利益を得るために必要なもの
アマチュアトレーダーに必要なこと
個人投資家でありながら、FX関連の書籍を多数出版している田向宏行が、10年以上前に自分がトレーディングを始めた頃に読んだら、参考になるだろうなというコラムをお届けしていきます。
ガチホ(ガチでホールド)
投資で理想的なのは、一度買ったらずっと値が上がり続けるものです。こうした投資先があれば、取引タイミングも、出口も、リスク管理もいりません。
できれば、今日100万で買ったら明日には1億、1週間後には10億になるように急激に値上がり続ける投資があれば、最高ですが、そんなものはありません。
そこで、いつ上がるかわからないけど、気が向いたときに買ってずっと持ち続ければいれば、いつかは上がるだろう、という考えが出てきます。いわゆるガチホ(ガチでホールド)です。
こちらの方が上記より少しは現実的でしょうし、実際にガチホする人もいます。1度買っただけで、現金化しようと思ったときに売れば利益になっている、なんと素晴らしいことでしょう。
しかし、現実にはこんな投資先はほぼありません。もしあるならヘッジファンドも、年金基金も、機関投資家も、みんなそれに投資すればいいことになります。
現実の市場はそうではないから、優秀なトレーダーを雇いますし、成績の悪いトレーダーは容赦なくクビにします。お金を儲けられる優秀なトレーダーに億単位の報酬を払うのは、その何十倍もの利益を会社に提供してくれるからにほかなりません。
ガチホで簡単に儲かるなら、こうしたコストを払う必要はなくなります。なぜガチホできないかというと、それは結局、期間の長いギャンブルになるからです。つまり、長期投資して儲かるか損するかは運しだいということです。
リスクマネジメント
原点に戻って、そもそも、投資とは何でしょうか?
投資はリスクマネジメント、リスク管理です。リスクがあるけど、それを上手に管理して利益を導きます。この点から長期投資ではどのようなリスク管理があるのでしょうか?
リスクのない投資はないので、リスク管理がどのようにされているか明確でない投資は、失敗するか、騙されている可能性が強まります。またリスクが見えないということは、隠れたリスクがあるということで、この方が危険です。
つまり、長期投資と言われるものは、結果が出るまで時間がかかるだけです。これは売り手にとってはとてもありがたいもので、長期間にわたり手数料収入は入ってきます。
一方、買い手にとっては結果が出るまで長期間待つ気でいる、一点買いです。遠い未来の利益を夢見て目先の手数料を払い続けるだけにならないように、原点に戻ってリスクを考えることが大切だと思います。
リスク許容度
日本はリスクを許容しにくく、失敗を許さない傾向がありそうです。失敗を許さないので、起業する人は少なくなりますし、投資する人も少ないでしょう。失敗したら、二度とやり直せないと考えるからです。学校時代に唯一の正解を求められてきたことも関係しているのかもしれません。
一方、リスク許容度が高いと、とにかく試してみる、失敗したらやり直せばいい、という考え方になるでしょう。事業家は、とにかくやってみて改善していけばいい、と考えますが、官僚的な人は失敗を許さないので、できる限り最善のものを、と考えます。
ただし、これは単にリスク許容度が高ければいい、と言うことでもありません。リスク許容度が高くても、リスクを取るための判断基準がないと、ただの場当たりです。トレードでもよくありがちなことです。
トレードで利益を得るには、リスク許容度があり、そのリスクを許容する根拠となるデータや判断基準が必要なのです。この根拠やデータを、再現性という場合もありますし、期待値という言い方をする場合もあるでしょう。長年の経験がデータとなっている場合もあります。
いずれにせよ、根拠のない判断は、結果が良くても悪くても場当たりに過ぎないので、経験値が蓄積されるための時間が必要になります。経験をデータにするには長い時間が必要なのです。
ただ、個人投資家の場合、経験値を積む前に資金が底を尽きるでしょう。だから個人投資家は再現性のある、明確な判断基準を持つことが大事だと思います。
明確な判断基準を持ち、リスク許容度が高くなると、投資は成功につながりやすくなってきます。
メルマガ&掲示板「イーグルフライ」に掲載の記事より抜粋しています。
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