米CPI後の市場反応

米CPI後の市場反応
市場予想を下回る米11月のCPI(消費者物価指数)の結果を受け、初動では金利は急低下、この先の利上げの織り込みは縮小、一方、2023年半ば以降の利下げを一段と織り込みました。
為替市場で急速に値を下げていたドルですが、USDPYは昨日安値134.66止まり、米雇用統計前の安値133.63にも届かず、やや肩透かしの恰好となりました。
ドル売りが伸び悩んだ理由に、おそらく、この辺に集約されるかと思います。
(1)CPI発表の翌日がFOMCでもあり、持ち高を大きく傾けられない
(2)ドルロングの整理が一巡済み
(3)年末が迫りリスク量を増やせない
本日はFOMCの結果に注目
明日朝に結果が判明するFOMCでは、50bp(0.50%)の利上げがほぼ確実、この先の経済見通しであるSEPやドットチャートのなかでのFF金利の見通しを5.0%付近に上げてくるでしょう。
インフレはデータだけみればピークアウトしていますが、目標とする2.0%までの距離は遠く、FRBパウエル議長の会見のなかでも、早期の利下げ期待をけん制する可能性があります。
今ココから重要となるのは、1つの会合の利上げ幅ではなく、ターミナルレート(利上げの最終地点)がどこになるのか、ターミナルレートの水準を将来のいつまで維持するかでしょう。
今朝時点で来年2023年6月にFF金利が4.855%になることを織り込んでいますが、そこから年末2023年12月にかけて1.62回(25bp=1回)の利下げも同時に織り込んでいます。
市場は早期にインフレが鎮静化、失業率の上昇などから、景気浮揚と称する利下げを織り込んでいるわけですが、この先のデータやFOMCの見通し次第で巻き戻しは簡単に起こります。
FOMC次第で上下どちらのリスクもあり、パウエル議長の会見で金融引き締め長期化や過度な利下げ期待のけん制、インフレ退治勝利宣言ほど遠い等が示唆される可能性は十分あります。
難易度からいえば、昨日のCPIの結果を踏まえてのトレードの方がはるかにやさしく、FOMCトレードの方が難しい。
FOMCの結果だけで判断せず、パウエル議長の会見も含め、売買材料としたいと思います。
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