FOMC 市場は0.25%利上げをほぼ確実視
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、上昇通貨は上位よりGBP(+1.00%)、NZD(+0.70%)、EUR(+0.25%)と続き、下落通貨でも同様にJPY(-1.62%)、AUD(-1.17%)、CHF(-0.26%)、CAD(-0.05%)となりました。
依然2桁の物価の上昇が続き、現実的にこの先3会合での利上げが迫るGBPが先々週に続き上昇最上位、これに近い環境のEURが上昇第3位。
日銀金融政策決定会合で金融緩和維持が決定されたJPYが下落最上位、利上げの打ち止めが発表されているCADやAUDが下落通貨にランクインしています。
JPYは全ての通貨に対しパフォーマンスで劣り、結果、USDJPYやクロス円が上昇、EURJPYが約14年半ぶりの高値を更新、全般欧州通貨のパフォーマンスが良好となっています。
7週連続で週間の値幅が縮小してきたUSDJPYの週間レンジは3円54銭まで拡大、今週予定される複数のイベントを前に期待値は高まっています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:460pts
実際の値幅:354pts
EURUSD
予想した値幅:212pts
実際の値幅:132pts
EURJPY
予想した値幅:480pts
実際の値幅:414pts
金曜後半からクロス円が主導する動きに、EURJPYの150円台乗せの影響もあり、全般クロス円の値幅が拡大しています。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:386pts
68%下限/上限:134.37/138.23
95%下限/上限:132.44/140.16
EURUSD
予想する値幅:266pts
68%下限/上限:1.0884/1.1150
95%下限/上限:1.0751/1.1283
EURJPY
予想する値幅:370pts
68%下限/上限:148.23/151.93
95%下限/上限:146.38/153.78
月初でもあり経済指標の発表多数、さらに今週は米欧で金融政策の発表も控え、先週ほどではないものの、IV(予想変動率)は比較的高いままで推移しています。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
まず週明けの5/1は英国市場がアーリーメイバンクホリデー、米国以外の主要センターがメーデーで休場、大きな動きとなるのは米国時間に入ってからかもしれません。
今週は5/3の27:00のFOMCが終了、金融政策を発表後に27:30からFRBパウエル議長が記者会見にのぞみます。
Countdown to FOMCをみれば、この会合での25bp(0.25%)の利上げ確率は83.9%まで到達と市場はこの利上げ幅をほぼ確実視しています。
25bpの利上げで政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標は5.00-5.25%となり、FOMCがみる今年年末時点の予想5.1%に並びます。
事実上、ターミナルレート(利上げの最終地点)に達するわけですが、声明文のなかでここで利上げの打ち止めを示唆できるか?
先週金曜のECI(雇用コスト指数)は上振れしており、今週5/5の米4月の雇用統計も変数、あくまで「データ次第」として利上げの終了を示す可能性は低いと思います。
こうした判断に多少なりとも影響を及ぼしそうなのが、FOMC前に発表される以下の経済指標の結果。
5/1 4月ISM製造業景気指数
5/2 3月JOLTS(求人件数)
5/3 4月ADP雇用報告、4月ISM非製造業景気指数
5/4のECB(欧州中央銀)理事会では25bpの利上げはほぼ完全に織り込まれ、50bpであればややサプライズ。
ユーロ圏も英国と同様にディスインフレ(物価の沈静化)は進まず、ECBの利上げはこの先、5月、6月、7月と続きそうな勢い、ドルに対する優位性でしょう。
5/5の米4月の雇用統計ですが、雇用関連指標は景気の遅行指標であり、大幅悪化を予想するのは杞憂、半ば良くて当然、その分下振れはネガティブ・サプライズとなります。
先週からのポジションが継続中。
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