FXでデイトレードを始めよう!おすすめの通貨ペア・時間帯・分析
今回はFXのデイトレードについて、メリットやおすすめの通貨ペア、時間帯、分析方法などを総合的に紹介していきます。これからFXのデイトレードを始めようと思っている方はぜひ参考にしてください。
★今回のポイント!
- まずはここから!デイトレードの特徴、メリットを徹底解説
- デイトレードに適した通貨ペア・時間帯とは?おすすめ通貨ペアやポイントを紹介
- デイトレードの強い味方!おすすめテクニカル分析3選
FXのデイトレードは1日数回のトレードでOK!
FXのデイトレードとは、1日でトレードを終えて、次の日までポジションを持ちこさないトレードスタイルです。トレード回数は1日に1~3回程度、ポジションの保有時間は数十分から数時間です。狙う利幅は相場の状況にもよりますが、数十ポイント程度になる場合が多いようです。デイトレードは一度に大きな利幅を狙うのではなく、毎日コツコツと利益を積み上げていくトレードスタイルです。
短期売買のトレードスタイルには、スキャルピングトレードと呼ばれるスタイルもあります。スキャルピングトレードは秒単位で一瞬の動きに乗ってトレードするので、常時チャートの監視が必要です。一方、デイトレードは同じ短期売買ですがスキャルピングトレードほど神経質に画面に張り付く必要はありません。
FXでデイトレードをするメリットとは?
デイトレードは、FXで一番人気があるといっても過言ではないトレードスタイルですが、その人気の秘密はなんでしょうか。ここからは、デイトレードのメリットについて詳しく解説していきます。
スキマ時間でトレードできる
デイトレードのメリットはスキマ時間でも取引ができる点です。ポジションの保有時間が短く、要所要所でチャートをチェックすればよいので、通勤中や帰宅後の数時間、家事の合間などにもトレードできるのが特徴です。最近ではスマートフォンからもトレードできるので、「移動時間の間にエントリーして利益確定まで完了させる」といったトレードができる場合もあります。
スキャルピングトレードと違い、一瞬の相場状況をとっさに判断する必要がないこともメリットです。一旦エントリーしたら利益確定や損切りの注文を出しておいて、後は他の事をしながら時折レートをチェックするといったスタイルも取れます。
相場の急変による影響が少ない
FXは24時間トレードできることが魅力ですが、その反面、24時間ずっと為替が変動しているリスクと背中あわせでもあります。そのため、FXトレードではポジションを持ち続けていると、その間は常に為替の変動リスクにさらされることになります。
その点、デイトレードであればその日のうちにポジションをクローズしてしまうので、為替の変動リスクを小さく抑えられます。自分が寝ている間に相場が急変したらどうしようといった心配がいらないのがメリットです。
また、狙う利幅も小さめですが、損切りの幅も小さくなります。一度のトレードで負うリスクが限定しやすいので、損失をコントロールしやすいトレードスタイルでもあります。
マイナススワップによる損失を防げる
FXトレードにはスワップポイントという概念があります。スワップポイントとは、各国のの金利差により発生する利益です。金利差がプラスであれば、為替差益に加えて毎日利益が発生しますが、マイナスであれば利益から金利差分のポイントが差し引かれてしまいます。
スワップポイントは基本的に1日ごとに計算されますが、デイトレードは日をまたぐことがないので、マイナススワップを気にする必要がないことがメリットです。
保有期間が長期になるトレードスタイルでは、常にスワップポイントを気にしてトレードしなければなりません。買い方向や売り方向のどちらか一方しかトレードしづらい場合もありますが、デイトレードなら売りでも買いでも気にせずトレードできます。
FXのデイトレードにおすすめの通貨ペア
FXでトレードできる通貨ペアは数多くありますが、中でもデイトレードに向いている通貨ペアがあります。ここでは、通貨ペアの選び方とおすすめの通貨ペアを紹介します。
通貨ペアの選び方
デイトレードでは狙う利幅が小さめです。そのため、スプレッドがあまりに大きな通貨ペアだと、利幅に対してコストであるスプレッドが大きくなりすぎるので取引にうまみがなくなってしまいます。デイトレードではスプレッドが小さい通貨ペアを選びましょう。
また、デイトレードは数分から数時間の単位の値動きを狙うトレードスタイルです。あまりに値動きが小さい通貨ペアでは思ったように利益が上げられません。価格の変動率のことをボラティリティと呼びますが、デイトレードではボラティリティがそこそこある通貨ペアを選ぶのがおすすめです。
また、流動性も重要なポイントです。あまりに流動性が少ない通貨ペアの場合、価格が全く動かないかと思うと、乱高下したりするので、デイトレードの場合は非常にトレードしにくくなります。
おすすめの通貨ペア
前項で紹介したデイトレードに適した通貨ペアの選び方に則って、実際のおすすめ通貨ペアの代表例を紹介していきます。ここで紹介する通貨ペアは一部となりますが、上記の選び方に従ってご自身でもデイトレードに適した通貨ペアをぜひ研究してみてください。
米ドル/円
最初におすすめするのは米ドル/円です。米ドル/円はなんといってもスプレッドが非常に狭く設定されているのが魅力です。国内業者の場合であればわずか0.2銭程度ですので、トレードのコストを最小限に抑えられる通貨ペアの一つです。
また、流通量が多く、米ドル/円の通貨ペアの取引量は世界で2番目に多く取引が行われています。安定して取引されているので、トリッキーな動きをすることも少なく初心者でもトレードしやすい通貨ペアです。
また、日本人にとっての自国通貨と世界で最もメジャーな米ドルとの組み合わせですので、多くの人にもなじみがあり取引しやすいことも特徴です。また、経済の動向やニュースも把握しやすいのもメリットの一つといえるでしょう。
ユーロ/円
特に日本人のデイトレーダーに人気なのが、このユーロ/円の通貨ペアです。その理由は複数あります。
まずユーロは単体では米ドルにつぐ取引量を誇る通貨です。ユーロも日本円も流動性が高いので、合成通貨であるユーロ/円も取引しやすい傾向にあります。
スプレッドも2020年現在、ユーロ/円のスプレッドは0.5銭前後で設定されていることが多いです。ドル/円の次に安く設定されている場合が多く、取引コストを安く抑えられるのもユーロ/円のメリットといえます。
ドル/円は安定しているのが魅力ですが、同時に安定しすぎて値動きが小さすぎると感じることも多いです。その点、ユーロ/円ならドル/円よりはボラティリティが高く、一度のトレードでより大きな利益を狙える傾向があります。
ポンド/円
最後に紹介するのがポンド/円です。
ポンド/円の一番の魅力はボラティリティが非常に高い点です。ドル/円に比べると変動率は2倍とも3倍ともいわれています。ボラティリティが高いため、一度に狙える利幅もより大きくなるのが魅力です。
ポンド/円はボラティリティが高いだけでなく、値動きが早く、一方向へ動きやすいので、短時間で大きな利益を狙える可能性もあります。
ポンドは国際金融の中心地であるロンドンがあるイギリスの通貨です。活発にトレードされる反面、ダマシが頻繁に起こったり、癖のある動きをしたりする通貨でもあります。また、値動きが激しく、思惑が外れた時は損失も大きくなりがちなので、この2点は注意しましょう。
FXのデイトレードにおすすめの時間帯
24時間取引できるのがFXトレードの特徴ですが、実は時間帯によって特徴や性質が違います。1日でポジションをクローズするデイトレードは、時間帯の違いを把握しておくと、より利益が上げやすくなります。
8時~11時半頃
東京を中心としたアジア市場がオープンし、アジアのトレーダーの取引が活発になる時間帯です。中でも、9時55分の仲値が決まるタイミングではドル/円の取引が活発になる傾向があります。
仲値とは、その日の銀行での両替レートや貿易などの決済のレートのことです。個人の旅行用の両替は微々たるものですが、企業の貿易取引のための為替取引額は膨大になります。銀行のディーラーが為替市場で大きな取引をすることがあるため、レートが動きやすくなるのが、仲値でレートが動きやすい理由です。
ほかにもこの時間帯の特徴として、中国やオーストラリアの経済指標発表がスケジューリングされることが多く、結果によっては関連通貨のレートが大きく動く場合もあります。
午後に入るとレートの動きは緩慢になり、次の時間帯まではボラティリティの低い相場が展開されやすくなります。
15時~19時頃
この時間帯はヨーロッパ市場が次々とオープンする時間帯です。特に、国際金融の中心地であるロンドン市場がオープンするのが大きなポイントです。
ロンドン市場は夏時間では日本時間の16時、冬時間では17時にオープンします。この時間帯の前後は非常に取引が活発になり、レートがよく動くようになります。ダマシも発生しやすいですが、トレンドも発生しやすいのが特徴です。
ロンドンオープン後の活発な動きも、現地のランチタイムとの兼ね合いで18~19時頃には一旦落ち着く傾向にあります。
また、日によってはこの時間帯にヨーロッパ各国の経済指標が発表されるケースもあります。ユーロ単体だけでなく、ドイツやイギリスの国別の指標発表も関連通貨に影響します。経済指標発表を契機にレートが大きく動くことがあるので、チャンスでもありますが、同時に注意も必要です。
21時~翌朝2時頃
次にポイントとなるのは、ニューヨーク市場がオープンするタイミングです。ニューヨーク市場は夏時間では日本時間の21時頃、冬時間では22時頃にオープンします。この時間帯はまだロンドン市場も開いているため、世界全体の相場の参加者が多い時間帯になります。価格が動きやすくなり、デイトレードをしやすい時間帯です。
また、アメリカの経済指標発表もスケジューリングされる時間帯ですので、指標発表がある場合はさらに活発にレートが動きます。
東京市場の仲値のタイミングのように、ロンドンフィックスと呼ばれるレートが決定するタイミングの深夜0時にもレートが動きやすくなる傾向があります。ロンドンフィックスも、あわせて注目したいポイントです。
ニューヨーク市場オープン後は、欧州市場がクローズする深夜2~3時頃までは活発な取引が行われる傾向にあります。
デイトレードで活用したいテクニカル指標
デイトレードでは長期的なファンダメンタルズ分析を使うよりも、基本的にはテクニカル分析を利用したトレードがメインになります。ここからは、デイトレードに活用したいテクニカル指標を紹介していきます。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは移動平均線の考え方をベースに、レートが収まる確率によって帯を描画するのが特徴です。シグマ(σ)という単位毎に帯は描画されますが、±2σ内に価格が収まる確率が95%、±3σ内に価格が収まる確率が99%とされています。
ボリンジャーバンドの幅が狭いときはその範囲に価格が収まりやすくなるので、ボラティリティが低いという判断が可能です。バンドの幅があまりに小さいと、エントリーしても価格が少ししか動かないので、トレードには不向きな相場といえます。
逆にバンドが大きく開いている時は、それだけ価格が動く範囲が大きいことを表します。さらに、ミドルラインと呼ばれる中央の線に角度があるときは、強いトレンドが発生しているサインです。トレードしやすい相場環境であることが判断できます。
ボリンジャーバンドはトレンド相場でもレンジ相場でも使いやすいテクニカル指標ですので、ぜひマスターしましょう。
MACD(マックディー)
MACDも移動平均線の考え方を応用したテクニカル指標の一つです。トレンド相場と相性が良いテクニカル指標です。
MACDはEMAという移動平均線がベースに用いられます。EMAは直近のレートをより重視した計算方法です。短期のEMAと中期のEMAの差の乖離はトレンドの発生や強さを示唆するので、その考え方をもとにした理論です。
難しそうに感じてしまうかもしれませんが、必要な線がチャート上に自動的に描画されるので安心してください。チャートにMACDを表示させると、MACDとシグナルと呼ばれる線が描画されます。場合によってはヒストグラムと呼ばれるラインも描画されることもあります。
売買のタイミングとしてはMACDがゼロより下のゾーンにあって、シグナルを下から上へ抜いたときが買いと判断できます。また、MACDがゼロより上のゾーンにあり、シグナルを上から下へ抜けたときが売りのサインです。
ストキャスティックス
MACDがトレンド相場と相性がいいテクニカル指標なのに対して、ストキャスティクスはレンジ相場と相性がよいテクニカル指標です。
考え方の基本になるのは、一定期間の最安値や最高値に対して今日のレートがどの辺にあるのかを表そうとしている点です。「売られすぎ」「買われすぎ」を判断する指標で、%K(パーセントK)と%D(パーセントD)の二つの数値を用います。
まず、%Dが80%以上の場合を買われすぎ、20%以下の場合を売られすぎのサインとして読み取ります。このようなサインが出た場合は、反転のタイミングが近づいていると判断できるでしょう。
また、%Dが80%以上のゾーンで、%Kが%Dを下に抜けると強い売りサインです。逆に、20%以下のゾーンで、%Kが%Dを上に抜けると強い買いサインと判断できます。このようなサインが、実際の売買タイミングに活かせます。
FXでデイトレードをする場合の注意点
デイトレードについて、さまざまな側面から紹介してきましたが、最後に、実際にデイトレードに取り組む前に知っておきたい注意点を紹介します。
損切りの注文を出しておく
トレードでは利益を上げるためのノウハウだけでなく、損切りをいかにうまくできるかが重要なポイントです。損切りを確実に行えなければ、せっかく利益をコツコツ積み上げても、一度の損失で利益を吹っ飛ばすことになります。
デイトレードでは手動で損切りを行う方法ももちろんありますが、確実に損切りを行うためには逆指値注文を利用するのがおすすめです。
逆指値注文とは、現在のレートから自分のポジションに不利な方向へレートが動いたときに損切りをするための注文方法です。例えば、レートが上がることを予想して買いで入ったけれど、レートがどんどん下げていった場合に発動します。
逆指値注文の良いところはチャートを監視していなくても、確実に損切りが執行できる点です。前もって「これ以上レートが不利に動いたら撤退しよう」というポイントを決めて、逆指値注文を出しておけば、チャートを常に監視するストレスからも解放されます。
相場が予想できない日はトレードしない
「デイトレードは毎日トレードするものだ」「トレードしていないと落ち着かない」のような思い込みがあれば注意が必要です。
デイトレードだからといって毎日絶対にトレードをしなければならないわけではありません。デイトレードに適していない相場状況の日も多くあります。そんな時はトレードを休むことも大切です。
また、重要な経済指標発表が予定されている時間帯の前後は相場の急変もありえます。利益が簡単に出るイメージがあるかもしれませんが、同時に大きな損失を出してしまう可能性もあることを忘れないようにしましょう。
トレードでは無駄なトレードをやめることも利益を上げるためのコツの一つです。「なんとなく大丈夫だろう」という軽い気持ちでトレードをして、コツコツ貯めてきた利益を全部失ったりしてしまわないように注意してください。
スプレッドが狭いFX会社を選ぶ
スプレッドは買値と売値の差ですが、この差が実際のトレードにおける取引手数料になります。デイトレードは1日数回トレードしますので、スプレッドは常にコストとして意識しておく必要があります。
スプレッドはFX会社が独自に設定するので、会社によってばらつきがあるのが特徴です。
スプレッドの差が小さいほど手数料が安くなりますので、なるべくスプレッドが狭いFX会社を選ぶほうがお得になります。
また、通貨ペアによっても異なります。トレードしようと思っている通貨をある程度想定した上で、会社ごとの違いを比べて選ぶようにしましょう。
FXのデイトレードはスキマ時間にトレードしたい人におすすめ!
デイトレードはFXのトレードスタイルの中でも最もメジャーなスタイルです。保有期間が数十分から数時間なので、忙しい人でもスキマ時間に取り組めるのが魅力です。スキャルピングトレードほどにはチャートの監視も集中力もいらないので、慣れれば片手間でもトレードできるでしょう。特に損切りに逆指値注文を利用すれば、エントリー後も安心です。
これからFXを始めたいと考える多くの人にも、デイトレードは取り組みやすいトレードスタイルといえるでしょう。