年後半そうした傾向もあったのですが、株の下げがきつい時は、旧来の「株安、円高」に戻るときもあります。
そのため、positionをもっていないストラテジストは「株安、円安」といっていますが、positionを持っているトレーダーは、いつもそうなるとは限らないため慎重になっています。
旧来の教科書では、risk off=豪ドル円のshortという流れで簡単だったのですが、先週は株が下げても豪ドル円は80円台に反発する局面もありますので慎重にならざるを得ないところ。
さらにいえば、1月のFXは総じてレンジ。positionは変わらず。ユーロドルは急騰するのは難しいと考えていることでshort keepしているのですが、volatilityは上がってこず。
Swapの観点から考えれば、時間がかかってもswapでは収益になるため、問題はないのですが、今週volatilityが上がってこなければ、少しpositionを縮小して、他通貨にriskを向ける予定。
ロビンフッダーのWallstreetbetsによる取引については、動画でもじっくり解説しましたのでぜひご覧ください。
https://youtu.be/Vgx2XMtP_oM