投資は相続を考慮しないと破綻する?

投資をする前に入口戦略
投資をするには入口戦略が大事です。
入口戦略で一番大事なことは時代に合った投資をすることです。
前の時代の常識は今の時代の非常識だからです。
https://real-int.jp/articles/2913/
「時代に合った投資」の次に大切なのが
「自分に合った投資スタイル」で、その筆頭が
「相続を考慮する」です。
親からの相続も考慮する必要があります。
見落とされがちな相続
自分に合った投資スタイルを考える上で、
一番大事だけれど
一番見落とされているのが相続です。
相続には
「自分が相続人=自分が受ける相続」と
「自分が被相続人=配偶者や子供に与える相続」
があります。
親の年齢、自分の年齢、資産状況によって注意するポイントも変化します。
投資をする前に、相続のことも考えておく必要があります。
相続3つの問題点
相続の問題には次の3つがあります。
①相続税が高額
②遺産分割でもめる
③相続財産が不良
遺産分割がうまくいかないと、相続税は上昇しますし、相続人の間で骨肉の争いの原因になることもあります。
本人は優良な資産だと思っていたものが、不良資産のケースがあります。
相続財産を得たことで破産することさえあります。
本人は優良な資産だと思っていても、相続人にとっては不良資産のケースもあります。
相続税対策は不良資産を作ることになっていることが多いです。
自分は相続とは無関係と思っている人が多いですが、実際には無視できません。
次のようなことを吟味することが必要です。
・自分がどのような資産を相続するのか
・相続を受けることで問題はないのか
・自分の相続人たちに悪い影響はないのか
・不良資産ではないか(相続人にとって)
自分に相続人がいなくても、検討する必要があります。
一番の問題点
相続で一番の問題点は
相続発生時の評価が高く、
納税時には暴落していたり、
換金が困難な資産です。
相続税が払えなくなり自己破産することや
相続人の間で骨肉の争いに発展するケースもあります。
厄介な資産
厄介な資産には次のようなものがあり、相続が発生する前に換金したり整理したり対策しておくとよいでしょう。
厄介な資産を金融商品と不動産に分けて見ていきます。
厄介な資産 金融資産
・暗号資産・仮想通貨
・乱高下が激しい株・仕手株
・金融危機時の株
・流動性が極端に低い株=出来高が極端に低い株
・一部の新興企業株
・未公開株(売却が困難)
・自社株(未公開の自社株は売却が困難)
・NFTデジタルアート
・絵画・骨董品(急いで売ると二束三文)・
厄介な財産 不動産
・売却が困難 評価が高いが売却困難
・共有不動産
・権利が複雑・税金が複雑
・管理が難しい不動産
・隣接地の所有者の確認がない測量
・境界争いがある土地
・不良賃借人がいる
・トラブルを抱えた不動産
・不動産事業が苦手な人が不動産事業をする
・底地、借地
・耐震性能が低い建物
・マイナス資産の不動産
市区町村に無償で引き取ってもらいたくてもできない
別荘で毎月の管理費が高く売却できない
解体が必要な古家があり、解体費の方が高額
山林 管理が大変
厄介な資産の解説
暗号資産・仮想通貨
口座情報などをきちんと引き継がないとアクセスすることもできません。
相続税課税対象なのに相続人が換金できないことがあります。
ウォレットや取引所の情報、パスワード、秘密鍵の保管場所をノートに明記して残すことが重要です。
相続人が口座を開設したり、仕組みをしっかり理解する必要もあります。
現在、暗号資産・仮想通貨を売却すると雑所得に分類され税率が高いだけではなく、
相続税の税制も整備されていません。
特に暗号資産・仮想通貨は乱高下が激しいので相続すると、
タイミングと金額次第で破産することもあります。
株の場合は、相続が発生して、相続税を払うために売却しても株に対する相続税は売却価格から引いて譲渡税を計算します。(相続発生後3年10ヶ月以内)
ところが、暗号資産・仮想通貨は相続が発生してその後相続税を払うために売却しても相続税分を譲渡価格から引けません。
となると、相続が発生後に価格が下落すると相続税が払えない事態が簡単に発生するのです。
乱高下が激しい株
仕手株や乱高下が激しい株だと高値で相続が発生し、売却しようと思ったら大暴落していて納税できないことがあります。
仕手株や乱高下が激しい株は高値で売り抜けないとタイミングによって不良資産になります。
金融危機の時の株
乱高下が激しくない一般の株でも金融危機の前の高値で相続が発生し、暴落してから納税のために株を売却するケースだと乱高下が激しい株と同じことになります。
相続発生のタイミングが悪いとダメージは大きいです。
ガチホ「ガチ(本気)でホールド(保有)」は危険です。
流動性が低い株・出来高が極端に低い株
流動性が低い株・出来高が極端に低い株はすぐに換金できないので、相続には向きません。
何十年も前ですが、決算が良かったので1単位だけ買った株がありました。
翌日売ろうとしたら売りも買いもありませんでした。
しかたないので、買った価格から毎日少しずつ売値(指値)を上昇させて売り板・気配値をジリジリ上げていったら、数日後、買った人がいました。
大量に持っていたら、本当に売るに売れません。
流動性が低い株・出来高が極端に低い株は不良資産です。
一部の新興企業の株
新興企業株の一部は突然破綻するケースがあります。
有望株だと思っていたら突然価値がゼロになることがあります。
最近ではAIスタートアップ企業の株式会社オルツが上場1年足らずで上場廃止になり、価値がゼロになりました。
不正会計問題が発覚し、7月30日、上場廃止の決定と民事再生法の申請が公表されました。
売上高の最大9割を架空計上していたにもかかわらず
監査法人
証券会社
取引所
は見抜けず、投資家は多大な損失を被ったのです。
AI×スタートアップという、いかにも投資家が飛びつきそうな株です。
基本インデックス(日経225ETFなど)は価値がゼロになることはないので安心できます。
特に今の黙示録の時代には安心を選択すると良いです。
未公開株
未公開株を売却するのは大変です。
売却困難な資産は不良資産になる可能性が高いので、もし保有していたら、売却を進めましょう。
自社株
上場していない、自分の会社の株は売りたくても売れませんが、相続税評価は高い可能性があります。
事業承継税制の特例措置を活用して相続税の納税が猶予・免除されるように準備することが必要です。
NFTデジタルアート
NFTデジタルアートなどは絵画・骨董品などと同じで、相続税の評価は高くついたとしても急いで売ると二束三文になったりします。
暗号資産・仮想通貨と同じ注意も必要です。
厄介な資産不動産
不動産は最近、法律が厳しい方向に次々に改正されてきたので、別記事にまとめます。
独り身でも相続を考える
独り身だから相続の心配はないという人も、存命中に親の資産整理は大切ですし、自分の資産を最終的にどう使うかの検討が必要です。
自分の財産の寄付先・遺贈先として「使命に進む人の応援者になる」ことも大事な使命だと思います。