今週は様子見姿勢強い展開と予想
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、月末月初に加え、米雇用統計を筆頭に複数の経済指標の発表を終え、リスク資産の上伸を背景にリスク通貨が買われています。
上昇通貨では上位よりCAD(+1.40%)、AUD(+1.30%)、GBP(+0.78%)、JPY(+0.46%)、NZD(+0.18%)と続き、下落通貨でも同様にCHF(-0.44%)、EUR(-0.20%)と続いています。
米債務上限合意の法案が上下両院で可決、週末にかけて米株が大幅上昇、日経平均先物6月限が32000円の水準に到達と市場を取り巻く環境は好転しています。
リスクセンチメントの改善を好感して、資源国通貨が上昇上位をほぼ独占、市場変化を反映しています。
こうしたなかで、JPYは上昇の中位、USDJPYが141円を伺うところまで上伸したものの力なく反落、やや材料難の様相を呈しています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:388pts
実際の値幅:248pts
EURUSD
予想した値幅:198pts
実際の値幅:144pts
EURJPY
予想した値幅:348pts
実際の値幅:247pts
かなり手詰まり感強く、全般的に大きな動きにはなっていません。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:308pts
68%下限/上限:138.44/141.52
95%下限/上限:136.90/143.06
EURUSD
予想する値幅:176pts
68%下限/上限:1.0618/1.0794
95%下限/上限:1.0530/1.0882
EURJPY
予想する値幅:310pts
68%下限/上限:148.32/151.42
95%下限/上限:146.77/152.97
先週からの動きを反映して、IV(予想変動率)が示唆する値幅は一段の縮小、今週の為替市場の大きな変動を織り込んでいません。
値幅の概念・考え方は、こちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
まず来週6/13-14に予定されるFOMCを前に、昨日6/3よりFOMCメンバーらは講演等の情報発信を禁止されるブラックアウト期間に入っており、情報は遮断されます。
来週はさらに欧州と日本でも金融政策の発表が続き、この結果を見極めたいと考える市場参加者が大半でしょうから、今週はかなり様子見姿勢強い展開と予想します。
先週6/1の5月ISM製造業景気指数に続き、今週は6/5に5月ISM非製造業景気指数が発表予定、このところ製造業が低空飛行の反面、非製造業は好調と明暗をわけています。
後者の予想値は前回の51.9からわずかに改善する52.2、これ以上の結果で終われば、素直にドル買いの市場反応だと思います。
6/6にはRBA(豪州準備銀)が政策金利を発表予定、前回はサプライズの利上げ再開でしたが、今会合では市場のコンセンサスで現行の3.85%に据え置き予想です。
隣国のNZは先月、利上げの打ち止めと同時に将来の利下げの時期まで示唆したことで、かなり驚きをもって受け止められNZDは値幅を伴い下落となりました。
このところの豪州ですが、一旦鎮静化にみえたCPI(消費者物価指数)は再度拡大に転じ、RBAがどのように判断するのか注目を集めます。
来週の主要3中銀の金融政策の発表を前に完全に材料難、USDJPYの1週間のIV(予想変動率)は7.91%まで低下、円売りのラリーが始まった2022年3月20日以来の低水準。
ここまで動かなくなると、始まるのが静かな金利選好の動き、単純に低金利の通貨で資金調達、高金利の通貨運用するキャリートレードの復活でしょう。
先進国で一番の高金利はNZの5.5%、続いて米国の5.00-5.25%(FF金利の誘導目標)、こうした通貨群はなかなか中長期での売りを継続できません。
昨日(2023/6/4)早朝配信の有料メルマガSmartLogicFXより抜粋してお届けしています。
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