FXのスワップポイントで稼ぐには?皆がハマる仕組みを知っておく
スワップポイントで稼ぐ方法、仕組みなどを解説します。リアルインテリジェンスでは現在の世界の金利情勢から、スワップポイントで利益にすることを推奨していませんし、新興国通貨の取引も推奨しませんが、皆が得ている情報を知っておくためにダメ記事として掲載します。
今回のポイント!
- FX取引では為替差益以外にスワップポイントで稼げる
- スワップポイントで稼ぐには金利差が大きい通貨ペアを選ぶことが重要
- スワップポイントを得ても損失になることがある。為替差益やスプレッド、通貨の特徴を知っておこう
FXで稼ぐ2つの方法とは?為替差益とスワップポイントの特徴
FXでは為替差益を利用して利益を得る方法が一般的です。しかし、スワップポイントで稼ぐ方法もあります。まずは、それぞれの方法の特徴や違いを紹介します。
為替変動を利用して為替差益を得る
商売の鉄則は「安く仕入れて高く売る」です。FXでも為替レートが1ドル100円のときにドルを買い、1ドル110円になったときにドルを売れば、10円の為替差益を得られます。FXではドルを買うだけでなく売ることもできます。1ドル110円でドルを売り、1ドル100円でドルを買い戻せば、同じように10円の利益があげられるのです。
このように、ドルの価値が上がると思えば買い、下がると思ったら売れば為替差益を得られます。もちろん、予想と逆の動きをした場合は為替差損になってしまいますが…。ただ、現物株のように買いしかできないのと違い、上昇相場でも下落相場でもチャンスがあるのは、FXの大きな魅力です。
2つの通貨の金利差でスワップポイントを得る
スワップポイントとは通貨ペアの金利差のことです。正式には通貨間の「金利差調整分」などと言います。基本的には、金利の低い通貨を売り、金利の高い通貨を買えば、2通貨で生じる金利差をスワップポイントとして受け取れます。
具体例で考えてみましょう。円は現在、日銀の超低金利政策によって-0.10%ほどです。一方、トルコリラは2020年4月時点で8.75%でした。日本の金利は世界最低水準なので、円を売って外貨を買い持ちしていれば、ほとんどの場合スワップポイントをもらって稼げるのです。
仮にある時点で、トルコリラ/円の通貨ペアを選び、金利-0.10%の円を売って金利8.75%のトルコリラを買ったとします。すると「8.75-(-0.01)=8.85%」の金利が受け取れることになります。
逆の場合はスワップポイントを支払わなければいけません。先の円とトルコリラの例では、円を買い持ちすると金利差をスワップポイントとして支払うことになります。
ここで大事なことは、現在、トルコリラなどの高金利の新興国通貨は、金利以上に下落することが多いので、スワップで利益になっても為替差損の方が大きくなるということです。
スワップポイントで稼ぐには?利益を得るためのポイント
トルコリラのスワップポイントをみて「8.85%も金利が付くなんてすごい!」と思った人もいるでしょう。実際、日本で預貯金をする場合と比較したら、かなりお得であることは間違いありません。スワップポイントで稼ぐためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。詳しく解説します。
金利の高い通貨へ投資する
多くのスワップポイントを受け取りたいなら、できるだけ金利差が大きい通貨ペアを選ぶことが重要です。例えば、オーストラリアドル/円、ニュージーランドドル/円は魅力的な通貨ペアの候補です。
実際、これらの通貨ペアは過去長期に渡ってスワップポイントで利益が出た実績があり、スワップポイント狙いの個人投資家から人気があります。後ほど、おすすめの通貨ペアを紹介するので、ここでは「金利差が大きい通貨ペアが狙い目」と覚えておきましょう。
各FX会社のスワップポイントを比較して取引する
受け取れるスワップポイントは、利用するFX会社によって違います。理論上の金利差からFX会社の利益分を差し引くからです。
通常、スワップポイントで稼ぐ場合、中・長期投資になるのが一般的です。そのため、「一日当たり数円~数十円の違いしかないから、どのFX会社でもいいや」などと適当に決めてしまわないようにしましょう。
金利差が大きい通貨ペアで投資した場合、10万通貨ほどの投資でも、年間数万円程度の違いが出ることもめずらしくありません。FX会社のスワップポイントを比較して、できるだけ高いスワップポイントが受け取れる会社で取引することも稼ぐポイントです。
証券会社は「1万単位で1日いくら」のようにスワップポイントを出しているので、計算は簡単です。例えば、トルコリラ/円のスワップポイントが1万通貨あたり80円/日なら、10万通貨投資すれば1カ月(30日)で「80円×30日×10=2万4000円」のスワップポイントを受け取れます。
同様に1年(365日)なら29万2,000円です。1トルコリラ/円=25円とすると必要な資金は25万円ですが、レバレッジ5倍を利かせると5万円の必要証拠金で済みます。この資金でこれだけのリターンを得られれば、大満足の人も多いのではないでしょうか。
FX会社によって強みのある通貨が違うことも知っておきましょう。例えば、トルコリラのスワップポイントを高くして顧客を集めようとするFX会社もあります。少し手間はかかりますが、通貨ごとにスワップポイントが高い会社を選ぶのが得策です。
逆に考えると、スワップポイント支払いの費用を抑えたい場合、スワップポイントが安いFX会社を選ぶほど有利です。
スワップポイントを受け取れるタイミングは翌朝が多い
スワップポイントは、基本的に1日単位で受け取れます。ポジションを所有したままニューヨーク市場終了(冬時間6:55、夏時間5:55)をまたぐと、スワップポイントが発生するのが一般的です。受け取れる時間は、通常、次の取引日オープン(冬時間7:10、夏時間6:10)ですが、これもFX会社によって違います。気になる場合はFX会社に確認しておきましょう。
市場が閉まっている土日のスワップポイントは、金曜日の取引の区切りで3日分を付与する会社が一般的です。スワップポイントを受け取れればいいのですが、逆に思わぬ支払い額になってしまうこともあるかもしれません。
祝祭日にも注意が必要です。例えば、円が絡んだ通貨ペアは、年末年始やゴールデンウイーク前は、まとめてスワップポイントが発生します。これは他国の通貨でも同じです。日本のカレンダーだけでなく、ペア通貨の国のカレンダーもチェックしておきましょう。
なお、祝祭日に関係なく、1日単位でスワップポイントを付与しているところもあります。また、FX会社によっては、10日単位など一定の期間を付与することもあるので確認が必要です。
長期間保有してスワップポイントをコツコツ貯める
スワップポイントは毎日受け取れるため、長期間保有してコツコツ貯めることもできます。為替差益と比較するとリターンは大きくありませんが、毎日頻繁に取引をするよりも、あまり手間をかけずに稼ぎたい人におすすめといえます。
ただし、スワップポイントで利益が出ていても、為替変動によってマイナスになることもあるので注意が必要です。
スワップポイント狙いでFX取引をする場合の注意点
スワップポイントは、保有しているだけで受け取れるメリットがありますが、逆に損をしてしまうこともあります。ここでは、スワップポイントで稼ぐときの注意点を解説します。
スワップポイントがマイナスになることもある
スワップポイントは通貨ペアの金利差で決まります。金利は日々変動しているため、金利差が大幅に開いていない限り、毎日スワップポイントを受けとることは困難です。買った時点でプラスでも、返済時にマイナスになることもあります。
また、長期運用では、金利差がマイナスの状態がずっと続くと、スワップポイントの支払いが積み重なってしまいます。そのため、長期投資ではスワップポイントの変動が激しい通貨を避けたほうがが無難です。過去のスワップポイントをチェックして、変動が少ない通貨ペアを選びましょう。
マイナーな通貨は為替変動のリスクが高い
スワップポイントは受け取れたものの、為替変動によって損失が出ることもあります。新興国の通貨は金利が高い傾向がありますが、為替変動リスクが高いことに注意が必要です。政情不安や財政破綻などにより、為替が急落するリスクが高いといえます。
また、マイナーな通貨はもともと取引量が少ないので、一時的に売りが殺到するだけで、急落してしまいやすいのです。スワップポイントで得られる利益はそれほど多くないため、為替変動によって利益が「コツコツ・ドカン」で飛ばないように、通貨ペアは慎重に選びましょう。
スワップポイントだけでなくスプレッドにも着目する
スプレッドとは売値と買値の価格差のことです。例えば、ドル円の発注画面で「BIT 105.210/ ASK 105.213」と表示されていれば「105.213-105.210=0.003」となり、スプレッドは0.3銭 (0.3pips)です。FX取引では基本的に売買手数料がかかりませんが、このスプレッドとスワップポイントによって事実上の手数料が徴収されています。
そのため、スワップポイントが高いFX会社は、スプレッドが広い傾向があります。理由はスワップポイントが高いと長期投資の顧客が集まりやすいからです。売買が活発でない顧客から取れる手数料は少ないので、そのぶんスプレッドを広くして利益をあげようとする傾向があります。
もっとも長期投資ではスプレッドはあまり大きな問題にならないでしょう。しかし、頻繁に取引する場合にはスワップポイントで利益が得られても、スプレッドの差で損失となる可能性もあります。
スワップポイントで稼ぐには?「サヤ取り」と「ドルコスト平均法」
スワップポイントで稼ぐ方法には、「サヤ取り」と「ドルコスト平均法」の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴やメリット、注意点を解説します。
サヤ取りで稼ぐ方法
サヤ取りとは、スワップポイントが高いFX会社で売り、同時にスワップポイントが低いFX会社で買うことで利益を上げる方法です。「アービトラージ」「スプレッド取引」とも呼ばれます。
たとえば、A社の買いスワップが80円、B社の売りスワップが40円のときに、同時に買いと売りのポジションを建てれば40円の利益になります。つまり、同じ通貨ペアを違う会社で売買することで、会社間のスワップ差で利益を得る方法です。
サヤ取りのメリット
サヤ取りは、理論的には勝率100%の投資法です。というのも、同量の買いと売りのポジションを同時に取るので、為替変動によるリスクがなく、スワップポイントの差の利益を受け取れるからです。
為替変動を気にすることなく安定した利益が見込めるというわけです。けれども、あくまでこれは首尾よく取引が成立したらの話です。次に注意点を紹介します。
サヤ取りの注意点
サヤ取りをする場合には、FX会社同士のスワップポイントの差を利用します。しかし、この差は小さいことが多いので、超が付くほどローリスクローリターンです。スワップポイントは変動しているので、売買のタイミングによっては利益が得られません。
また、FX会社は違いますが、事実上 両建てするために資金量が2倍必要になります。サヤ取りが富裕層の投資方法などと言われるのはこのためです。
ドルコスト平均法で稼ぐ方
ドルコスト平均法とは、通貨が高いときは少なめに買い、通貨が安くなったら多めに買う方法です。ドルコスト平均法を使うことで、通貨の購入価格を平均化することが可能です。
ただし、何を持って安い・高いと判断するかは難しいうえ、どれぐらいの量を購入するかにも裁量の余地があります。そのため、事前に投資総額を決めておき、一定間隔おきに一定の通貨量を機械的に買うドルコスト平均法を実践する人もいます。
ドルコスト平均法のメリット
ドルコスト平均法は通貨価格の変動を平均化できるので、価格変動によるリスクを抑えられます。仮に、ある通貨を上昇トレンドと判断し「押し目買いで再上昇を狙い、なおかつスワップポイントも受け取ろう」などと考えたとします。しかし、今が押し目底という保証はありません。
そこで、ドルコスト平均法の出番です。仮に下落を続けたとしてもドルコスト平均法で分割購入すれば、その後、思惑通り上昇トレンドに復帰したところで、スワップポイントと為替差益を両方受けられます。
ドルコスト平均法の注意点
ドルコスト平均法の仕組みを聞くと、「ナンピンと何が違うのか」と思った人もいるでしょう。先ほどの押し目買いの例では、そのまま価格が下がり続けてしまったときに決済してしまえば損失になってしまいます。
「思惑が外れたから買い下がって購入価格を下げよう」とするナンピンとドルコスト平均法が違う点は、長期計画に沿って行動しているかどうかです。したがって、自分のシナリオが崩れない限り、価格変動に一喜一憂せずにドルコスト平均法を続けることが重要です。
短期的に大きなリターンを得にくいのもデメリットです。平均化してリスクを低くできる反面リターンが少なくなるのは仕方がありません。長期的な投資と考える必要があります。また、定期的に資金を積み立てていく方法なので、まとまった資金を投資に回したい人には向いていません。
スワップポイント稼ぐのにおすすめの通貨
スワップポイント狙いで稼ぐなら、日本円との金利差が大きい通貨が人気です。ここでは、スワップポイントで稼ぐのにおすすめの通貨を紹介します。当然ですが、金利の変動や為替リスクがあります。投資は自己責任という前提で取り組みましょう。
トルコリラ
トルコリラは金利が高いことから、スワップポイントで稼ぎたい人に人気の通貨です。2020年3月時点での政策金利は9.75%となっています。
日本のFX会社でもトルコリラ(TRY)を扱えることから、長期投資している人も多くいます。しかも、歴史的な安値圏で推移しており、スワップポイントに加えて為替差益による利益も狙えます。ただし、政情不安や原油問題、対米関係の悪化などによる価格変動には注意です。
メキシコペソ
メキシコペソの政策金利は、2020年3月時点で6.5%となっています。トルコリラには劣りますが、十分高い金利です。また、メキシコペソは金利が高い他の通貨に比べて格付けが高いため、比較的安定した運用が期待できます。
懸念材料は長期間続いたレンジを新型コロナウイルス問題で大きく下抜けしたことです。値動きが荒くなりやすくスプレッドが広がることが予想されるので、不利な価格で買ってしまわないように注意しましょう。
南アフリカランド
2020年3月時点での政策金利が5.25%の南アフリカランドも、高金利で人気です。南アフリカはアフリカ経済をけん引する国になるともいわれています。成長著しいインドと友好国であることから、将来性を見越して長期投資する投資家も多いです。
ただし、トルコリラやメキシコペソに比べて為替変動が激しい傾向があります。スワップポイントだけ狙う場合に扱いづらい通貨といえるでしょう。
一方で、長期的には魅力的な通貨であることも事実です。購入タイミングについて投資経験豊富な人や投資顧問などからアドバイスをもらえる場合、投資初心者でも投資対象に入れたい通貨といえます。
スワップポイントで稼いだときにかかる税金
原則として、FX取引で稼いだ利益には申告分離課税がかかります。スワップポイントも例外ではありません。税率は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)で、課税されるタイミングは、ポジションを決済・出金したときです。
「毎日スワップポイントが発生しているから、未決済でも税金がかかるのでは?」と思った人もいるのでしょう。結論から言うと、未決済のポジションに課税されるかどうかはFX会社によって違います。
基本的に、口座残高にスワップポイントが反映されているFX会社は、納税しなければなりません。一方、スワップポイントが決済の際にまとめて反映される場合は返済・出金した時点で納税対象になります。
不明な点がある場合は、FX会社や税務署に問い合わせておきましょう。
FXではスワップポイントで稼ぐのも一つの方法
スワップポイントは、毎日着実に利益を得られる楽しみがあります。長期投資でコツコツお金を稼ぎたいという人におすすめの投資法です。
但し、今の金利環境だと、絶対手を出してはいけないトルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドなどの新興国通貨を買うことになるので、スワップポイントを稼ごうとするのはとても危険です。
皆がどのような情報を得て取引しているかを知るためのダメ記事として掲載しました。
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