FXでは勝率にこだわらないほうがいい?冷静な取引で着実にプラスへ
実はこれは大きな勘違いなのです。FXでは勝率も大切ですが、勝率とセットで考える必要がある要素がいくつかあります。勝率だけに注目していては、なかなか稼げるようになりません。
この記事では、FXの勝率に関係するこれらの要素と勝つための戦略についてご紹介していきます。
★今回のポイント!
- 勝率と損益率のバランスを考えよう!
- FXで負けパターンを歩んでしまう人の特徴
- FXで勝つために知っておきたい戦略
FXの勝ち組は1割くらい?9割の人は損をしているのか
FXの勝ち組は全体の1割にも満たないといわれます。FXで苦戦している人からすると「勝ち組の人はさぞやトレードで連戦連勝しているに違いない」というイメージを思い描いている人も多いかもしれません。
しかし、実際は違います。トレードの勝率が2割や3割でも勝ち組の人もいますし、トレードの勝率が8割でも負け組になる人もいます。つまり、トレードの勝率と勝ち組になれるかどうかは、それだけでは相関性がないのです。
FXトレードでは勝率よりもトータルで利益がプラスになることが重要です。勝率が良くてもたった一回のトレードで積み上げた利益を上回る大きな損失を出すようなトレードをしていると、勝ち組に入ることはできません。勝率が気になる気持ちもわかりますが、他の要素にも目を向ける必要があります。
FXの勝率にはこだわらないほうがいい理由
FXで利益を出すことと勝率が高いかどうかはあまり関係がないのは、ここまででなんとなくお分かりいただけたかもしれません。ここからはさらに掘り下げて、なぜあまり勝率にこだわらなくてもよいのか、そして勝率以外に大切にすべき要素について詳しく見ていきましょう。
勝率と損益率のバランスが大事
どんなに優秀なトレーダーでも100%勝つことはできません。そもそも相場には「必ずこのように動く」という確固たる法則はありません。確率論的にこのような状況ではこのように動きやすいという見方ができるだけです。
さらに、それに沿ったトレードをしたとしても、いろいろな要因や状況によって相場はその都度変動します。そのため、相場では100%の勝率を出すことはそもそも不可能なのです。ですから勝率だけを追い求めても、限界があります。
それでは、FXで利益を出すためには何が大切なのかというと、勝率と損益率のバランスを考えることです。損益率とは、リスクリワードレシオとも呼ばれ、勝ちトレード額と負けトレードの額のそれぞれの平均が何対何になるかを表すものです。
勝率が高くても利益がマイナスになる可能性がある
損益率は「平均利益額÷平均損失額=損益率」という式で計算できます。実際にトレードをしている人は計算してみてください。利益と損益がいつも同じくらいの額なら損益率は1になるはずです。損失額のほうが利益額よりも大きくなりがちな場合は、1を切る数字になるでしょう。
いくら勝率が高くてもこの数字が小さくなるほど、利益を手元に残すことが厳しくなってしまいます。例えば、勝率が80%あっても損益率が0.2しかない場合を見てみましょう。
例)勝率80%、平均利益10pips、平均損失-50pipsで10回トレードした場合
総利益:勝ち8回×10pips=80pips
総損失:負け2回×-50pips=-100pips
合計損益:-20pips
このように勝率は8割ですが、実際には利益はマイナスになってしまいます。
トータルでプラスになればいい
上記とは逆に、勝率2割でも損益率が5のケースを見てみましょう。
例)勝率20%、平均利益50pips、平均損失-10pipsで10回トレードした場合
総利益:勝ち2回×50pips=100pips
総損失:負け8回×-10pips=-80pips
合計損益:+20pips
このように、回数的には負けが多くても利益を出すことは可能です。重要なのは勝率と損益率の両方をセットで見て、トータルで利益を出すことです。トレードでは勝てば気分はいいですし、逆に負けると嫌な気分になるので、どうしても勝率ばかりを気にしてしまいます。しかし、勝率にだけ注目しても利益を残せなければ意味がない、ということがお分かりいただけたでしょう。
FXで負けパターンを歩んでしまう人の特徴とは
FXトレードでは、いかに確率論的なトレードができるかが大切です。トレードで負けパターンを歩んでしまう人はこの確率論的なトレードをする土台ができていない場合が多々あります。ここからはFXで負けパターンを歩んでしまいがちな人の特徴をあげてみましょう。
そもそも勉強不足の人
勝率や損益率のバランスを取ろうというのも、同じ手法で安定したトレードを繰り返していることが前提になります。毎回適当なエントリー、毎回適当な損切りや利益確定を繰り返していては、損益や利益の平均値を出してみてもブレがある結果しか出てきません。その数字をもとにいくら計算しても、トレードの指標とするには信頼性に欠けてしまいます。
このような当てずっぽうなトレードをしてしまう人は、そもそもトレードに対して基本的に勉強不足だという特徴があります。まずは、手法や分析手法を学んだうえでルールを作り、安定したトレードを繰り返すことが必要と言えるでしょう。
徹底した資金管理ができない人
確率論的なトレードをするには回数を重ねることが前提です。いくら勝率と損益率のバランスが良くても、負けだけが連続して起こるケースもあるので、最初の数回で再起不能な損失を出してしまうようなトレードをしては意味がありません。
数回で資金の大部分を吹き飛ばしてしまうようなトレードをしてしまう原因は、資金管理がおろそかになっているからです。資金に対して大きすぎるロットでエントリーしてしまっている、つまりレバレッジをかけすぎているケースがほとんどです。
レバレッジをかけるとリターンも高いですが、リスクも高くなります。資金管理はリスク管理でもあります。資金管理から逆算して、徹底したレバレッジコントロールを行いましょう。
トレードに熱くなりやすい人
上でも少し述べましたが、トレードでは勝つと気分がいいですし、負けると気分が悪くなる人がほとんどではないでしょうか。しかし、確率論的なトレードをするには、この感情が非常に邪魔になります。前の勝ちや負けを引きずって、「もっと大きく稼げるのでは?」と思ったり「損失を取り戻したい」と思ったりすると、トレードにブレが生じてしまうでしょう。
このようにトレードに熱くなりやすい人も、どうしても負けパターンを歩みがちになってしまいます。勝ちも負けも同じ感情で受け止め、冷静に淡々と同じトレードを繰り返して、はじめてFXで利益を出すための確率論的なトレードができるようになるのです。
FXで勝つために!トレードを始める前に戦略を立てよう
確率論的なトレードに必要なのは、きちんと戦略をたてることです。トレード手法だけでなくトレードに向き合う全般的なルールや方針を踏まえた戦略を立てておくことは安定したトレードの助けになります。ここからは、戦略を立てるためのヒントやコツを紹介していきます。
エントリー条件や利益確定、損切りのルールを決める
まずは、トレード手法を決めましょう。トレード手法には様々なものがありますが、どんな手法でもいいので、エントリー条件や利益確定、損切りのルールを明確に決めておくことが大切です。
これにあわせて資金管理のルールも決めておきます。例えば、1回のトレードで出してもいい損失額を総資金の2%と決めてしまうなど、明確にルール化しましょう。そうすれば資金管理のルールをもとに、自分のトレードルールの損切り額や損切り条件から適切なレバレッジ管理が前もってできるようになります。
このようにトレードそのもののルールを事前に決めておけば、ブレのないトレードが実践できます。
優位な状況を見極めてエントリーする
「トレードルールや資金管理ルールも決めたので、どんどんトレードしよう!」と思った人は少し待ってください。自分のトレードルールはどんな状況でも通用すると思っていませんか。
例えば、トレンド相場に強い手法を使っている、レンジ相場に強い手法を使っているなど、トレードルールには特徴があるはずです。自分のトレードルールが優位に働く状況を見極めて、トレードするようにしましょう。
まずは、目の前の状況が自分のルールにとって優位かどうか、わかりやすい場面でだけトレードすることが大切です。判断できない場合に迷いながらトレードをしてもブレのあるトレードになり、結果的に勝率や損益率を下げてしまいます。
相場が荒れているときは休む
経済指標発表や要人発言があったときなどはチャートの動きはいつも以上に予測できません。そんな時は上がったり、下がったりの値動きが激しく、スピードも速いことが多いです。
このように相場が荒れている場面では、自分のトレードルールは基本的には通用しにくいものと潔くトレードを休むことも大切です。無理にエントリーして利益が出ることもあるかもしれませんが、そんなトレードは繰り返すことはできませんので、いつか損失を出してしまいます。
突発的な要人発言や政情不安、ニュースなどは仕方のない面もありますが、経済指標発表などは事前にスケジュールがわかっているため、自分のトレードスケジュールにきちんと組み込んでおきましょう。
トレードの記録を付けて分析する
最後に、確率論的なトレードをするのに非常に役立つツールをご紹介します。それがトレード日誌です。トレード日誌には、トレードの日付から内容、結果、感想など一回一回のトレードの記録をつけていきます。
トレード日誌をつける効果はたくさんあります。まず、データとして記録することで現在の自分の損益率や勝率が感覚ではなく数値として集計できます。それをもとに今のトレードが想定の範囲内なのか、ブレがないかをチェックできます。
その他にも、客観的に自分自身を見つめられるというメリットもあります。例えば、こういう時に感情的になりやすい、こういう時に失敗してしまう、などの気づきがあったり、改善点が見えてきたりするようになります。
FXでは勝率よりもトータルでプラスになることを考えよう!
トレードを始めると何かと勝ち負けにこだわってしまい、自分の勝率が気になるものです。しかし、勝率だけを追い求めていると、FXで利益を出すために必要な他の要素に気づくことはできません。
トータルでプラスになるためには、勝率だけに注目するのではなく、損益率やそれを下支えするブレのないトレードにも目を向けることが必要です。それらが全てそろえば、たとえ勝率が高くなくても、しっかりと利益が残せるトレードができるようになるでしょう。