中東戦争を想定した投資行動が必要 米軍シリア撤退の意味
世界は英国のEU離脱とトランプ米大統領の登場により、行き過ぎたグローバリゼーションの反対の方向に急激に動いています。もともとシリアからの米軍撤退は、トランプ大統領の公約でした。米国は自国のシェールガスが活用できるようになったことから産油国となり、鎖国しても生きていける国になったので、膨大なコストを払って中東を治める必要がなくなってきているのです。
シリアからの米軍撤退は、戦争が遠ざかるのではなく戦争が起きやすくなる方向です。今の相場で戦争が起きると、初動は株価下落、金(ゴールド)上昇、中東での戦争の場合は原油上昇となる可能性が高いです。湾岸戦争の時、金の動きをじっくり見ていましたが金は下落しました。今は戦争になると金は上昇です。
現在、シリアからの米軍撤退により中東はロシアが支配する構造に急激に変化しており、米国を中心とする軍事同盟であるNATO加盟国のトルコも、ロシアから武器を買っていたりロシア寄りです。さらにイスラエルもロシア寄りになってきているので、中東の混乱は加速しています。世界の大きな動きはイスラエルの動向で判断できます。
沖縄からの撤兵だってあり得る
米国はアフガニスタンから撤兵を進めており、韓国からも撤兵しそうですし、それだけではなく日本の沖縄からも撤兵しハワイに移動する可能性も高そうです。となると、中国の動きが気になることになります。
米国の沖縄からの撤兵を想定外としていると、時代に取り残されてしまいます。想定外のことが起きるのは災害だけではないからです。過去、ここまで津波は来たことがないからと津波警報があっても逃げずに想定外の津波の被害に遭うことのないように、想定外に備えることが大切です。
激動の時代は想定外の災害だけではなく、政治・経済・投資などの全ての分野において想定外の事件が起きる可能性が高いという判断です。そして、何か事件が起きた時に損失が出るポジションを持たないか、反対に、そのような時に利益が出るポジションを持っていることは大切です。
投資で大切なことは時代の大きな流れに乗ることです。時代の大きな流れを掴むことと、いざという時にポジションを持つ準備が大切だということです。激動の時代は、知恵を使い準備していた人に富が移動する時代だからです。