銀行が融資したい人と、そのポイント
今回は賢いお金との付き合い方のポイントの続編として
- 借金をするときに押さえておくべき必須5項目!
- 銀行が貸したいのはどんな人?
についてご一緒に考えていきたいと思います。
借金の基本5項目
借金をするときに考えておかなければならない項目が以下の5つです。貸す側の銀行も同じ観点で融資の審査を進めています。
- いつ必要か
- いくら必要か
- 資金使途
- 返済原資
- 返せなくなった場合どうするのか
順番にご説明します。
1.いつ必要か
「少し早めにお口座にご融資金を入金させていただきますね。その方が◯◯様もご安心ですよね!」
融資の手続きの最終段階でよく耳にするフレーズです。銀行任せにすると、銀行は早めに貸すことによって少しでも多くの利息が取れるように段取りを進めます。早目に借りて余分な利息を支払う必要はありません。
事前に銀行員に書類に不備がないか確認しておけば、無駄な出費を抑えることができます。よほどの事情がない限り、資金が必要な当日や前日などに融資が実行されるように銀行と打ち合わせを進めてください。
2.いくら必要か
住宅購入時など何千万円単位の大きな金額を借りるとき、数十万円や数百万円くらいは大した金額でないような錯覚に陥ります。マイホームを購入するとき、新しく事業を始めるときなどは誰もが自然とテンションが上がります。
そして、必要額より多く借りることに抵抗感がなくなります。そして「毎月の返済額に換算するとたった◯◯◯◯円の違いです」と説明されると、これくらいなら払えると考えてしまい必要以上に借りてしまいます。
余分に借りたそのお金は、将来の自分が利息を付けて返さなければならない借金です。手元で用意できる自己資金はいくらで、借りる金額はいくらまでなら圧縮可能か。これらを注意深く検討してください。そして借り過ぎないように十分注意してください。
内心、銀行員は必要な金額をきちんと把握し自制できる顧客に対して「しっかりした信用できる人だな」とプラスの評価をしています。
3.資金使途
銀行の営業担当者は、毎月の目標を達成するために少しでも多く貸したいと考えています。資金使途が曖昧だと担保でカバーできる上限まで借りることになります。
最初の段階から、資金使途を自分の言葉で明確に説明できることはとても大切なことです。必要以上に借りることを避けることができるからです。
例えば自宅購入の場合ですと
- 購入不動産の本体価格のみなのか。
- 外構工事などのオプション部分も含むのか。
- 事務手数料や登記関係費用も含むのか。
などを明確にしておいてください。
4.返済原資
借りたお金を返済するのは他でもないあなた自身です。現在と将来の見込み収入から無理のない返済額か。その収入は何歳まで安定的なものか。自分の収入や手元の資金繰りは厳し目に考えておきましょう。
5.返せなくなった場合どうするのか
人生には想定外のことがいろいろと起きるものです。経済や賃金が右肩上がりでなくなったこれからの時代には、万が一返せなくなった場合の最悪のケースの対処方を考えておくことは必須と言えます。
- 不動産など差し入れた担保の物件売却で全額の返済は可能か。
- 何年後に全額返済可能な残高になるのか。
- 返済資金が不足する場合、別途所有するセカンドハウスなどその他の資産や保険解約金等での返済の選択肢はあるのか。
これらを整理し想定しておくことによって、無理や無駄のない借金が可能となります。
銀行が貸したい人
銀行が貸したい人とは、なんと言っても毎月遅れず約束通り返済してくれる人です。それ以外にも見ているポイントがあります。
借金をするときに押さえるべきコツ、心構えを身に付ければあなたも銀行が貸したい人になり、有利にお金を調達出来る可能性が高くなります。
借りる銀行の順番の重要性を知っている
借りる銀行の順番はとても重要です。銀行業界はいまだに横並び主義、前例主義の世界です。歴史や規模により明確な序列があります。
◯◯銀行が貸したのであれば、まず大丈夫だろう、と言った判断をしたりします。借りることができた銀行のレベルによって、その人の信用が決められるということです。ですから、みなさんはメガバンクや大手のネット銀行など、審査が厳しめのところから順番に借りて行きましょう。
もうひとつ、審査の厳しい銀行から借りることには低金利というメリットもあります。厳しい審査をパスした債務者は延滞発生の可能性が低いため、銀行にとっては貸し倒れ分のコストを低く見積もることが可能だからです。
審査の厳しい金利の低い銀行から借りることによって、あなたの信用力と金融リテラシーの評価が高まります。借りる銀行を上手に選ぶことによって、あなたの属性評価を引き上げることが可能です。属性評価が高くなると有利な条件でお金を借りることができる可能性が高くなります。
借金をするタイミングで生活の見直しをする
借金はこれまでの人生を可視化したもの
借金は、あなたが収入に見合った支出をして来なかった結果であることが多いのも事実です。消費行動に改善を要する点があることを示しています。
あまり気分の良いことではありませんが、この事実を受け止めてください。これが出来ていないと、当面の資金繰りを借金でしのいでも、ほどなく借金を重ねる羽目になります。
生活コストの見直し、特に固定費
ご提案したいのは、借金と同時にそれまでのお金の使い方を点検し、無駄なものをばっさりカットすることです。特に固定費を下げるのはとても効果的です。一度やっておくと、都度の手間が掛からず効果が持続するからです。
固定費の代表的なものは住居費、生命保険、自動車保険、通信費などです。家族の人数が減り、コンパクトな住まいへ移ることが可能ならば、固定資産税や管理費、修繕費などを大幅に減らすことが可能です。水道光熱費も自然と減少します。
生命保険は子どもが大きくなれば最低限のもので間に合います。自動車保険はネット契約を活用しましょう。通信費は、スマホの契約にはかなりの確率で余分なオプションやサービスが付加されています。機種変更のときには必ず契約内容の詳細を確認してください。
一度時間を取り生活の無駄をリストアップして固定費のカットに是非トライしてみてください。
次回は【投資物件用ローンの危険性】についてお届けします。
ワンルームマンションなど投資物件用ローンには、実に多くの危険が潜んでいます。このテーマは本シリーズの中でも特に伝えたかったことの上位に位置するものです。圧倒的に情報、知識、経験、ネットワークが潤沢なプロ達が素人の顧客に対してあまりにも酷いことをしていると感じるからです。
一般にエリートと呼ばれる専門職、会社員、公務員、経営者などの人々が知らず知らずのうちにリスクの高いローンの債務者になっていることが多いという特徴もあります。
次回はあなたが数百万円、数千万円単位の損害を被ることがないようにそのカラクリをお伝えしたいと思います。