FOMCは濃霧のなか利下げへ

昨日のFT誌主催のイベントで講演した日銀の植田総裁ですが、「持続的な2%のインフレに近づいている」「追加利上げを実施してもそれが最終ではない」と明言しています。
これまでの発言を繰り返しただけですが、来週の日銀会合での25bp(0.25%)の利上げをほぼ完全に織り込むなか、USDJPYが155.99まで反落、しかし、円買いは続きませんでした。
米国時間に入り発表された10月のJOLTS(雇用動向調査、=求人数)は765万件(予想715.0万件)、9月分も同時に発表され、765.8万件への増加となっています。
JOLTSが全般的に底入れ傾向を示したことで、本日のFOMCでの25bpの利上げを確実視する一方で、来年以降に織り込んだ利下げを巻き戻しています。
為替市場ではドルの買戻しが一段と進むなか、USDJPYは昨日高値156.95を示現、EURUSDは再度昨日安値1.1616付近まで反落となっています。
トレードポイント
本日はFOMCが終了して、金融政策を発表しますが、FF(政策)金利を3会合連続で引き下げ、誘導目標水準を3.50-3.75%とすることがほぼ確実です。
焦点は特に来年以降のFF金利の見通し、前回9月会合でのFOMCメンバーがみていた各年度末の中央値は以下の通り、
2026年、3.375%
2027年、3.125%
2028年、3.125%
長期、3.000%(←中立金利、景気をふかしも抑制もしない金利水準)
今回利下げをすると、FF金利は事実上3.625%となりますので、来年1回、再来年1回の利下げを予想していました。
確かに労働市場は減速していますが、物価は想定通りに下がらず、欧州、カナダ、豪州等が利上げを視野に入れ始めたことが、近いうちに米国に波及する可能性が十分にあります。
中立金利が3.000%としても、コロナ渦を経て経済が根本から変わり、株価が大幅上昇して購買力が上昇するなか、実際はもっと高い水準に位置している可能性があります。
来年、あと1回利下げが出来るか否か、この辺に着地するのだと思います。
仮に今回利下げを決定しても、パウエル議長か会見のなかで、来年以降の利上げにはまだ言及しないまでも、追加利下げは完全にデータ次第として、可能性を一時的に排除することもあるでしょう。
全体的にはハト派のFOMCや会見となる可能性は低く、織り込んだ利下げを巻き戻し、ドルが買われる、Hawkish (Rate)Cut(タカ派の利下げ)がメインシナリオです。
こちらは有料メルマガより一部抜粋、時間をおいて配信しています。
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