今週はイベントが盛り沢山 金融市場の方向性に注目
為替市場は材料が盛り沢山の週
8月のジャクソンホール経済シンポジウム、9月上旬の米雇統計後に材料難が続いてきた為替市場ですが、今週は週末の政治イベントを含め、材料盛り沢山の週をむかえます。
順に追って整理していきます。
今週は、北欧や新興国まで含めると非常に多くの中銀が金融政策を発表予定で、この先の金融市場の方向性をある程度決める可能性があります。
黒田総裁の記者会見 財政健全化へのコミットメントは?
9/21-22の日程で日銀金融政策決定会合が開催予定、総じて無風通過予想ですが、今回は、9/22の終了後の黒田総裁の記者会見に注目です。
すでに大規模量的緩和(国債買い入れ)の大前提となっているのが、政府の財政健全化へのコミットメントでした。
自民党総裁選では、高市候補がプライマリーバランス(基礎的財政収支)の凍結を主張しており、会見でここに質問が飛び出す可能性があります。
パウエル議長の会見 見通しは上方修正されるか?
9/22-23、FOMCが開催予定、9/23、27:00に金融政策を発表後にFRBパウエル議長が会見にのぞみます。
まずこの9月会合から、2024年のSEP(経済見通し)とドットチャート(先行きの政策金利の見通し)が初めて公開されますが、ここに波乱の芽が隠されている可能性があります。
そもそも、コロナ後の空前絶後の量的緩和やゼロ金利政策は、それでしか経済を立て直せない時代の半ば緊急避難的な政策で、2024年となれば、かなり正常化は進みます。
政策金利であるFF金利先物からみると、2024年末までに織り込んでいる利上げの回数はわずか4回弱程度で、これより大幅に多い利上げ回数の見込みが示される可能性があります。
さらに前回6月FOMC時点で、2023年末では5人のメンバーFF金利の据え置き予想をしていましたが、これらが全て消え、上方に修正されるリスクすらあります。
かなりタカ派の内容が飛び出す可能性があり、金利上昇、ドル高のイベントとなるかもしれません。
こちらに比べれば、9/23のBOE(イングランド銀行)の金融政策は若干タカ派寄りとなるでしょうが、かわいいものだと思います。
トルコ中銀 金融政策の発表 利下げに忖度するか?
ダークホース的なのは、9/23のTCMB(トルコ中銀)の金融政策の発表、声明文から「政策金利は消費者物価指数を上回る水準を維持」の文言が削除される可能性があります。
すでに、TCMBは政策判断するにあたり、コアインフレ率(こちらの方が低くでるから)を採用するなどの奇策・秘策のカードを切る構えをみえています。
エルドアン大統領の主張する利下げに忖度する政策(変更)ですから、再びTRYJPY(トルコリラ円)の急落がクロス円全体の売りに波及する可能性もあり要注意でしょう。
総じてイベント盛り沢山、週末にはドイツの総選挙などもあり、目が離せません(こちらは次回以降で…)。
先週までのクロス円の続落ですが、FOMCを機に一気にドルを主体とする相場つきに激変する可能性があり、前半は極力様子見でいきます。
メルマガ SmartLogicFX より一部抜粋しています。
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