【今週の注目】5/10の米4月のCPIとPPI
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、全ての通貨が上昇とドルが全面安の展開で週を終えています。
上昇上位よりAUD(+2.06%)、NZD(+1.81%)CAD(+1.25%)、JPY(+1.09%)、GBP(+0.53%)、CHF(+0.41%)、EUR(+0.02%)と続いています。
先週は一旦利上げの打ち止めが示されたにもかかわらず、サプライズの再利上げを発表した豪州の通貨AUDが終わってみれば上昇最上位。
ターミナルレート(利上げの最終地点)が目前のNZD、利上げの打ち止めが発表済みのCADまでもが再利上げ観測から上昇幅を拡大しています。
JPYは上昇の中位、USDJPYが年初来高値137.91を試したものの高値は137.77止まり、週末にかけて米地銀の金融不安再燃から133.50への反落。
金曜の米雇用統計は景気拡大の末期ながら全般好調からやや過熱した結果にドルは反転上昇、この日のUSDJPYの高値は135.12、これだけみるとやや戻りが鈍く感じられます。
USDJPYの週間の値幅は4円27銭まで拡大、先々週まで7週連続で縮小した流れが反転、今週も先週程度の変動(値)幅を織り込んでいます。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:386pts
実際の値幅:427pts
EURUSD
予想した値幅:266pts
実際の値幅:150pts
EURJPY
予想した値幅:370pts
実際の値幅:448pts
欧州通貨の対ドルでの動きが低迷する一方、対円の動きは拡大、総じて円絡み以外の通貨をトレードする妙味は乏しくなっています。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:384pts
68%下限/上限:132.89/136.73
95%下限/上限:130.97/138.65
EURUSD
予想する値幅:230pts
68%下限/上限:1.0904/1.1134
95%下限/上限:1.0789/1.1249
EURJPY
予想する値幅:370pts
68%下限/上限:146.70/150.40
95%下限/上限:144.85/152.25
IV(予想変動率)が織り込んだ値幅は先週と同水準、今週発表のCPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)の発表を前に期待は高まっています。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
今週は、週明けの月曜が英国市場がチャールズ国王の戴冠式から休場、大きな動きとなるのは米国時間に入ってからかもしれません。
先週金曜の米雇用統計が市場予想を上回ったことで、米株3指数は反発、為替市場の反応はセンチメントの(一時的な)改善からクロス円が買い戻されています。
GW入り前の4/28のUSDJPYの引けが136.30だったことを踏まえても、1円強のドル安水準、週明けは東京仲値の決済需要も含め、外貨買いの資金フローが入りやすくなります。
先週金曜に大幅反発に転じた経営不安がささやかれてきた米国の一部地銀株ですが、事態を取り巻く環境に何ら変化なし、信用が高い高金利の商品への預金流出は続くことでしょう。
今週の注目は5/10の米4月のCPIや同4月のPPIの結果でしょう。
CPIの発表がお祭り化した昨年夏以降の結果
8/10発表:米7月CPI⇒↓、3円27銭
9/13発表:米8月CPI⇒↑、3円06銭
10/13発表:米9月CPI⇒↑、1円20銭
11/10発表:米10月CPI⇒↓、6円38銭
12/13発表:米11月CPI⇒↓、3円30銭
1/12発表:米12月CPI⇒↓、3円20銭
2/14発表:米1月CPI⇒↑、1円80銭
3/14発表:米2月CPI⇒ニュートラル、1円87銭
4/12発表:米3月CPI⇒↓、1円86銭
(注)↓は下振れ、↑は上振れ、値幅は当日のUSDJPYの値幅
市場予想から、大きくかけ離れ、お祭り化したのはどちらかというと昨年末までで、その後はやや市場予想に収れん、今回は低下が完全に鈍化しそうです。
今回の4月のCPIの予想値
CPI:前月比、+0.4%(前回、+0.1%)
CPI:前年比、+5.0%(前回、+5.0%)
コアCPI:前月比、+0.3%(前回、+0.4%)
コアCPI:前年比、+5.5%(前回、+5.6%)
米CPIが直近のピークをつけたのが昨年の6月、その過程でコロナ後の需要爆発やサプライチェーンの目詰まりなどがCPIを押し上げたわけです。
昨年のそうしたCPIが大幅に高進した時点と比較するわけですから、前年比では当然にように低下してくるはずです(ベース効果)。
コアCPIの前年比などはこのところ5%の半ばで右往左往、低下してこないのは、先週の雇用統計の結果でも示されたような根強い労働市場、特にサービス価格の高止まりが背景。
上述の直近9回の結果を振り返ると、上振れ⇒3回、下振れ⇒5回、中立⇒1回、ディスインフレ(インフレの鎮静化)が始まっているわけで、下振れ5回は想定内。
このところの雇用統計などを加味して、今回、あくまでメインシナリオとするなら、市場予想通りかそれを上回るドル買いイベントでしょう。
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