日銀の内田副総裁の講演に注目

米政府機関の閉鎖解除の見通しが立たず、月末のFOMCを前に経済指標の発表も遅延しており、欧州時間の終盤、米国時間の序盤まで決め手に欠ける展開が続きました。
その後に米国の地方銀行2行の不正融資疑惑が急浮上、小高く始まったダウが上げ幅を全て失い、前日比ではマイナス圏へ、この辺から市場のセンチメントが一変しました。
ザイオンズ・バンコープの株価が-13.18%の急落、ウエスタン・アライアンス・バンコープの株価も-10.81%の大幅安に見舞われるなか、DJ銀行株指数も-3.28%と下げ足を速めています。
市場に信用不安が駆け巡り、安全資産である米国債が買われ金利が低下、来年以降の利下げを再び追加で織り込み始めています。
為替市場では、午後になると主要通貨に対しドルを売り動きが強まり、USDJPYで昨日安値150.22、EURUSDでは同高値1.1694を示現しています。
今週に入り、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが「一匹のゴキブリ見たら他にも」と発言しており、放漫、不正、過剰融資に警鐘を鳴らした直後の出来事となっています。
トレードポイント
新型コロナウイルス危機後の景気拡大も後半に差し掛かり、労働市場に急減速が到来するなか、今回も信用収縮の動きは融資の焦げ付き等からでした。
2023年3月のシリコンバレー・バンクの破綻のように規模も小さければ、短期収束となり、その後は市場に忘れ去られてしまいます。
今回も地銀発の信用収縮なので、大手行が信用保証を出す等の発表があれば、あっさり収束がメインシナリオです。
今月末の日銀金融政策決定会合を前に、本日は日銀の内田副総裁が全国信用組合大会での冒頭の講演にのぞみます。
内田副総裁は、前回の日銀金融政策決定会合では据え置きに票を投じており、日本の政局が混迷を深めるなか、タカ派に転じる可能性も低いでしょう。
こちらは有料メルマガより一部抜粋、時間をおいて配信しています。
こうした流れを加味したポジションの組み換え、市場参加者から伝わる裏事情、金融機関のレポートの概略等はSmartLogicFXのなかで展開していきます。
関連記事
https://real-int.jp/articles/2953/
https://real-int.jp/articles/2951/