テクニカルが何を示しているかを熟知しておくことはトレードの基本
アマチュアトレーダーに必要なこと
個人投資家でありながら、FX関連の書籍を多数出版している田向宏行が、10年以上前に自分がトレーディングを始めた頃に読んだら、参考になるだろうなというコラムをお届けしていきます。
テクニカル分析ツールには、マーケットの流れを示すツールと潮目の変化を見つけるツールがあります。流れに乗るか、反転を取りに行くか、ということです。
流れに乗る取引は、多少のタイミングの悪さも、大きな流れが吸収してくれます。一方、反転を狙う場合は、ピンポイントで反転するポイントを探す必要があり、タイミングがずれると結果も悪化します。
自分の使うテクニカルが何を示しているかを熟知しておくことはトレードの基本と言えます。ちなみに、拙著でご紹介しているダウ理論は、すべてのテクニカルの基本なのでこの両方を見ています。
流れに従うトレードはトレンドフォローで順バリです。マーケットの方向性に従って押し目や戻りを待って、トレードすることでストップを狭く設定できますし、日足や週足での流れに従えば大きく損失を被ることは少ないと思います。これらは主にチャートのメインウインドに表示され、トレンド系と言われるインジケーターを使うことになります。
マーケットに大きな流れがあっても、押し目や戻りをつけにいく場面では値動きがこれまでのトレンドとは反転することになります。変化を取るということは、この小さな動きの変化を敏感に察知して、他人より早く相場に入ることを目指します。
トレンドの中で変化が起こり押し目を作りに行くと思った変化が、その後大きくなってトレンドそのものが転換することもあります。こうした変化をとらえるインジケーターを使っていると、新たなトレンドの最初からマーケットに入ることができて、利幅も大きくできる可能性があります。
ボリンジャーバンドがエクスパンションする動きや、RSI、ストキャスティックスなどのオシレーター系のインジケーターは買われ過ぎや売られ過ぎからマーケットが変化する可能性を示します。
トレンド系とオシレーター系を組み合わせて使えるのが一番なのですが、初心者には判断が難しいのではないでしょうか。私自身が初心者の頃はそう感じていました。そこで私はまずトレンドに乗ること、大きな流れに従うことをメインに考えるようにして、チャートを虹色にしました。
これは流れに逆らって大きな損をした経験から、流れに従うことを重視し、もしその流れが変化したらサッサと降りるという点でも大事でした。
どちらが適するかはトレーダーの性格にもよるのかもしれません。変化を狙い俊敏に即断即決するのが合っている人もいるでしょうし、流れを吟味してじっくり考えてからアクションする方が楽だという人もいるでしょう。
ただ、一般的に初心者がタイミングを精査するのは、なかなか大変です。これはトレーディングだけでなく、あらゆる分野で初心者はタイミングが下手です。
自分にはどちらが適しているかを知ると、自分に合ったテクニカルを見つけやすくなりますし、トレード戦略も立てやすくなると思いますが、まずは大きな流れに乗ることを練習するのが上達への道なのではないかと思っています。