世界に激震?ゴールドが無い?米国準備金

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米国のゴールド準備金が存在しない?
トランプ政権の政府効率化省(DOGE)の責任者であるイーロンマスクが、米国が金の延べ棒・金塊で保管している準備金が実際には無い疑いがあるとして監査をすることになりそうです。
ケンタッキー州フォートノックスにある米財務省の地金保管庫にはゴールド準備高の約半分にあたる4,580トンが保管されていますが、その調査をイーロンマスクが求めています。

フォートノックスの米財務省地金保管庫
すでに、米国ではUSAID(United States Agency for International Development)・米国際開発局を封鎖し、闇の暴露が続いていますが、今回、金融の一番の闇に手をつけようとしているのかもしれません。
昔から米国のゴールド準備金が無い、
タングステンの偽物にすり替えられている
などと憶測を呼んでいましたが、
陰謀論、都市伝説とされて50年間充分な監査もせず否定されてきました。
もし、本当にゴールドが無ければ、金融業界に大激震が走り、米国の信用は失墜し、ゴールド上昇、ドル下落となるでしょう。
保管されているはずのゴールドが無いという事は、16世紀から17世紀の銀行のスタート時点からあった事なので、あり得る話です。
銀行業務は詐欺からスタートした
実は銀行業務は詐欺から始まったようなものです。
銀行の主な業務は次の2つです。
① 預金業務
② 融資業務
16世紀から17世紀のロンドンで銀行業務が始まりました。
金細工職人ゴールド スミスが強固な金庫室でゴールドを保管し、保管料を得るビジネスを展開していました。
ゴールド スミスは商人たちからゴールドを預かり、預り証を発行します。
商人は決済で必要なときに預り証をゴールド・スミスのところに持って行き、ゴールドを金庫から出してもらっていました。
預り証があれば、いつでもゴールドが引き出し可能だったので、商人たちは預り証で取引をするようになりました。
ここでゴールド・スミスは、9割以上のゴールドが金庫室に眠ったままであることに気付きました。
1割以下しか引き出しに来ないのです。
そこでゴールド スミスは金庫に存在しない・保有していないゴールドの預かり証を発行して利子を取るビジネスになっていきます。
融資業務です。
ゴールドの保管量と無関係に、どんどん預り証・貸し出しが増加していきます。
これが最初の銀行業務、信用創造です。
現在、米ドル紙幣はゴールドに兌換できませんが(交換できませんが)、米国はゴールドを大量保有することで米ドルに暗黙の信頼を与えていました。
ゴールド スミスのように、最初はゴールドを保管していたものの、だんだんゴールドを持っていなくても大丈夫という考え方になっても、おかしくありません。
米国は大量の金塊を集めている
実はゴールドについては史上初の不思議なことが起きています。
現在、米国のゴールド先物市場で大量のゴールドが買われ、先物価格が急騰しています。
先物価格が現物価格(スポット価格)と乖離が発生するほど高騰し、しかも買主は、それを現受けしているのです。
現受けとは先物で買ったゴールド・金の延べ棒を現物で受け取っているということです。
通常の投資家は先物を買っても途中で売ってしまいます。
この買主が誰なのかは分かりません。
通常、先物の方が高いと
現物・スポットで買って先物で売る
という裁定取引が発生するので価格差は解消するのですが、先物が大量に買われ続けていることでその差が開いたままなのです。
しかもそれを現受けするということは大量のゴールドをわざわざ割高で買っているということです。
大量のゴールド現物を急いで手元に置くには、このように先物を大量買いして現受けするのが手っ取り早い方法です。
この結果、英国中央銀行であるイングランド銀行は各国政府や商業銀行などの金融機関のために保管している金の延べ棒を米国に大量に空輸しているという報道がありました。
また、ゴールドの精錬所も米国に納入する金塊を鋳造する注文で数カ月先まで予約が埋まっています。
この異常事態は、米国にあるはずの大量のゴールドが無いので、緊急調達しているのかもしれません。
この取引には問題があって、先物を買って現受けが増えすぎると現物が調達できなくなることで先物価格がさらに暴騰するということです。
これを理解するには2020年の原油WTIの先物価格が史上初のマイナス価格になった原因を知ると理解しやすいです。
史上初の原油先物のマイナス価格
2020年4月に原油WTIの先物価格が史上初のマイナス価格(マイナス40ドル)になったことがあります。
先物を買っている人は決済日までに先物を売って決済しなければ、原油の現物を受け取る必要があります。
原油を受け取るには貯蔵施設が必要なので現物を受け取りたくない投資家は決済日が迫るので売りを急ぎました。
一方、現物の原油を扱っている側も貯蔵施設を手当てできないことから安くても買手がなかなか現れず、結果価格はマイナスになってしまいました。
マイナス価格ということは先物の売り手は、誰かにお金を支払って引き取ってもらった形です。
史上初のゴールド先物価格乖離
今回のゴールドの話は原油のマイナス価格とは反対です。
先物の決済日に現物が引き渡せそうもないとなった場合、先物の売り手が買いに回り、先物がさらに上昇する可能性があります。
ゴールド先物価格は急騰して現物価格と乖離はすでに発生し続けている事例は史上初ですが、さらに先物価格が高騰する可能性があるということです。
日本のゴールドも無い?
米国のゴールド準備金が無いとなると、これは米国だけの話ではなく、日本のゴールド準備金約845トンも無いということになりそうです。
日本政府が保有しているゴールド準備金も米国に預けているからです。
備えておく
政府が持っているから信用していたのに、現物が無いとなった場合、信用が崩壊することになり、信用創造の基本が崩壊することになります。
イーロンマスクはパンドラの箱を開けようとしているのかも知れません。
激動の時代は過去の延長線上に未来がない時代です。
金融危機や想定外の事件が多発するので、備えておくことが大事です。
引き続き、ゴールドは押し目買いです。