初心者はFXのデイトレードで稼ごう!おすすめのチャート分析を紹介
ほぼ24時間トレードが可能なFXでは、ビジネスパーソンのプライベートな時間でも取り組めます。また、取引回数が多いことから短期間でトレードスキルを高められることもメリットです。
今回は、FXのデイトレードとはどのようなトレードスタイルなのか、デイトレードのコツ、おすすめのチャート分析方法などを紹介します。
★今回のポイント!
- デイトレードは1日で取引を完結するトレード
- デイトレードのメリットは「ビジネスパーソンでも実践可能」「リスク管理しやすい」「マイナススワップを気にしなくてよい」など
- デイトレードで利益を出すには、スプレッドと動きやすい時間帯、チャート分析が大事
FXのデイトレードとは?4つのトレードスタイルを比較
FXでは、主にスキャルピング・デイトレード・スイングトレード・長期トレードの4つがあります。そのなかでデイトレードはどのような特徴があり、他のトレードとどう違うのか紹介します。
FXのデイトレードとは?
デイトレードとは、1日で売買を完了させるトレードスタイルです。1日のうちにエントリーと決済を行い、翌日にポジションを持ち込まないのが特徴です。このスタイルでは、利益も損失も1日の値幅に収まります。
もともとは、株取引など市場が閉じている時間が長い場合において、リスクを軽減したい目的で用います。FXではほぼ切れ目なくマーケットが開いているので、平日はあまり関係ありません。しかし、土日や年末年始などは休場なので、デイトレードでは取引終了前にポジションを解消します。
もう一つの理由は、取引回数を増やすことによって、少額の資金でも口座資金を短期間で増やすためです。いわゆる回転を効かせるのに向いています。1日1~3回程度の取引回数は、トレード技術を短期間で学ぶうえでもちょうどよいのではないでしょうか。
4つのトレードスタイルの違い
トレードスタイルは主に以下の表の4つがあります。
スキャルピングは取引時間が短く、1日で何度も取引をするスタイルです。パソコンの前に座って集中してトレードできる人に向いています。
デイトレードは比較的ゆったりとトレードできるため、初心者向きのスタイルです。仕事が終わった後にパソコンに座って集中してトレードしたり、FX会社の注文機能を活用すればスマホでたまにチャート監視しながら取引したりできます。
スイングトレードは1日に1回程度チャートを見られればトレード可能です。スイングトレードでは、スワップポイントと為替差益の両方が狙えます。
長期トレードとなると2~3日に1回か、週1回程度の間隔でチャート分析をしてエントリーや決済を判断するトレードです。FXの長期トレードでは、スワップポイント狙いのトレーダーが多いといえます。
デイトレードが初心者向けといわれる理由
デイトレードは初心者でも実践しやすいトレードスタイルといわれています。ここでは、その理由を解説します。
忙しい人でも実践できる
デイトレードは、スキャルピングほど頻繁に売買しないためスキマ時間でも実践できます。デイトレードのなかでも比較的ゆったりしたスタイルでは、あらかじめ目安を付けていたレート(支持帯・抵抗帯)になるのを5~10時間ぐらい待ってエントリーをするのが一般的です。
このようなスタイルであれば、1日数回チャートを確認する程度でも、エントリータイミングが近いかどうかがわかります。もちろん、エントリータイミングが近づいたときには、もっと細かく見る必要はあるでしょう。一般的には、5分足や15分足を見ながら、自分で決めたエントリーのトリガーを待ちます。
このような時間が取れない忙しい人は、FX会社の注文機能を利用してはどうでしょうか。狙ったレートに指値で待ち伏せて、その注文が執行された場合の利益確定注文と損切り注文を出すことなどが可能です。決済注文も同時に入れておけば、利益確定や損切のタイミングを逃しません。
精神的な負担が少ない
ポジションを持ち越していると気持ちが落ち着かなくなるものです。市場が開いていれば損切りや利益確定注文を入れられるので、それほど負担にならないかもしれません。しかし、土日など休場のときはストレスが増します。実際、貿易交渉の行方や自然災害の報道、某大統領のTwitterなどが気になって眠れなくなってしまう人もいるようです。
デイトレードではその日のうちに決済するため、相場が気になって落ち着かないことはありません。急な為替変動要因があり、翌取引日で大きくレートが飛んで大きな損失になることも防げます。
頻繁にチャートを見る必要がないため、時間的に余裕が持てるのもメリットといえるでしょう。特に、チャート分析を済ませてエントリーする条件が整うのを待っている間は、スマホでチラ見する程度で十分です。家族と過ごす時間や趣味の時間などをそれほど犠牲にする必要はありません。
マイナススワップによる損失が防げる
マイナススワップとは、2つの通貨間の金利差がマイナスになることです。FXでは1日ごとにスワップポイントが発生し、損益に合算されます。仮に、米ドルの金利が0.5%、日本の金利が0.1%のときに米ドル/円で売りのポジションを持つと、0.4%のマイナススワップとなります。
この場合、ポジションを持っている通貨数量に応じて金利差分を支払わなければなりません。スワップポイントには金利差だけでなく、FX会社の手数料(取り分)も入っているので、トレーダーにとっては余計な費用も支払うことになります。デイトレードでは、ポジションを保有する時間が短く、1日で取引が完結するので、マイナススワップを気にせずトレードできます。
FXのデイトレードで利益を出すためのコツ
FXのデイトレードで利益を出すにはコツがあります。ここでは、FX会社選びやデイトレードに向く通貨ペア、時間帯などを紹介します。
スプレッドが小さいFX会社を選ぶ
スプレッドとは買値と売値の差額のことです。FX会社は通常、取引手数料を取りませんが、このスプレッドで実質的に手数料を取っています。すなわち、トレーダーにとっては毎回発生する取引コストです。
デイトレーダーは最大損失を1日の値幅に抑えられますが、一方、利幅も小さくなりやすいのが特徴です。つまり、利益に対するスプレッド(取引コスト)の割合が大きくなる傾向があります。加えて、取引回数もスイングトレードや長期トレードに比べて多いため、コストもばかになりません。できるだけスプレッドが小さいFX会社を選んだほうがよいのです。
スプレッドはFX会社によって違います。複数のFX会社を比較して、スプレッドが小さいところを選びましょう。通貨ペアによってそれぞれ違うため、メインで取引する通貨ペアを決めておくと選びやすくなります。
デイトレードに有利な通貨ペアを選ぶ
デイトレードをするなら、スプレッドが小さい通貨ペアがおすすめです。たとえば、米ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドルなどです。一般的に、取引量が多い主要国の通貨はスプレッドが狭く、新興国のようにマイナーな通貨ペアはスプレッドが広い傾向があります。
値動き(ボラティリティ)がある通貨ペアを選ぶことも重要です。利益に対するスプレッドの割合を減らすには、値幅があるほど有利だからです。逆に値動きがないと、スプレッドという取引コストの割合が大きくなってしまうので注意しましょう。
もちろん、同じ通貨ペアでも動くときと動かないときがあります。たとえば、狭い値幅のレンジ相場になったときは、あまり積極的にトレードしないのも一つの戦略です。
相場が動きやすい時間帯に取引する
為替相場は取引が活発になる時間帯と、比較的緩やかになる時間帯があります。取引が活発になる時間帯では値動きが出るため、利益が出しやすくなります。その時間帯とは、各国の市場が開始される前後1~2時間程度です。
チャート分析上、重要な局面か、重大なイベントを控えていないかなども関係しますが、この時間帯は取引が集中しやすいのでチャンスといえます。ただし、レートが乱高下することもあるため、動きが激しすぎるときは静観しましょう。
相場が動きやすい時間帯(日本時間)は以下のとおりです。
- 8時~9時55分ごろ:9時は東京市場のオープン。
前日の海外市場の動きをみてアジア圏のトレーダーが活発に取引する。円絡みの通貨ペアがよく動く。 - 16時~18時ごろ:16時からは欧州市場オープンによって動きが出てくる時間帯。
イギリス、ドイツ、フランスなど欧州のトレーダーが活発に取引する。ユーロやポンドなどの欧州通貨の値動きがよくなる。いったんトレンドが出ると、米国時間まで流れが続くことも多い。 - 21時~24時ごろ:米国市場の時間帯。
NY市場オープンより前の21時半(夏時間)か22時半(冬時間)に経済指標が発表されることもあり、この時間の前後で激しい動きが出ることもある。
FXでデイトレードをするときのポイント
FXのデイトレードで重要になるのは、チャート分析(テクニカル分析)です。重要な経済イベントや政治動向は知っておく必要はありますが、あくまで参考程度にして、チャートから得られる事実を元に分析しましょう。ここでは、チャート分析で重要なポイントを紹介します。
チャート分析をする
相場環境の把握やエントリーポイントの絞り込み、エントリータイミングの見極めのためには、チャート分析が欠かせません。さまざまなテクニカル指標を使ってチャートを分析することで、相場の方向性を予想できます。テクニカル指標には数多くの種類があるため、一通り勉強してからトレードを行いましょう。
ただし、全ての指標を詳しく勉強する必要はありません。トレンドフォローをするのか、レンジ相場の支持・抵抗線近くで待ち伏せ売買をするのかなど、投資スタイルによって適した指標とそうでない指標があるからです。
多くのテクニカル指標を組み合わせようとするのではなく、自分の得意な相場環境で、使い慣れた少数の指標を使ってシンプルにチャート分析するのが上達のポイントです。
トレンドを見極める
初心者に最もおすすめの投資スタイルは、相場の流れに乗ってトレードするトレンドフォローと呼ばれるスタイルです。トレンドフォローをするためには、トレンド相場を見極める必要があります。相場環境は大きく分けて3つです。
- 上昇トレンド:高値と安値を切り上げながら上昇している状態。トレンドフォローでは買いのみをする。
- 下落トレンド:高値と安値を切り下げながら下落している状態。トレンドフォローでは売りのみをする。
- レンジ相場:高値圏と安値圏の間を行ったり来たりする。引いた目線で見ると横ばいで方向感がない。トレンドフォローでは様子見。
トレンドの定義は「ダウ理論」というチャート分析の土台になっている理論に基づいています。最重要項目なので、チャート分析方法を全く知らない人は真っ先に取り組みましょう。何をもって高値・安値とするのかも、自分のルールで決めなければなりません。
利益確定と損切りのポイントを決める
デイトレードでは、ポジションを持ってから決済するまでの時間が短いのが特徴です。エントリー後の動きによっては、数分以内で利益確定や損切りになることもめずらしくありません。そのため、あらかじめ利益確定や損切りのレートを決めておきましょう。エントリーしたと同時に損切り注文だけでも入れておくと、決済のタイミングを逃して大きな損失につながることもありません。
あるレートに達したときに、利益確定または新規注文が執行されることを指値注文といいます。また、あるレートをまたいだときに、損切りまたは新規注文が執行されることを逆指値注文といいます。ポジションを持っているときは、OCO注文を活用するのが便利です。この方法は、利益確定のための指値注文と損切りのための逆指値注文を、セットで注文できます。
ほかにも、IFO注文方法があります。これは、新規注文の指値または逆指値と、その注文が執行されたときの利益確定の指値と損切りの逆指値の3つをセットで注文する方法です。この注文方法で常にエントリーすれば、事前に利益確定と損切りのポイントを決める習慣が付くのではないでしょうか。
デイトレードにおすすめのチャート分析
ここでは、デイトレードにおすすめのチャート分析方法として、トレンド系(トレンド相場向け)とオシレーター系(レンジ相場向け)のテクニカル指標をそれぞれ紹介します。
トレンド系テクニカル指標
トレンド系テクニカル指標とは、トレンドの方向・強さを見極め、エントリーするのに適したテクニカル分析方法です。ここでは、移動平均線・MACD・ボリンジャーバンドの3つを紹介します。
移動平均線
移動平均線とは、一定期間の価格(終値)の平均値を表したテクニカル指標で、以下の3種類があります。
■単純移動平均線(SMA):一定期間の価格を単純に平均したもの
■加重移動平均線(WMA):直近データを最も重視し、古くなるほど影響度が少なくなるように平均したもの。SMAより反応が早い
■指数平滑移動平均線(EMA):直近データを最も重視し、古くなるほど指数関数的に重みを減らしたもの。WMAより反応が早い
ローソク足が移動平均線の上にあるか下にあるかで、上有利か下有利かを判定できます。また、傾きが強いほどトレンドが強いことがわかります。2本の移動平均線を使ってトレンドの転換を判定することで、エントリーのタイミングを計るゴールデンクロスやデッドクロスもよく知られた手法です。
ゴールデンクロス:長期移動平均線を短期移動平均線が上抜いたときが買いサイン(上昇転換の可能性)
デッドクロス:長期移動平均線を短期移動平均線が下抜いたときが売りサイン(下降転換の可能性)
MACD
MACD(マックディー)とは、「移動平均・収束・拡散手法」のことで、移動平均線をより発展させた分析方法です。
■MACD(ライン):短期EMA-中期EMA。短期を12期間、長期を26期間とするのが一般的。短期EMAが中期EMAより上にあるときプラスの値で、拡散しているときは値が増えていく。逆に収束していくと値が減ってやがてゼロとなり、短期EMAが中期EMAより下に出るとマイナスとなる。そのまま拡散するとマイナスの値が増える。
■シグナル(ライン):MACDを一定期間で平均化したもの。通常9期間。
MACDはトレンド相場での押し目買い、戻り売りによく使われます。調整完了でトレンドが再開されたとするシグナルは以下のとおりです。
MACDがゼロラインより下にあり、シグナルを下から上に抜けたときが買いサイン
MACDがゼロラインより上にあり、シグナルを上から下へ抜けたときは売りサイン
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、移動平均線を元に、統計学を用いて価格の振れ幅や転換のサインを把握する方法です。移動平均線である中心線の上下に1標準偏差(1シグマ)と2標準偏差(2シグマ)の線を描いて、合計5本の線でトレンドを判断するのが一般的です。
ボリンジャーバンドは統計学の標準偏差と正規分布に基づいており、レートが68.26%の確率でそのなかに収まる範囲を±1σ、95.44%で収まる範囲を±2σのバンドで表現しています。
ボリンジャーバンドの使い方は大きく分けて2つあります。一つは、バンド幅がレンジ相場で収縮し、トレンド相場で拡大する性質を利用してトレンド発生を知る方法です。バンドがくびれた状態から大きく拡大したらトレンド発生と考え、動いた方向に仕掛けることを検討します。
もう一つの方法は「価格が+2シグマ付近にレートがきたら売り」「-2シグマ付近にレートが来たら買いのサイン」と考える方法です。これは、レンジ相場において、レートが確率的に行き過ぎと考えて、移動平均線へ戻る動きを予測して逆張りを仕掛ける手法です。
トレンド相場ではどんどんバンドが広がっていくことが多いので、反トレンド方向への動きを狙う逆張りをするのはおすすめできません。反トレンド側ならリスクは低いですが、トレンドが出ているときに2シグマにタッチする可能性はほとんどありません。考案者のジョン・ボリンジャーも、ボリンジャーバンドはトレンド相場で使うべきだと言っています。
オシレーター系テクニカル指標
オシレーターとは「振り子」という意味の言葉です。つまり、トレンドがなく行ったり来たりを繰り返すときに、過熱感を判定するのに適しています。ここでは、デイトレードのレンジ相場で活用できるオシレーター系テクニカル指標を紹介します。
RSI
RSIとは、一定期間の価格変動における「買われすぎ」「売られすぎ」を数値化した指標です。0%~100%の範囲で、70%以上が買われすぎ、30%以下が売られすぎと判断されます。「買われすぎなら売り」「売られすぎなら買い」というわかりやすいシグナルが出るため、人気が高いテクニカル手法です。
レンジ相場においては、シグナルの発生数も多くなり、機能しやすいのが特徴です。逆にトレンド相場では、あまりシグナルが出なくなり機能しなくなります。特に反トレンド方向への動きを狙うエントリーに使うのはやめましょう。
買われすぎ・売られすぎの状態でラインが張り付いてしまう状態になり、レートは反転することなく動いていくからです。押し目買い、戻り売りでトレンド方向へのタイミングを図るうえでは問題ありません。実際、多くのトレーダーはほかの指標と組み合わせて使います。
ストキャスティクス
ストキャスティクスもトレンドが発生していない相場で買われすぎ・売られすぎを判断するのに適した指標です。過去の高値・安値に対し、当日の終値の位置を数値化し、70%以上を買われすぎ、30%以下を売られすぎと判定します。
ストキャスティクスには「%K」と「%D」「Slow%D」の3つのラインがあります。
%K=(現在値-N日間の最安値)÷(N日間の最高値-N日間の最安値)
%D:%KのM日平均
slow%D:%DのL日移動平均
反応度が早い順に並べると「%K>%D>Slow%D」です。基本的には、各線が買われすぎ・売られすぎのゾーンから出てきたときに売り・買いのシグナルになりますが、各線のクロスや並び順などを見て分析するのがRSIと違うところです。
「%K」と「%D」の2本を表示するのはファストストキャスティクスといわれ、短期売買に向いています。しかし、「%K」は反応が早くだましも多いことから、「%D」と「slow%D」を使った「スローストキャスティクス」のほうが人気です。
N、M、Lは任意に設定できます。各トレーダーでバラつきが大きく、標準設定といえるものはありません。自分のスタイルに合わせてカスタマイズするようなテクニカル指標といえるでしょう。
チャート分析を活用してデイトレードに挑戦しよう!
デイトレードは常時チャートを監視しなくてもよいため、忙しい人でも実践できます。また、精神的な負担が比較的少なく、トレードの経験を積みやすいのがメリットです。
FXでデイトレードをするなら、チャート分析が欠かせません。テクニカル指標を使ってトレンド相場とレンジ相場の判定、エントリーポイントの絞り込み、エントリータイミングの見極めをしていきましょう。トレード手法に応じて指標を選定することも重要です。