この先のドル相場の着地を決めるもの
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、サンクスギビングの祝祭日を前に流動性が急低下するなか、米PMIの下振れなどもあり、全ての通貨が上昇、ドル全面安で引けています。
上昇上位より、GBP(+1.69%)、NZD(+1.59%)、AUD(+1.12%)、CHF(+0.94%)、JPY(+0.85%)、EUR(+0.72%)、CAD(+0.04%)と続いています。
USDJPYの戻りで測ると、11/11のCPI後の戻りが142.48、11/21の高値が142.25、直後の11/22の東京時間の高値が142.24ですから、上値が着実に切り下がっています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:384pts
実際の値幅:419pts
EURUSD
予想した値幅:250pts
実際の値幅:226pts
EURJPY
予想した値幅:342pts
実際の値幅:247pts
今年の動きを象徴するように、円絡みの値幅が拡大したままです。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:520pts
68%下限/上限:136.57/141.77
95%下限/上限:133.97/144.37
EURUSD
予想する値幅:306pts
68%下限/上限:1.0247/1.0553
95%下限/上限:1.0094/1.0706
EURJPY
予想する値幅:410pts
68%下限/上限:142.69/146.79
95%下限/上限:140.64/148.84
今週の後半に控える複数のイベント(後述)を前に、再びオプション市場が織り込むIV(予想変動率)がにわかに上昇、警戒モードに入りつつあります。
↓ 値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください
今週の展望
週明けは、サンクスギビングの祝祭日を通過したこともあり、週明けより全ての金融センターがフル稼働に戻り、流動性の回復を伴いこの先の方向感を探る展開だと思います。
今月主要通貨に対し、ドルは大幅に値を下げていることから、月末にかけては決済、送金需要に加え、月末のリバランスの伴うドル買いが持ち込まれる展開を予想します。
この先のドル相場の着地を決めるのは、おそらく大半が米国の金融政策の行方であり、それを左右する物価関連や雇用関連指標の結果の行方に焦点が集まります
12/1、FRBが最も重視する物価関連指標である10月のPCEデフレーター(個人消費支出物価指標)の発表がありますが、前年比で前回の+5.1%からどの位鈍化するかに注目です。
同日には、米国経済の代理変数と称される11月のISM製造業景気指数の発表も予定され、どの程度、市場予想からかけ離れる結果になるかが重要です。
翌12/2には米国の11月の雇用統計が発表予定、11/31のADP雇用報告である程度方向性を見極めることになりますが…。
雇用関連指標は経済指標のなかでは経済活動の実績値、つまりハードデータ、遅行指標ですから、依然景気が拡大しているなかでは半ば良くて当然です。
ただ、先々週の新規失業保険申請件数などは増加を始めており、雇用には着実に減速がみられていますので、市場予想を下ブレするネガティブ・サプライズは警戒。
シティグループが公開するエコノミック・サプライズ・インデックス(注)をみれば足元の数値が13.3、一部指標では底入れから市場予想を上回るものありますが、回復は弱いまま。
(注)https://www.yardeni.com/pub/citigroup.pdf
経済指標が市場予想を上回ったか、下回ったかを総合的に指数化したもの
おそらく、月が変わり師走に入ってからの最初の2営業日(12/1-2)が大きな流れを作る時だと思います。
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