スイングトレードには週足や日足が有効?長期的な相場の流れをつかもう!
今回は、スイングトレードで稼ぐコツ、スイングトレードで参考にすべき重要な時間足やチャートについて解説します。
今回のポイント!
・スイングトレードは保有期間が数日~数週間だからゆったりとトレードできる
・スイングトレードのメリットとデメリットとは
・スイングトレードで稼ぐコツと活用したい時間足について
スイングトレードとは?初心者におすすめの理由
FXトレードには複数のトレードスタイルがあります。例えば、一日に何度も取引を繰り返す手法や、中長期的に保有して利益を狙う手法など、トレードする頻度や保有する時間によってトレードスタイルを分けることができます。そのなかで、スイングトレードとは、エントリーしてから決済まで数日から数週間かけるトレード手法やスタイルのことです。
スイングトレードでは、一度エントリーしたらポジションを保有している時間が比較的長いので、頻繁に売買する必要はありません。一日中チャートを監視する必要のある手法と異なり、忙しい人でも実践しやすいトレードスタイルといわれています。
また、スキャルピングのように瞬間的な動きをとらえる必要もないので、初心者でもゆったりと取り組めるのが特徴です。スイングトレードでは週足や日足などの大きな時間足を使い、相場の大きな流れをつかんでトレードするのがポイントです。
【トレード期間の違いによるトレードスタイル】
スイングトレードでFX取引をするメリット
スイングトレードは頻繁に売買するのではなく、保有期間も長めでゆったりとしたトレードスタイルです。それは、どのようなメリットにつながるのでしょうか。ここでは、スイングトレードのメリットについて詳しく解説していきます。
忙しい人でも挑戦できる
スイングトレードは大きな相場の流れに乗るトレードスタイルです。相場の判断基準にするのは日足や週足なので、チャートを確認するのは数日に1回、多くても1日に1~2回程度となります。日中忙しいサラリーマンや主婦でもトレードしやすい手法といえるでしょう。
チャートをずっと監視しつづけるのは精神的にも消耗が激しいので、ゆったりと構えられることがメリットです。また、エントリーすれば数日~数週間保有するので頻繁にトレードを繰り返す必要もありません。
エントリー後に指値注文や逆指値注文を出しておけば、利益確定や損切りも自動的に執行できますので、万が一の相場の急変にも対応できます。このような点からスイングトレードは忙しい人でもチャレンジしやすいトレードスタイルといえます。
1回のトレードで得られる利益が大きい
スイングトレードは数日から数週間かけてトレードをするので、当然トレードの頻度は少なくなります。その反面、スイングトレードでは数日かけて利益を増やしていくので狙える利幅が大きいのが特徴です。スキャルピングで狙う利幅は一般的に1~10pips、デイトレードでは10~100pipsといわれています。これがスイングトレードになると100~500pipsの利幅が期待できます。
もちろん相場の状況にもよりますが、頑張ってトレード回数を重ねなくても、期待値の高いトレードができるスタイルといえるでしょう。
取引コストが抑えられる
FXトレードは取引手数料が無料の場合が多いですが、実はトレードする度にあるコストが発生しています。それがスプレッドです。FX会社は買値と売値に差をつけており、その差額をスプレッドと呼びます。
トレーダーは実質の取引手数料として、FX会社にスプレッドを支払っています。スプレッドはトレードする度に支払っているので、トレード回数が多くなればなるほど支払う額が大きくなるのです。一回一回は小さな額かもしれませんが、トレードの回数が多い場合は、積み重なって大きなコストとなるでしょう。
その点スイングトレードはトレード頻度がそもそも少ないので、スプレッドで支払うコストが少ないのがメリットです。
スイングトレードでFX取引をするデメリット
スイングトレードにはメリットだけでなくデメリットもあります。どんな点がデメリットになるのか、詳しく見ていきましょう。
トレンドの方向性がわからないと利益が狙えない
スイングトレードでは基本的にトレンド相場を狙います。スイングトレードの特徴である大きな利幅はトレンドに乗るからこそ期待できるものです。従って、トレンドが判断できない場面では手を出せないことがデメリットです。
特に、レンジ相場はランダムウォークと呼ばれるふらふらしたチャートの動きになるので、時間をかけても利益が狙えるとは限りません。また、レンジを抜けて大きく動いた時に反対側のポジションを持っていると大きな損失になる場合もあります。そのため、スイングトレードでは手が出しにくい相場です。
このようにトレンドを狙うのがスイングトレードの基本になりますが、日足や週足ではいつもトレンドが出ているわけではありません。相場状況によってはずっと様子見が続く場合もあります。
資金を効率的に増やせない
スイングトレードの場合、いつでもトレードできる相場状態とは限りません。さらに、その状態が長く続く場合もあります。何もトレードしていない期間はいわば資金を遊ばせている状態です。スキャルピングやデイトレードの場合だと、常にトレードして資金を回転させ、少しずつでも利益が増やせるので資金効率はよいといえます。
また、スイングトレードでは狙える利益幅が大きい反面、想定しておく損切り幅も広くなります。そのため適切にリスクをコントロールしようとすると、どうしてもレバレッジを抑えた取引になってしまいます。その点でもスキャルピングやデイトレードと比べると資金効率の面では劣ってしまいます。
相場の急変により損失が大きくなる可能性もある
スイングトレードでは回数が少ない分、1回のトレードの勝ち負けがトータル利益に大きく影響します。トレードの勝敗は確率の問題でもあるため、どうしても負けは回避できません。月にたまたま一回しかなかったトレードチャンスで負けてしまうこともあります。
トレードを繰り返す頻度が多いトレードスタイルのほうが、一度のトレードでマイナスでもすぐにリカバリーを狙えます。そのため、トータルでプラスの状態を保ちやすいでしょう。
また、スイングトレードは週をまたいだり、長期間ポジションを保有したりするので、その分相場急変のリスクとは背中合わせです。スイングトレード中に利益を出していても、思わぬ急変で損失が大きくなる可能性もはらんでいます。
FXのスイングトレードで稼ぐコツ
メリットデメリットを踏まえた上で、実際スイングトレードで稼ぐにはどうしたらいいのでしょうか。ここからは、スイングトレードで稼ぐためのコツを紹介していきます。
週足で相場の流れを読む
スイングトレードは数日間~数週間ポジションを持つので、細かなトレンドを把握するというよりは、大きな相場の流れを判断するのがポイントになります。従って、短期的な時間足ではなく、大きな時間足でトレンドを把握するのがコツです。
大きな流れを把握するために活用するのが週足です。週足は1週間経つごとに1つのローソク足を形成するので、中長期的なトレンドの方向性を確認しやすいでしょう。短期的にどんな動きをしていても、週足レベルのトレンド方向に全ての時間足の方向性が収束していきます。数日ポジションを持つことになるスイングトレードでは、非常に重要な判断材料になります。
週足でトレンドの判断や方向性を確認し、短期の時間軸を使ってエントリーポイントを確認していくのがコツです。
流通量の多い通貨ペアを選ぶ
スイングトレードでの通貨ペア選びのコツですが、まず基本的に安定して取引されている通貨ペアを選びましょう。基軸通貨である米ドル、ユーロ、円などは安定して取引されているので安定性が高いです。これらの通貨はよっぽどのことがない限り、暴落したり、乱高下したりする事態が起こりにくいといえます。そのため、チャートを常時監視しないスイングトレードでも安心して取引しやすい通貨です。
一方、取引量が安定していると、チャートの動き自体も緩慢になってしてしまう傾向にあります。もし、もっと利幅を狙いたい場合は、取引量も比較的安定しているけれど、ボラティリティが高いポンド/円やポンド/ドルも候補として検討してもいいでしょう。
レバレッジを抑える
スイングトレードでは狙える利幅も大きいですが、想定しておくべき損切り幅も当然大きくなります。そこで大切なことがリスクコントロールです。ハイレバレッジでスイングトレードをすると損切り幅が深くなるので、あっという間に資金がなくなってしまいます。最悪損切りになった場合を考慮して、レバレッジを控えめにトレードするのがコツです。
また、スイングトレードでは一つの通貨ペアだけではチャンスが少ないので、複数通貨ペアを保有する場面も多くなります。各通貨ペアのレバレッジが高くなくても、合計したら気づかないうちにハイレバレッジの取引をしていることもあるため注意が必要です。
損切り注文を入れておく
スイングトレードでは損切り幅が広くなるのが特徴です。どのトレードスタイルでも損切りの徹底は重要ですが、スイングトレードでは損切り幅が広いため、より重要といえます。しかも、チャートを常時監視しているわけではないので、損切りが必ず執行されるような工夫が必要です。
基本的にはエントリーしたら必ず、すぐに損切と利益確定の指値・逆指値注文を出しておきます。日中忙しい人はエントリーも指値注文で行うこともあるでしょう。その際もセットで決済注文を入れるようにすることが大切です。
多くのFX会社では便利な注文方法が用意されています。今、紹介した注文はOCO注文やIFO注文と呼ばれる方法でオーダーできるので、適宜利用しましょう。
マイナススワップに注意する
FXトレードではスワップポイントと呼ばれる仕組みがあります。スワップポイントは各国の通貨の金利差を利子分として換算したものです。ただし、プラスポイントだけでなく、マイナスポイントもつきます。プラスであれば毎日利子がもらえますが、マイナスであれば利子を払う必要があります。
スイングトレードでは決済までのポジション保有期間が長めなので、マイナススワップには注意が必要です。今は円の金利がほとんどついていないので、ドル/円やポンド/円などの通貨ペア の売りポジションにはマイナススワップがつきやすい傾向にあります。各国金利は政策により変動します。また、FX会社によっても異なりますので、トレードする際にチェックしましょう。
ファンダメンタルズ分析も取り入れる
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。ファンダメンタルズ分析とは、世界の政治や経済などの情勢を相場の判断材料にする分析方法です。短期的なトレードでは、あまりファンダメンタルズ分析を使うことはありません。しかし、スイングトレードでは保有する期間が長いため、ある程度世界の情勢には注意する必要があります。
過去にもブレグジットやアメリカの大統領選挙などで、チャートが大きく動いたことがありました。このような政治的な節目だけでなく、各国の景気を判断する経済指標、金融政策など、相場の変動につながりそうな要因は意識してアンテナを立てておくことも重要です。
スイングトレードで活用したい時間足とは?
実際にスイングトレードする時は、どの時間足をどのように活用すればいいのでしょうか。ここからは、複数の時間足を活用する方法を解説します。
週足で長期的な相場の流れを把握する
スイングトレードでは基本的に大まかな流れを確認する時間足と執行を判断する時間足を区別して活用します。まずは、週足で大まかなトレンドを確認しましょう。
チャートは1分足や5分足などの短期足に行けば行くほどノイズが多くなり、チャートがジグザグになったり、ガタガタになったりします。その点、週足ではチャートがきれいな形状を描きやすく、トレンド判断や相場判断もしやすいです。
また、週足のレジスタンスラインやサポートラインは強力なサインにもなります。いくら下位の時間足で反対の動きがあっても、週足のチャートのポイントを簡単に抜けることはありませんので、あわせてチェックしておきましょう。
週足で流れを把握したら短期足もチェック
週足で大きなトレンドの流れを確認したら、次はより短い時間足に移っていきます。長期的な流れがあっても、下位の時間軸ではチャートは反対の流れだったり、上下に波打っていたりする場合がよくあります。
例えば、週足がアップトレンドでも押し目を形成している最中であれば、4時間足ではダウントレンドを形成している場合もあります。このような場合、いずれ4時間足のトレンドも週足のトレンド方向に収束していきますが、長期的な流れと一時的な流れが一致していたほうが勝ちやすくなります。
そういった特性からも週足で流れを把握したら日足や4時間足の流れもあわせて確認しておきましょう。
短期足でエントリーポイントを探す
週足や日足は大きな流れを把握するにはいいのですが、実際にトレードするには向いていません。なぜならローソク足の確定が遅かったり値幅が広すぎたりするために、エントリータイミングを取りにくいからです。従って、実際のエントリータイミングを厳密にしたい場合は、より短い1時間足や15分足を使って判断してもいいでしょう。
短期足でエントリータイミングを判断するメリットは、狙ったポイントで狙った動きをするかの確認をしてエントリーできる点です。狙ったポイントで待ち受けるので損切り幅も小さくできます。
とはいえ、スイングトレードでは大きな流れをとらえることが重要です。あまりに短期足を見すぎて混乱するようであれば本末転倒ですので、こだわりすぎず参考程度にとどめましょう。
スイングトレードでは週足で大まかな流れを把握しよう!
スイングトレードでは大きな流れを適切につかみ、それをいかに捉えるかが重要です。大きな流れをつかむには、まずは週足をチェックしましょう。また、頻繁にトレードする手法と違い、じっくりと待つ心構えも必要です。週足の流れに逆らわず、エントリーポイントをしっかりと見極めたトレードを心がけましょう。