相場の世界でも 狩人のように相手を知り戦略を立てることが重要
アマチュアトレーダーに必要なこと
個人投資家でありながら、FX関連の書籍を多数出版している田向宏行が、10年以上前に自分がトレーディングを始めた頃に読んだら、参考になるだろうなというコラムをお届けしていきます。
金融市場は変化に富んだ世界です。特にワールドワイドで取引するFXは、常に世界中で何かが起こり、マーケットが動く、ある意味トンデモナイ世界です。(笑)私たちトレーダーは値動きから利益を狙います。相場が膠着して値動きが僅かだと、利益を取るのは難しくなります。
そして、相場がいつ動くかは、誰にもわかりません。つまりトレーディングとは、会社のサラリーのように、定期的に収益が得られるものではないわけです。農耕民族ではなく、狩猟民族とイメージする方が、わかりやすいかもしれません。
相場が動くときに狙う、例えるなら狩猟をする、ということは、状況の変化を好み、それに応じた戦略を立てることが楽しめないと、利益は得られません。狩りは、走り回っていれば獲物を得られるというものではありません。
獲物の性質を知り、天候や様々な要素を考慮して対象の動きを推測し、十分な体制で待ち伏せするなど、戦略を立てることが重要で、アクションするのは最後の仕事です。相場も同じで、取引する通貨の特徴を理解し値動きを予測し、十分に引き付けてポジションを作ります。
狩猟の本質は、自分で考え自分で行動し、その結果として利益を得られるかもしれないし、上手くいかないかもしれない。まさに自己責任で、私は投資もそういう世界なのだと思っています。
狩猟民族の若手が、初めて狩りに出ても簡単に成功はしません。狩りにデビューしたら、覚えることがいっぱいあるからです。若さと体力で走り回ればいい、というものではないのです。FXも単に思いつきでトレードしたら、すぐに資金が尽きます。見習いはまず、覚えることをしっかりと覚え、戦略が立てられるようにならないと一人前にはなれないでしょう。
一人前のハンターは、独自の流儀を持っています。人の真似だけでは儲けも大きくなりません。回数で稼ぐか、利幅を取るか、勝率を狙うか、損切りが上手いのか・・・FXで儲ける方法は千差万別です。自分の長所短所を踏まえたスタイルができると、収益も好転します。また流儀を徹底することも大事です。
慣れないことは失敗の確率が高く、利益を吐き出してしまいます。自分の狩場を知り、どのような相場でキッチリ取り、どんな相場は取引せずに捨てるのか、これがハッキリするだけで収益はグッと良くなります。狩人としての独立を意識すると、FX生活も余裕が出てくるのではないでしょうか。