ゴールド現物が足りない?3つの不足

ゴールド現物が足りない
最近、ゴールドの現物不足を指摘する人が増えていますが、現物不足は、今に始まったことではありません。
そして「現物不足」には、少なくても全く異なる3つの事象があります。
①一般的な現物不足
相場は買う量と売る量は同じで、売りと買いがバランスしたところで価格が決定されます。
一般の株や通貨・為替などの売買はネットで売買が完結するのでバランスさせるのは簡単です。
しかし、ゴールド現物の場合は単純ではありません。
ゴールド人気から価格も出来高も上昇し、活発に売買されています。
通常、店で現物商品を売る場合、店頭に在庫を持つ必要があります。
買手が多いと店頭在庫が無くなることもあります。
たとえば、田中貴金属では海外から輸入したゴールドや顧客から買取りしたゴールドは溶解・検査を行って自社ブランドの地金に製造し直しているので、買い取ったものが、そのまま店頭で販売できるわけではありません。
買い取った量と売る量が全く同じでも現物は不足します。
売買が活発化すれほど、店頭在庫は不足します。
2001年以降ゴールドは長期上昇開始し、ゴールド現物が足りない状態はずっと続いています。
店頭在庫がなく店頭で買えないケースもあると思います。
店頭在庫がなくても、電話注文と代金振込で宅配もしてくれます。
日本では聞いたことがありませんが、海外では現物にプレミアムが付くケースもあります。
②準備金のゴールド
最近、「米国準備金のゴールド現物が実際にはないのでは?」ということで監査をすることになっていましたが、立ち消えになっています。
https://real-int.jp/articles/2775/
米国準備金のゴールドが実際にあるかは怪しいと思っています。
準備金はあると思わせるだけで効力があるからです。
特に、ゴールドと比重がほぼ同じタングステンを本物のゴールドで包んだ偽の金塊に変えられているという噂がありますが、その場合、破壊検査が必要なので監査は極めて困難です。

③ゴールド派生商品
ゴールド派生商品とは次のようなものがありゴールド現物価格に連動して動くように設計されています。
①ゴールドのCFD
②現物の裏付けのないゴールドのETF
そして、この派生商品は現物の100倍以上の量が取引きされていると言われています。
ゴールド現物の裏付けがないゴールドが圧倒的に多いということです。
金の総量は約20万トンで、これはオリンピック公式競技用プールの約3杯分しかないので、現物が限られている市場のためにゴールド派生商品が生まれたといえそうです。
ゴールドの裏付けのないCFDやETFは最終的には暴落する可能性があります。
次の記事を参考にしてください。
https://real-int.jp/articles/2208/
現物の裏付けのないゴールドCFDやETFは短期売買向けで、長期保有には不適切です。
CFDは月曜朝から土曜朝まで夜間も連続して動いていることが多いことからストップロスの有効性が高いので、短期取引には最適です。
ストップロスを入れておけば暴落時に自動的に逃げることが可能なので、相場の激変が多い黙示録の時代には重宝します。
ちなみに一時期、ゴールドの裏付けのあるETFは上昇せず、ゴールドの裏付けのないETFやCFDはゴールド現物価格に連動して上昇するという現象がありました。
この時、ゴールドの裏付けのあるETFの利益確定が多かったことが原因だと思いますので、そこは心配しなくて良いでしょう。
煽られない
ゴールド現物不足は昔からずっと継続していることで今に始まったことではないので、「ゴールド現物不足」という言葉に煽られないことは大切です。
田中貴金属の純金積立の引き出しが2025年12月16日より現物の引き出しができず現金のみになるという話から、現物不足がその理由ということを流布している人もいますが、これは純金積立を解約する場合に適用されるだけです。
純金積立を解約しなければ、ゴールド現物で引き出せます。
誤情報や思い込みに、ご注意ください。
現物を買う時の注意
ゴールド現物を買う時には売る時のことを考えることが大事です。
売る時には、きちんと買い取りしてくれる現物を買うことが大事です。
1979年頃、ゴールドが急騰した時に、田中貴金属は自社ブランドのゴールドバーを買取りしましたが、他の業者では自社のゴールドバーを買取してくれない業者もありました。
田中貴金属で購入することをお勧めする理由です。
また、現物を買う場合、人によって最適な現物は異なります。
①相続や税金を考えた場合小さいゴールドバーや金貨
②購入コストを下げる場合には、バーチャージ不要の500グラムバー
結論
常に現物不足であるのでゴールドを現物で買うのは良い事です。
但し、地震や津波などで避難する場合、10キロとか大量のゴールド現物を持って避難するのは大変です。
避難するケースも考えて、自分の資産状況に合わせて現物と現物の裏付けのあるゴールドETF1540に分散が良いでしょう。