開発者が解説!スーパーボリンジャーの基本
過去36年のトレード経験に基づいた、独自のチャート分析手法やトレード論を解説!
独自のチャート分析手法(「スパンモデル®」「スーパーボリンジャー®」「アクティベート時間分析®」等)による相場分析方法。過去36年に及ぶトレード経験に基づいた、メンタル面からのトレード論も公開しています。Twitter https://twitter.com/murphyFX
スーパーボリンジャーとは
スーパーボリンジャーとは、ボリンジャーバンドというテクニカル分析手法に「遅行スパン」を加えたチャートを指します。
スーパーボリンジャーには、プラス2シグマラインからマイナス2シグマラインまでの7本のラインと、赤紫色の目立つラインがあります。
これらで構成されているのがスーパーボリンジャーです。
赤紫色のラインは「遅行スパン」といって非常に重要なラインですが、こちらについては別途解説させていただきます。
一般的なボリンジャーバンドでは、プラス・マイナス2シグマラインまでの表示となっていますが、私のスーパーボリンジャーでは、プラス・マイナス3シグマラインまで含めて表示します。
プラス・マイナス3シグマラインについては、トレンドの勢い(モメンタム)を判断する際に便利です。プラス・マイナス2シグマラインだけよりも鮮明に判断できます。
スーパーボリンジャーの構成要素
- センターライン(21単位単純移動平均線) 青色ライン
- プラス・マイナス1シグマライン(1標準偏差、68.3%) 緑色ライン
- プラス・マイナス2シグマライン(2標準偏差、95.5%) 赤色ライン
- プラス・マイナス3シグマライン(3標準偏差、99.7%) 水色ライン
例えば、2番目の1標準偏差、68.3%というのは、緑色のプラス・マイナス1シグマラインの間に68.3%の価格が入ってくるという意味で、他のラインについても標準偏差が同様の意味を示しています。
また、上記チャートのAのところに0.135%と書いてあります。これはこのAのゾーンの中に、全体の価格の何%が位置してくるのかということを表示したものです。たとえばAのゾーンに来るのは全体の0.135%という意味で、極めてわずかだということが分かります。
さらに、AとBのゾーン、すなわち、赤色ラインであるプラス2シグマから上にくるゾーン内の価格が、全体の2.28%だということです。そして、さらに重要な点は緑のプラス1シグマラインから上に位置するA、B、Cのゾーンが全体の15.87%ということです。
スーパーボリンジャーを見ていくうえで、一番重視していただきたいのは緑の1シグマラインです。プラス1シグマラインの上に価格があるかどうか。同様に下のマイナス1シグマラインの下に価格があるかどうか、これが非常に重要です。
標準偏差とは
相場変動を計る尺度が「標準偏差」です。
各シグマラインは市場全体の損益分布ラインとなります。
価格と各シグマラインとの位置関係によって、どの程度の割合の市場参加者が勝ち、もしくは負けているかが分かります。その中での自分のポジションの位置も分かります。
相場とは、動く時には動き、動かない時には動かないものですが、「加速度」という概念を加えることで相場が見えてくるようになります。 価格と各シグマラインとの位置関係を見ることで、「加速度」が判定できるのです。
プラス・マイナス1σ(シグマ)ラインの意味
先ほどプラス・マイナス1シグマラインが重要だと言いましたが、1シグマラインには以下の意味があります。
プラス1σ(シグマ)ラインを上回っているということは・・・
過去21日間に買いから入った市場参加者の約84%が儲かり、逆に、売りから入った市場参加者の約84%が損をしているということです。
マイナス1σ(シグマ)ラインを下回っているということは・・・
過去21日間に売りから入った市場参加者の約84%が儲かり、逆に、買いから入った市場参加者の約84%が損をしているということです。
相場の世界は「2割8割の法則」
相場の世界は、80対20の法則、パレートの法則に支配されています。
終値がプラス1σ(シグマ)ラインを上回ると上昇が加速してきます。
一方、終値がマイナス1σ(シグマ)ラインを下回ると下落が加速してきます。
たとえば、このチャートでは価格が膠着(こうちゃく)気味でバンド幅が収束傾向にあります。これは相場変動率も収まっているという意味です。
その後、膠着気味であった相場からバンド幅が拡大し、上に飛び出しました。水色のプラス3シグマラインよりも上に飛び出しています。これは確率論的に言うと、かなり小さい確率のはずなので、相場の中で相当大きな動きが生じているということを教えてくれています。
ただ、その前にまずは緑のプラス1シグマラインを抜けたということに注目してください。そこから相場が上昇方向に動いています。
一旦、相場が動き出すと、さらに動きやすくなります。これは相場の習性で、「加速度」という概念です。これは私がよく使う言葉で、相場は「相場力学」で動いているということを示しています。
さらに「慣性の法則(ニュートンの運動の第1法則)」があり、動いていない静の状態から一旦動き出すと、動きが加速していきます。
緑のプラス1シグマを抜けた相場は、プラス1シグマの上を推移し続けようとするのです。これが「慣性の法則」です。
さらに、終値がプラス・マイナス2シグマラインの外に飛び出す場合、これは「走る相場」、もしくは「ランナウェイ相場」と言い、さらに強いトレンドを指します。
2割8割の法則(パレートの法則)
全体の2割が8割の結果を生み出しているという法則があります。
- 会社の売上の8割は、2割の社員が上げている。
- 会社の売上の8割は、2割の顧客が上げている。
- アリの世界で2割だけが働き、8割は働かない。
- 世の中の2割は成功できるが、8割の人は成功できない。
「2割8割の法則」は、この世の中のありとあらゆる場面で応用が出来る普遍的な法則です。皆さんの周りを見まわしても、この法則が当てはまるのではないでしょうか。したがって、私達は「2割8割の法則」を実際の生活や投資に活かしていくことが望ましいと考えています。
例えば、価格が緑のプラス1シグマラインを飛び出すということは、2割の人だけが上手くいっているという意味です。トレードにおいては、この「スーパーボリンジャー」のプラス、マイナス1シグマラインの意味を、「2割8割」の法則性、また相場力学の観点から理解したうえで応用したいところです。
以上、スーパーボリンジャーの基本を解説させていただきました。詳しい使い方は、別途ご紹介していきます。
なお、私の投資手法の基本であるスパンモデル、スーパーボリンジャーは多くのFX会社のチャートに標準搭載されていますのでデフォルトで表示可能です。(自分で設定しなくても表示できます)
詳しくは以下のページの、 「スパンモデル®、スーパーボリンジャー®標準搭載の会社」をご覧ください。これらの会社は、FX会社として大手の上場企業であったり、しっかりした親会社などの元で運営され、証拠金は信託保全されていますので、どの会社もお勧めです。
https://www.xfine.info/mur/tousai.html
今回の内容を動画でご覧になりたい方はこちらから。